6‐OYA、自家製プリン
暗闇の中で僕は空を見上げる。満天の星空が視界に広がる。天が降り落ちてきそうで少し怖くなる。畏怖する。崇める。
この瞬く星々はもう既に存在していない。信じられない。その輝きは確かに僕へ届いているというのに。
一年で一番短い夜に僕は、会ったことのない親友へと想いを馳せる。
里美「おじゃましまーす。」
朋也「うん、上がって。」
里美「誰もおらんの?」
朋也「ん? あー、父さんは牛舎に行ってるよ。」
里美「みっちゃんは?」
朋也「路子は遊びに行ってこいって外に放りだした。
あいつ居ると勉強になんねぇじゃん、里美の。」
里美「中々、手厳しいことで。」
朋也「あいつさぁ、サトミのことお姉ちゃんというか崇拝してっかんな。
格ゲーの神とか言ってたぞ?」
里美「はっはっはっ! 勝負の世界は厳しいのだよ!」
朋也「リスペクトさせ過ぎだっつーの。
んま、そういうわけで今日はテスト対策ばっちりやれるから。」
里美「すみません先生。もうお腹が痛いのですが……。」
朋也「それ言うなら頭じゃね?
ほんと、こないだも朝までゲームとか。君らはどうなってんのかね?」
里美「aが4でxが13だから……
あー、もう! 別に良いじゃん! yが何だろうと!」
朋也「根源から否定すんなよ。
不等号はあまり気にしなくていいよ。後から付ければいいから。
図で説明すりゃわかり易いけどそこはま、かえって混乱しそうだしな。」
里美「……これってさぁ、生活の役に立つ?」
朋也「サトミの生活には直接使わんだろうけどな。
数学なんてパズルみたいなもんだし、大人の嗜みじゃね?」
里美「別にやらなくていいじゃん、嗜みなら。」
朋也「そうなんだけどな。でもさ、必要なんだよ世の中に数学は。普段見えてないだけで。
サトミは使わんかもしんないけど、なんつうの? チャンスは平等に与えられてるわけ。」
里美「何のチャンス?」
朋也「数学だけじゃないけど、まんべんなく修得させて僕らの選択肢を増やしてるわけだよ、学校は。
僕だって社会の授業で思うよ? オスマントルコは僕には関係ないなって。
でもさ、目下のところ乗り越えなきゃならんわけだよ、これは。」
里美「あー、めんどくさっ!」
朋也「赤点取ったら、夏休み無くなると思うよ?」
里美「……、乗り越えるために糖分が欲しいです。私の脳は限界です。」
朋也「はいはい。
それ解いたらおやつにすっから。」
里美「……、プリンって作れるんだ。」
朋也「主原料は牛乳と玉子だけだしな。アレンジに使ったのチーズも自家製だし。
材料には事欠かないよ。」
里美「嫁に来いッ!!」
朋也「はいはい。
プリンで釣られるとか、どんだけチョロイかね。」
●スイーツ大国
「〇〇大国、北海道」の一つ。どんだけ「〇〇大国」の冠が好きなのか。
とはいえ、スイーツ作りに牛乳が使われることが多いので、嘘、大袈裟ではない。(と思う)
作中には描かなかったが、そのなかでもプリンはご当地ものがハイクオリティで各地に存在する。通販でも買えるものもあるが、やはり生ものなので現地でご賞味いただきたいところ。
ちなみに野菜や米はおろか、鶏卵の無人販売所が道路沿いにあったりするんですけど、これって道外にも普通にあるんですかね?




