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38話 戦いへの道!!

 克己達三人は、品川が迎えに来た車に乗り込み、発進する。


「おい、克己。一応午後からだから問題はないが、どこも寄れないのは理解しとけよ」


「分かってるって。この馬鹿に言ってくれ。人の家で盛っている馬鹿にな!」


 涼介は何も言わず外を見ている。


「この二人は何するんだ?」


「護衛と秘書だ」


「秘書!! だって、アルスさんでしょ!」


 品川が驚きながら言う。


「は、はい、昨夜任命されました……。頑張ります!」


「アルスさんが秘書か……」


「な、何か問題でも?」


「いやいや、こっちの常識を知らないのにできるのかなって思ってね」


「そ、それは頑張って覚えます。私は頑張ってパソコンも使えるようになりますから!」


「パソコン……て、携帯もあまり使用できないのに?」


「頑張って覚えますから……」


「頑張ってできるなら誰だってできるわ。そうじゃないから、やりたい事が出来ない人がいるのよ」


「品川さんもその一人なのか?」


 克己が聞いてきた。涼介は外を見ながら話を聞いている。


「そ、そんな事はないですが……」


「なら、それ以上言うのを止めてくれる? 本人は頑張るって言っているんだから」


「だ、だけど……」


「おい、どこ見て走っているんだ? ちゃんと走ってくれないと俺の仕事が増えるんだがな」


 涼介が言う。


「わ、分かってます」


「分かってないね。国枝、警察に連絡しろ。俺たちは追われてるぜ?」


 涼介が言うと、国枝は携帯を取り出し電話を始める。


「お、追われているって……誰に!」


「知らないよ、昨日はアジア系の奴が発砲してきたし……国枝君、どこの国かいい加減教えてくんない?」


「あまり言いたくはないな……」


「だってさ……。こんな状態なのにね」


 車は徐々に距離を詰めてくる。


「さて、涼介の仕事だ……」


 克己が言うと、涼介は銃を構える。


「な! ど、どこで仕入れたんですか!」


「本物を調べさせてもらったからね、鍛冶屋で道具を作ってもらい、俺が作成した特製の銃だよ」


 克己が当たり前のように言う。


「い、違反じゃないですか!」


「俺が使うわけじゃない! 涼介が勝手に使っているだけだよ。俺は盗まれたも同然なんだから」


「ちょ、ちょっとどういうことですか!」


「こいつがお金を払わずに使う=《イコール》勝手に使う。そう言う事だ」


「ちょ、ちょっと待って下さい! 黙認ですか!」


 品川は国枝に言う。


「状況が状況だ、仕方ないだろ……。ところで克己、涼介には家具を買って、俺には家具を買ってくれないのはどういうことだよ」


「取り引きをしようじゃないか」


「分かってるよ、黙認だろ。揉み消せばいいんだろ? 約束は守れよ、改築もだぞ! 俺ん家にも電気を引けよ、まさか薪で風呂に入るとは思いもしなかった……斧なんて初めて振ったぞ」


「いい経験したじゃないか……おっと、涼介……タイヤを狙えよ。それはただの銃ではない、『俺特製』だからな」


「ハイハイ……」


 涼介は窓を開けて外を見ようとすると、覆面パトカーが追跡を始める。


「お? 意外と早かったな。涼介の出番は終わりっぽいな」


 国枝が言うと、涼介は舌打ちをして銃を仕舞い、窓を閉める。


 克己は車に乗っている人物を振り向いて確認すると、やはりアジア系の人間だった。


「あの様子だと……」


「克己、それ以上の詮索は無用だ……警察が動いたんならそれでお終いにしろ」


「嫌だよ、狙われるのは俺だからね……売られた喧嘩は百倍にして返してやるよ」


 克己は後ろを見ながら言う。


 車から降りたアジア系の男は何かを警察に喋っているが克己達には聞こえるはずは無い。


「成る程ね……。やっぱりそうか……」


 克己は座席にちゃんと座り、呟く。


「克己様……」


「大丈夫だよ、だけど暫くは様子を見ないといけないね……武器も考えないと」


「法に触れなきゃ良いんだろ? お前なら相手を馬鹿にしたものが作れるだろ」


 涼介が笑いながら言う。


「少し考えるよ」


 そんな話をしながら克己達を乗せた車は国会に入っていく。


 相変わらずのマスコミの量で、どこから嗅ぎ付けてきたのか教えてもらいたかった。


『成田さん! 一言宜しいですか!!』


『あなたは一人で異世界を独占しても良いと思っているんですか! それをどう思っているかを……』


『いま、成田氏を乗せた車が国会に入っていきます』


 外ではそんな話をしており、克己は声には出さずに呟く。


「煩いよ、馬鹿ども……」


 車から降りた克己は、涼介やアルス、品川が克己の周りに野次馬達が近寄らないようにして道を作り克己は奥へと消えていった。


 控え室に到着して、克己達は一息つく。


「ここからはお前一人だが……」


 涼介が椅子に座り克己に言う。


「問題ない、ここまで連れてきてくれたらあとは大丈夫。何を質問されても言い返すつもりがある。ここからは俺の仕事だ」


「か、克己様……」


「心配するな、アルス。この戦いはすでに決着がついている話だから問題はない。さっき俺を襲ってきたやつらは中国と、韓国だろう。広東語とハングルを喋っていたからね」


「ちゅうごく? かんこく?」


 アルスは聞いたことのない名前を言われて首を傾げる。


「国の名前だよ、そんなことも知らないと克己の秘書なんか勤まらねーぞ? 早く覚えちまえ」


 涼介が言うと、アルスは頷き呪文を唱えるようにブツブツと呟く。


「さて……時間だ。行ってくる。そこのテレビで俺の雄姿でも見ているんだな」


 克己はそう言って扉を開けて、一人で戦いへと向かった。

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