12‐FYL、年越し
一日々々が過ぎていく。一日々々が通り過ぎていく。
小説のページをめくるように。一節々々を読み、視線を下から上へと繰り返すように。ボクは歩みを止める。曇天の空を見上げる。音もなく天よりやってくる雪を迎える。
頬で溶けゆく便り。吐く息が白く昇りゆく、年の瀬。
司書「やぁトモヤ君。師走の終盤にあって、御多忙でありつつ御盛況で何より。」
朋也「いやいやセンセ。
年末の挨拶にしては周到なお言葉。あれですよね? 何かしら何かしらを策謀、いや期待していらっしゃいますよね?」
司書「流石はトモヤ君だと、ボクは言いたいよね。
それでだ、トモヤ君。実は某所から大変良い蕎麦を頂いてね。」
朋也「そんな予感はしてましたよ、センセ。」
司書「年越し蕎麦はまだだろ? トモヤ君。ボクもまだなんだ。」
朋也「う~ん、冷たいのと温かいの、どちらにします?」
司書「良い蕎麦だからザル、と言いたいところだけど、温かいものが食べたいと、ボクは思うんだよね。」
朋也「んじゃー、お昼に。」
司書「お昼に。」
司書「いただきます。」
朋也「いただきます。」
司書「つけ麺風で来るとは想定外。
確かにこれなら蕎麦の香りも楽しめるね。」
朋也「いい蕎麦ですねぇ。」
司書「この別盛りのかき揚げもなかなか。牛蒡、人参、小海老か。」
朋也「きんぴらの材料から転用ですよ。
海老の殻からも出汁を取ろうか悩んだんですけど、やめときました。」
司書「これで良い仕事納めになったよ。」
朋也「そう言って頂けると嬉しいです。」
朋也「今年一年、お世話になりました。センセ。」
司書「お世話はしてないけどね。」
朋也「センセの口利きで家庭科室も使わせてもらってますし、色々と教えてもらいましたよ?」
司書「……。
知識はね、使わないと価値がないんだよ。使える人に知識を渡す。それがボクの仕事だからね。
お陰でその価値の恩恵を受けられる、というわけさ。ボクは。」
智也「うまいこと言いますね。」
司書「まぁ、ボクの師からの受け売りだよ。
たまには良いことも言っておかないと、って思うよね。」
司書「ご馳走様でした。」
朋也「ごちそうさまでした。」
司書「良いお年を、だね、トモヤ君。」
朋也「ええ、センセもよいお年を!」
●蕎麦
またか! と言われそうだが、蕎麦の生産量も全国1位。
全国生産量の46%超え(ダントツ)で、有名なところだと「幌加内そば」「新得そば」「音威子府そば」などなど。地域ブランド化されている。
そして注目は韃靼そばの「満天きらり」。「世界初の苦味を抑える事ができた新品種」として誕生した。が、普通の蕎麦と比べるとやはり少し苦い笑
苦味が好きな人にはお勧め。そば茶の実をご飯と一緒に炊いても美味しい。




