表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/9

魔道具の失敗 ケースA


「考え直してはくれませんか!?」


「こんな素晴らしい道具を開発した言うのにコレを使うなというのかね?」


「しかし、今まで同じように考えに至った人はいるでしょうがそれをしてこなかったのが何よりもその魔道具の危険性でしょうが!」


「残念だが君がなんと言おうとこれの運用は決定なのだよ、下がりなさい」


「ッ、失礼します!!」


全く折角私たちが作ってきたのにも関わらずこの魔道具を認めないなんてどれだけプライドが高いのか全く若い奴は。


「まあ嫌でもこの発明の凄さを思い知るだろうハハハハハ」




「ダメだ、似たような魔道具を作ってこれたのにも関わらずにそれを作ってこなかったのには必ず理由があるはずなんだ。そしてあれにはあの問題を解決していないというのにあの所長は!」


どうする、このままでは村どころか町まで襲われる事になってしまうぞ。

というかなぜこんな簡単な事もわからないような貴族だけの人間が所長なんてやっていて今回の問題に口を出してきたんだ。

どうする?防げないにしても代わりとなる魔道具を急いで開発しなければならない。


「仕方ないが、あいつの所に相談しに行くしかないな」


そういいながら俺はこの国の為にあいつの所へ走り出した。











「平和だな」


『平和だね』


最近、かなりの内容の仕事をかたずけそのお蔭で実はかなりの礼金を貰い久々に懐が潤った俺。

別に金には困っていないがお金があることには生きていく上でも魔道具を開発するのにもどちらでも金はかかるから多いに越したことはない。


「でもこんな毎日で偶に誰かの悩みを解決するくらいが生きていくのに退屈にもならないんだよ」


『そんな事いってるととんでもない事件に巻き込まれちゃうかもよ』


「まさか、これがフラグだっていうのか?まっさかね~」


そんな事を言いながら俺はクロと一緒に事務所にいた。

本当にここ最近は女魔術学生二人がこの事務所でお茶会ばかりしているからそれに付き合わされるのにも楽しいがほとんどは話についていくことができず、クロを撫でることが多くなった。


『まあ最近はここも楽しいからどうでもいいけどねー』


「まあな」


本当に何もない時間を俺たちは過ごしていた。

事務所から外を眺めていると隣の人気パン屋のパンを買いにくるであろうお客達を見ていた。

親子で買いに来る客や、仕事の昼食で買いにくる客などの様々な層が買い物に来ており、お世話になっている俺からは人気なのはかなり嬉しい。


そんな光景を見ていると走っている人影がそのパン屋へ行かず直前の俺のお店に勢いよく入ってきた。


「はあはあ、シロー大変なことになった!お前の力を貸してくれないか!?」


「ルーク?なんでここに?」


「それどころじゃないんだ、すぐに話をさせてくれ」


そういいルークは椅子に座った。

そんな彼に俺は少し待ってもらい飲み物を用意した。


「で、何があったんだ?この前お前が働いている魔道具省でなんか開発したとか記事を見たけど」


「そう、それなんだ。その魔道具が問題なんだよ」


そういうと飲み物を飲みいと一息つくと俺に話してくれた。


「その魔物被害を解決するための魔道具ってのは半年くらいから魔道具省と騎士団が協力しその魔道具を魔物たちが多い遠くの村などに配置していったらしい。実験での運用だったのでそこで効果が認められればそれを国中に配置するって話だったらしい。その魔道具ってのは確かに効果事態はあったんだ」


「確かに、小型の魔物や弱い魔物たちは村などにやってくることは無くなって畑仕事などに影響は出ることは無くなった。確かにそのお蔭で畑仕事などでの被害は無くなったのは良いんだが代わりに中型や少し強い魔物達が村周辺で目撃されることが多くなったんだ。そして最近魔物の大量討伐の時に大型の魔物が現れて騎士団・魔術団に多くの被害を出すことになった。とは言え一人の魔術師がその魔物を倒してくれたから良かったがこれはその魔道具の所為なのでは?という声が出ていてな。けれどその魔道具の所為という根拠もないからどうすることも出来ない。だからお前の協力が必要なんだ、頼む」


「なるほどな」


確かにそれは大変なことだな。しかし、魔物を被害を防ぐのはルークが将来作る魔道具じゃなかったか?


「ルークはその魔道具でどんな影響が出ているのか想定は出来ているのか?」


「ああ、それはあるがその根拠も集めることも出来ていないし魔道具省の中では俺はまだ権力も功績もない人間だから所長に取りあう事も出来ないんだ」


そういう事か。

まあ効果は一応あったんだからたった一回の出来事でその魔道具を認めないとはいかないよな。


「わかった。協力しよう。それでその問題点と解決策ってのは一体何なんだ?」


「ありがとう、シロー。そうだな問題点の一つ目というのはこの魔道具の範囲だ」


「範囲?」


「ああ、その魔道具ってのは全ての魔物を一定範囲侵入することを防ぐといった内容の魔道具なんだ。その全ての魔物のってのが良くないんだ。低級な魔物なら別に村の戦力で倒せないことも無いし何より、冒険者ギルドに頼めばどうにかなる。この侵入出来ない魔物達ってはどこに行くと思う?」


「そりゃーあれだろ、どこか魔道具の範囲が及ばないところに逃げるんじゃないか?」


「それが問題だ。実際この魔道具ってのは全ての魔物の侵入を防げるなんて出来ると思うか?」


「思わないな。というかそんな事が魔道具で出来るのならそれは相当強力な魔道具を作れるのは相当な腕前と本人の強さも必要だろう」


実際、俺もそういった物を作ろうと思ったことはある。確かに、低級なら基本的に魔道具で対処は出来るが中級くらいからその魔道具の効果は薄くなっていきほとんど上級は防ぐことは出来ない。俺はその上級さえ防ぐプランを考えた事はあるがそれはその地域全体に刻印を刻んでいきそれを運営する魔道具を置くことでやっと効果を果たす事なら出来る。


まあ、教会の本拠地である聖堂の町にはそれに似たような街づくりをしているそうだ。

そんな大掛かりをしなくても村など絶対とは言えないが今までよりももっと被害を抑えるための魔道具を作成するためにルークはその道を学生の頃から頑張っていた。


「あくまでこれは俺の予想なのだがその魔道具の効果で追いやられていった魔物たちはその周辺をうろつくことになる。だが既にほかの村にもその魔道具が設置されているのであればその魔物たちは置かれていない街の方に行くだろう」


「そこは根本的な問題ではなく多くの低級が一定の場所に集合することが問題だ。魔物達は別に共食いをしないわけではない。そうなると食物連鎖で考えれば普段いるはずの低級がいなくなりどこかに集合するのならそこに中級も集まってくる。そんな集まりが出来れば上級だって現れてもおかしくないし、何より魔物達がいなくなったことで村にいる人達も襲う事も想定できる。つまりこのまま魔道具を設置されればどうなるかわからない状況だ」


「……大変じゃね?」


それって俺がどうにか出来るなのか?

頼られるのは嬉しいがあまりにもやるべきことが大きすぎる。


「それで解決は?」


「魔物達が多く集合するようになった時期や村周辺の魔物達の清掃状況を上に提出するしかないだろう。あと確実にするならその魔道具の代わりとなるものを作り出すことが出来ればなお良いだろう」


「そう聞くと案外簡単なんだな。じゃあ早速動きますか?」


「おう」


そして俺たちは事務所を出て、大通りを歩いて行った。

まず俺たち二人は冒険者ギルドに向かった。ここでの冒険者ギルドてのは異世界もののでよくある想像通りのもんだ。


様々な依頼がここへやってきてそれを登録している人がその依頼を無事完了すればその分の支払いが行われる。ただ他の魔術師などの分野もこの冒険者ギルドに含まれ大きくまとめて冒険者ギルドと呼ぶ。


「まずはここで何を?」


「ここの上の方と少し縁があってね。今回の内容を話して決めてもらおうってことさ」


扉をあけ中に入ると沢山の受付嬢がおり、忙しそうにしている。

依頼を受け付ける所と報告する所に相談する所と別れているので回転率はよく以外にもここでの事は時間はかからない。

やがて俺たちの番が来て俺が話す。


「すみません。魔道具店をしている、シローと言います。本日は魔術ギルドのロランさんに話をつないで欲しいのですが。アポはとってはいませんがシローが会いたいと言えば伝わるはずなのでお願いします」


「わかりました、ではお待ちください」


そうして魔道具でロランに連絡を取っている受付嬢を待っている間、俺たちは近くの椅子で待つことにした。


「お前、さっきのロランってあの魔術ギルドのトップのロランか?」


「ああ、まあ仕事の関係でお互い世話になっている関係だからな。あとは色々な」


そんな会話をしていると先ほどの受付嬢から連絡がついて会えるとの事で俺たちは案内され、俺たちは待っていた。

その間、飲み物を用意し受付嬢は部屋を退室した。


そして待つこと、数分後部屋にエルフの男が入ってきた。

緑色の髪に眼鏡をかけていて若そうな見た目をしている、大変知性を感じる風貌だ。


「やあ何やら大変な事が起きているらしいねシロー君」


「ああ、どうやら相当な出来事らしい。話次第では緊急クエストとして考えなきゃいけないくらいだ」


そういうとロランは眼越しの目細め事の重大さを感じたらしい。


「まずこちらは、俺の学生の頃からの友達のルークだ。ルークは魔道具省に所属していて今回はそこの出来事らしい。最近魔道具達が何やら遠くの村々である魔道具の実験を行っているのは知っているか?」


「そのことか、どうやら我々にも何の告知もなしに行っている様だね。あれは魔道具実験だったのか。もしかしてその実験は魔物に関することかな?」


「そうらしい。気づいていたのか?」


そう聞くとロランは眼鏡をかけなおしため息をついた。


「まあね、うちではなく冒険者の方で最近、村々での低級の魔物退治のクエストが取り消される事が多くなっていると話を聞いていたのでね。まあそのことに関するのかなと」


「その通り。ルーク続きを」


俺は話の続きをルークに託した。


「初めまして。魔道具省に勤めておりルークです。今回の魔道具実験での魔道具は魔物達を一定範囲内に入れないための魔道具でいわば村周辺覆う結界をつくるようなものです。しかし、その結果、低級魔物達が住処を追われることになりその追われた魔物達が集合することになっています。

その結果、中級以上がその大量の魔物達の元へやってくることになり、このままでは上級が現れたり、結界を無視し村に襲いに掛かってくる事件もあり得ると思うのです」


「なるほど、確かにそれは大変な事だ。にしてもそんな事をすればそういった被害は起きそうな事はわかるだろうに」


「それは上の人たちが秘密裏に行っていたようで、しかもその上の大半は貴族などの権力者が多いのでそういった事を考えたことも無いのでしょう」


そう話を全て聞いたロランは眉をしかめ事の重大さを知ったようだ。

そのまま時間をかけ考えを済ませたのか数分悩んだのちに口を開いた。


「それで今回、ギルドに来たわけは?」


「それはどうやらその魔道具の実験を止めるにはその止めるための根拠が必要らしい。その根拠としてギルドで村周辺の魔物の様子のレポート。そしてその魔物達の行方を緊急クエストとしてほしい。」


「なるほどね、確かにそれは私たちの出番と言えるね。わかった、他のギルドにも話を通して今回の事件を緊急クエストとして処理しよう。それで報酬はどう支払うのかな?」


「それはもし本当に今回の事件が魔道具によるものならば支払いはその事件の発端である魔道具省やその他の連中に。もしそれが関係ないのであれば俺たち二人が支払うよ」


「わかった、ではその内容で行うとしよう。また後日結果が出しだい君のお店に伺う事にするよ」


「よろしく頼むな」


「お願いします」


そして俺たち二人は事務所に戻った。


「それでルーク、お前はこれからどうするんだ?」


そう俺はルークに聞いた。まあ想定は出来るが。


「俺は今からその魔道具の代わりの魔道具の作製を急ぐ。というかどんな魔道具を作るかはもう案自体はあるんだ。けれどその作成に思うように上手くいってないんだ」


「だから、俺に力を貸してなんて言ったのか」


そう言うとルークは自覚があったの顔を曇らせた。


「正直にいうと俺はこの魔道具が完成すれば村や町などの問題を解決できると思っていた。けれど先にその村などの問題を解決する魔道具が出来たと聞いて正直悔しかった。だからどんな魔道具が出来たのか内容を調べてみると本当にこんな物で人々を救おうとしているのかと思うような出来だった。だから俺が作る予定の魔道具を急遽完成させなきゃいけなくなった。けれどあと少しがまだ出来ていないんだ。だから、本当は自分一人で完成させたいがシローの力を借りなきゃすぐにでもいけない場面までもう来ている。だから協力してくれ、俺の魔道具作成を」


「まあ初めから手伝う予定だったから別に構わまないさ」


そういい俺はルークに握ったこぶしを突き出し、


「じゃパッパと事件解決しちゃいますか」


「おう!」


俺たちはこ拳を互いに合わせた。




それからは俺はひたすらルークと二人でずっと魔道具の作製に取り掛かった。

本当にルークは魔道具の作製を頑張っていたようで俺が設計図を見た時点でほぼ完璧に出来上がっていると言っても過言ではなかった。

けれど本当にあと少しの所が詰まっているようで、そこさえ解決してしまえばどうにかなりそうだったのでよりもっと完璧なものへとするために冒険者ギルドに他にどんな効果があればよいか、どんな事に気を付ければ良いのかを相談し遂に、その魔道具を完成させることにした。


そして完成した数日後には冒険者ギルドからの報告も出来たようでどうやら事態は深刻な所まで来ていることがこの時俺たちは初めて知ったのだ。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ