3‐At That Time
冬が終わる。変わらない、と思っていた日常がとけていく。
四季が私をおいて、思い出が私をおいて、私が私の想いをおいて、とけていく。
知っていたはずなのに。逆転することも逆転されることも、何時だって急に来ることを知っていたはずなのに。
終わりが来る。私達の元に、唐突に終わりが来る。
朋也「父さんっ! 何ごと??」
父さん「わからん! ラジオではミサイルがどうのこうのとっ!」
朋也「路子はっ?」
父さん「先に地下に連れてった! 牛舎も開放してある!
お前も早く来いっ! 逃げるぞ!」
朋也「……、行かなきゃ。」
父さん「どこに行くつもりだトモヤ!」
朋也「今日は卒業式だから……
約束したんだサトミと! 一緒に行こうって待ち合わせしてるんだ!」
父さん「馬鹿野郎っ!! サトミちゃんだって避難してるはずだ!
お前を失ったら俺は! 俺はっ!!」
朋也「だって! だってだってだってっ!
あっちからすごい音が聞こえたんだっ! サトミ家の方から聞こえたんだ!
待ち合わせしたんだっ! 迎えに行くって!
いつもの向かいの木のとこにいるはずなんだっ!!」
父さん「駄目だ……、トモヤ。お前まで失ったら俺は……」
朋也「すぐサトミ連れて戻るからっ! だから路子をお願いっ!!
先に行ってて父さん! 僕もすぐ戻るから! 地下に行くから!」
朋也「なんなんだよ、これ……
どこもかしこも、全部全部めちゃくちゃだ……
サトミ……、サトミ
あぁ、ちくしょう!
なんでこんなことに! なんだって言うんだよ!
どうしてだよ? 誰だよ?
誰がこんなんにしたんだよ……
ちくしょう
ちくしょう……
僕らがなにしたって言うんだ……
なんでこんなことに
サトミ
サトミ……
●第三次世界大戦の勃発
202X年3月21日。少年が放った「たった一つの銃弾」により火種が発生。その銃弾は枯草の野に火を放ったかの如く、瞬く間に連鎖し世界を焼き尽くす業火となる。
報復に次ぐ報復。各国が過剰に所有する大陸弾道ミサイルの使用。感情無き無人兵器による蹂躙。モニター越しにしか理解しない人々の死。
勝ちも負けもない無価値で、いや自らに終止符を打つだけの排他的感情の戦争。
僅か7日間で人類の総人口の95%、築き上げてきた文化文明の大半を失う結果となった。




