244.5話 どうやって稼いでいるの??
「どうして我々と契約をしない!!」
怒鳴る梶田総理……任期を迎える前に解任騒動が出ており焦りを見せていた。何故なら、世界から日本政府は無視されることとなったからである。全ては克己から異世界を取り上げようとしたことから始まった出来事……そして今、ペルシアを前にして机を叩いて脅しの言葉を探していた。
「仕方ないにゃ。全てはお前がやった事にゃ……ご主人様から異世界を奪い、異世界へ攻め込もうとしたのが悪いんにゃ。お前は歴代でも最低の総理の一人に名を連ねたにゃ。おめでとうにゃ……ナズベ、総理がお帰りにゃ。追い返せ」
「かしこまりました、ペルシア様」
ナズベは総理の襟首を掴み、会社から追い出す。梶田総理は罵声を浴びせるが、全て動画に撮られており、直ぐにインターネットの世界へと配信されるのであった……。
結局裁判では異世界に通じる道は無いと言う事で不当という扱いになり、克己が勝利を収める結果となった。この裁判は異常に早く決着がつき、克己は大金をせしめることに成功し、再び異世界への道が開かれたのであったが、異世界通路で克己の奴隷たちによる検問検査等おこなっており、一部の日本人を除き、日本人は通る事が出来なくなっていた。だが、異世界人は日本に規制対象とされていないため、パスポートを持っている者は通行できることが可能となっており、克己の奴隷たちは自由に通行している。
そして、業者はどのように取り引きしているかというと、異世界通路で克己の奴隷達から荷物を受け取り、そこから運び出すという作業を行っている。なので、日本人は異世界へ行くことができずにヤキモキする日々が続くのだった。
お金は全て克己の財布へ……今までだと、オルベスクや魔王にお金は入っていたのだが、魔王は克己の社員として働いており、王は別に日本と取り引きしなくとも、ギルドがある限り問題が無いのでお金は全て克己の懐へと入って行く。
また、ローロスーの涼介はと言うと、克己と同じように一般企業と契約を結んでおり、克己の検問場所で荷物の受け渡しをしていたのであった。
また、街や城の防衛などは、全て克己の奴隷達で賄われており、奴隷達はガラトーダとローロスーを行ったり来たりをしているのである。
そのため、涼介は克己に護衛費を支払い、ローロスーの平和を維持していたのである。お金が溜まったら自分で護衛隊を編成し、パルコの街のような平和な街づくりをしたいと考えていたのであった。
それが何時になるかは分からず、涼介は溜め息を吐きながら遠い目をして克己の奴隷たちを見つめるのであった。




