10‐FYL、ベーコン
公孫樹が色付き始める。裾から天へ、緑色から黄金色へと色鮮やかに、青空へと光を送る。
花言葉は「荘厳」と「長寿」、そして「鎮魂」。
ボクは思わず足を止め見上げる。そのまま天を仰ぐ。
風が吹く。光が揺らめく。
司書「ほほぅ、早朝から随分と良い芳を漂わせているじゃないか、トモヤ君。」
朋也「あ、おはようございます、センセー。
ちょうどベーコンが焼けたところですね。試作ベーコンの味調べをとば。
朝ごはんは食べました?」
司書「おはよう。
言わずもがな、朝ごはんを食べていても、食べてないと答えるシーンだよね。」
朋也「そう来るとは思ってましたが……、流石です。
僕の試行と朝食のお裾分け程度、味見程度にしますけど、エッグベネディクトとエッグスラッド。
どっちが良いですか?」
司書「エッグプラントパルミジャーナ。」
朋也「随分と難易度の高い答えできましたね。
エッグはエッグでもエッグプラント、茄子とはね……
ちょっと厳しいですね。」
司書「イタリアンジョークだよ、トモヤ君。
ベーコンが気になるからエッグベネディクトが良いね。」
朋也「オッケーす。
すぐできると思いますけど、待ちます?」
司書「勿論だとも。」
司書「オランデーズソースがなかなかの比率。濃厚にして程よい酸味で◎
マフィンで無かったのは致し方なしとして、件のベーコンか。
う~む、
燻製の度合い、香りは〇
塩分濃度は◎
香辛料は……、エッグベネディクトにするなら胡椒多めでもいいかも。
むしろ胡椒多めにしてほしいと、ボクは思うんだよね。」
朋也「客観的評価、ありがとうございます。
でもですね、センセ。
胡椒が金銀と同等だった歴史もあるわけですから。希少価値が高いんですよ? 香辛料は。」
司書「なるほど。確かに。
香辛料の自家菜園も視野に入れなくてはね。
では、準備しておこう。」
朋也「……。
それってあれですよね? 資料、本を探すというパターンですよね?
育てるのも、作るのも僕と言うね。」
司書「調べるのがボクの仕事。実行するのが君の仕事だと、ボクは認識してるのだけど?」
朋也「はいはい。
いつか100%自家製で、美味しいもの作ってみせますよ。」
●食材の相性
気候風土はヨーロッパ、欧州とは違うのだが、洋食と食材の相性は良いように思う。
ジャガイモ、トマト、小麦などの農作物。牛乳、バター、チーズなどの乳製品。魚介類も良い食材がある。勿論、肉類も。すでに道内には地元食材を使った有名洋食店は沢山あるのだが、ベーシックなものにこだわらず、北海道らしく「北海道独自発展の洋食」がもっと生まれてもいい気がする。




