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3話 コアの研究!!

 翌日には新しいスタッフも入り、ペルシアが一生懸命、新人教育をしていた。

 キッチンルームでは新しいスタッフと共に、克己が教えながら仕込みをしていく。

 一日の仕事が終わり、夜にはペルシアと共にマニュアル作成を行う。

 翌日にそれを使って雇った料理人に作らせたところ、問題なく料理が出来上がり、克己はこれでイケる! と思い、自分が仕事しなくて大丈夫な状態になった。

 ペルシアの提案で、夜も営業してはどうだろうか? という話になった。


「意外と夜も働いている人がいるにゃん! 夜もやってみたら良いにゃん」


 克己はその提案をうけて翌日、ペルシアと共に商業ギルドへ行き、お店のスタッフをさらに増やして24時間で営業してみることにした。

 だが、ブラック企業にはしたくないので、ちゃんと休みは取らせることにしている。

 克己のレストランは回転数が良いため、お金もかなりの勢いで貯まっていく。

 なんと、たった一週間で白金貨一枚分程になっていた。

 お金が貯まると、克己は約束通り涼介に連絡したところ、仕事の都合上により明日の夜に克己の家に来ることになった。

 克己は人を雇ったことにより、時間を持て余しておりペルシアに「ゴブリン退治しに行ってくる」と言って、出かけようとしたら、ペルシアも一緒に来ると言ってきた。


「ご主人様、武器は持っていかなくて良いのかにゃ?」


 ペルシアが質問してきた。


「俺にはこれがあるから大丈夫だよ」


 そう言って銃を見せたが、イマイチ何に使うかわからないペルシア。

 ペルシアは不安になって包丁をもってやってきた。

 街を出て森に入ると、二人は直ぐにゴブリンを発見した。

 ペルシアは包丁で斬り倒そうと考えているみたいだが、克己が改造エアーガンで始末すると「凄いにゃん!」と驚き、弄らせて欲しいと言ってきた。

 だが、危ないので克己は断りを入れて倒したゴブリンに近づきコアを胸から取り出した。


「ペルシア、このコアって一体何に使っているんだ?」


 克己はコアの重要性をペルシアに聞いたところ、赤いコアは炎系のコアで、炎の魔力が流れているとのこと、黄色いコアは電撃系、青いコアは水系らしく、他にもコアの種類があるが基本的には調理器具、ガスボンベの代わりにしたり、お風呂の薪替わりに使用したりするらしい。


「そんな使い方があったんだ……」


 克己は今持っている赤いコアを何かにできないか、克己の研究魂に火がつき、日本へと急いで帰り、大学へ持って行った。そして、色々と調べた結果、武器に使用できそうな事が分かり、すぐさまエアーガンを分解して、赤いコアを使用すると炎系のレーザーガンへと変貌した。

 殺傷能力は改造銃の数倍もあり、これならどんな奴でも倒せそうな気がしてきた。

 他には何かできないかと、またクローゼットの中に戻ってゴブリンを試作品のレーザーガンで撃ち倒し、コアを集めて大学の研究室で調べてみると、赤いコアは現在使用しているガスボンベの代わりになることがわかった。

 しかし、コア一個で一年しか持たないため、どうにかならないか研究を重ねると、容器を増幅器にすることにより、コアを増やせば年数も使用する事がわかった。

 また、黄色いコアも同じで、電気の代わりになることが分かり、克己はすぐに電気装置を作り、急いでクローゼットの中に戻って装置を使ってみると、通常より電気の流れが安定しているようでチラツキがなくなった。

 ガスについては涼介の協力と知識が必要なため、翌日、涼介が来た時に確認することにする。

 このレーザーガンは、ゴブリンのコア一つで大体100発撃てるようで、研究すればもっと弾数が増えるかもしれなかった。


 気をよくした克己は、ゴブリン狩りへと行こうとすると、ペルシアも一緒に行きたい言い出し、共にゴブリン狩りに行く事となった。


 レーザーガンの威力は上々で、克己はゴブリンを撃ち殺してゴブリンの体内よりコアを回収しまくった。


 コアは普通に見ると普通の宝石っぽく、元の世界では多分宝石として扱われるのではないかと克己は思い、手に入れたコアを売って無くなった資金を回収することにしようと考えた。


「涼介、お前の知り合いに宝石商はいない?」


  クローゼットから日本の家に帰って、克己は直ぐに涼介に電話して状況説明を行ったところ、宝石商の知り合いが居るらしく、今度ファミレスで落ち合うことになった。

 翌晩、涼介が仕事を終えて、克己の家にやって来たので、ガスの代わりになる装置を発明したと説明して、涼介立ち会いのもと装置を取り付けてみると、克己の研究した通り、コンロから火が出るようになった。

 これで涼介は克己のお店に、ガスの交換をしなくてよくなったことになる。

 克己は、涼介には悪いがガスの解約をさせてもらい、これで異世界へ出入りする人間が克己だけとなった。だが、涼介との約束で、奴隷購入の件があり、取り敢えずそちらを完遂することにした。


「克己、ガスの件はどうでも良い。本題は別だ! 奴隷を買うとなると、この一週間でかなり稼いだことになるが、本当か?」


 涼介は興奮ぎみで克己に確認する。


「あぁ、マジだ! どうする? どの子が良いんだ?」


 克己達は奴隷が並んでいるところで話しており、奴隷商は触らなければ話しかけても良いとの事で、涼介は嬉しそうにかなり上玉の、16歳になったばかりの子を選んで、克己はお金を支払い、涼介はその少女を克己の家に持ち帰った。


 クローゼットの世界から出た奴隷の少女は取り合えず、薄着で街を彷徨うろつくとなると、警察に捕まるか襲われてもおかしくない格好をしているため、克己がペルシアと共にユナクロで購入した普通の服をあてがわれ、お風呂に入れられた後、その服に着替えさせられるのであった。


 準備が整ったところで、奴隷の少女は涼介の家に行くことになった。


 奴隷少女は始めてみる異世界に驚いたが、声を出すと怒られる可能性があるため、口には出せずに驚き、周りを見渡す。


「涼介、なんかあったら連絡くれよ」


 克己がそう言うと、涼介は「分かっているって!」と言って、車で自分の家に帰って行き、翌日はファミレスで宝石商に一緒に立ち会ってくれた。


「涼介、あの子はどうなんだ?」


 宝石商が来るまで二人は雑談をしていたが、克己は奴隷の事が気になり質問する。

 涼介は、奴隷ちゃんは大人しく言うことを聞いてくれている。と、答えた。

 今は部屋の掃除などをしているらしく、まるで新妻みたいにしているらしい。


 涼介が「ところで克己、宝石を見せてくれよ」言うと、克己はかなり砕いた欠片を見せた。


「これだけで家が買えるんじゃねえのか?」


 涼介がそう言うとなんだかそれっぽく感じてきたが、克己は小さい欠片だから、たぶん500万位ではないかと思っていた。

 二人が異世界について暫く話をすると、スーツを格好良く決めた男性がやってきた。

 涼介はそれに気が付き、男性を紹介してくれた。

 宝石商は礼儀が良く、丁寧に挨拶をして、克己に名刺を渡してきて、 宝石商が椅子に座ると、ウェイターが水を持ってきた。

 宝石商は何も注文もせずに水だけ貰い、ニコニコして軽い雑談を始めてくれる、克己の緊張を取り除いてくれた。

  改めて克己は本題にもちこんだ。


「今回の宝石なんですけど、これって買い取ってもらえるんですかね?」


 そう言って克己は先ほどの欠片を見せて、宝石商が白い手袋をして、克己が差し出した欠片を手に取ると、ルーペのような物でコアを覗く。

 暫く宝石商は鑑定していると、次第に大量の汗をかきはじめて、ウェイターが持ってきた水を飲み干した。


「こ、こりゃ凄い! この欠片だけで大体2,000万といったところでしょう! 店に帰ってもう少し詳しく調べる必要はありますが……。宜しければ是非、売ってもらえないでしょうか!」


 正直、願ったり叶ったりな金額のため、克己はその場で宝石商に渡し、後日、克己の口座に振り込まれる話になった。

 これで本日の取り引きは終了し、宝石商は急いで帰っていく。

 横に居た涼介は先程の金額に驚きながら、克己に耳打ちしてくる。


「克己、俺にも少し分けてくれよ、さっきの話だと沢山あるんだろ?」


「涼介には世話になっているからな、今度手に入れた場所まで案内するよ」


 克己がそう言うと、涼介は喜び、叫びそうになる。


「しかし、俺を騙すとかは……無しだぜ?」


 克己が間髪入れずにそう言うと、涼介は会社さえ辞められるのであれば、どうでも良いと言っていた。

 心の中で克己は、完全にコイツはあちらの世界に住むつもりだな……と、思った。

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