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コミュ症社長令嬢は勇気を振り絞る  作者: 優月 ゆづき
3/3

期間が結構空きました。


期末テストが近いのに書き始めたら楽しくてついつい書いてしまいました。

 [崇黎学園の生徒としての自覚、そして個々の才能を伸ばす努力を怠らないように。」


 やっと学園長の言葉が終わった。入学式から光輝に絡まれるわ、華恋と一色さまの無言の喧嘩(華恋の一方的なもの)やらで私は疲れていた。

 重い倦怠感が私を襲う。


 にしても学園長は今日も美しい。流れるような動作で礼をすると優雅にステージの階段から降りた。


 普通優雅という言葉は女性に使うことが多い。しかし学園長は男性でありながらそんな言葉が似合う繊細さを持っている。


 「ほう…」という感嘆の息が保護者席から漏れた。


 「東院学園長ありがとうございました。

続きましては…」


 ≪東院学園長≫


 そう、この学園の学園長の名は東院翔輝。



 光輝の父親だ。



 父親がこの美貌なら光輝のあの顔面偏差値も納得がいく。


 ちなみに光輝の母は東院瑠璃という世界を又にかけるスーパーモデルだ。


 どうやら入学式には来ていないみたいだ。


 「これで崇黎学園中等部の入学式を終わります。」


 司会の言葉で今年の入学式は例年通り幕を閉じた。



******



 さて、入学式が終わった後はどう過ごそうか。


 「小雪ちゃん、一緒に写真撮りましょ?」


 「うーん、私あまり写真が得意じゃないんです…」


 「そう言って卒業式のときも写真断ったよぉ、小雪ちゃん。一枚だけでも一緒に撮ろうよぉ」


 ここまで華恋に言われて断る理由もない。「そうね、せっかくだし写真撮りましょうか」と返事しようとしたとき後ろから声をかけられた。


 「小雪ちゃん!あらあら、やっぱり中等部の制服も似合ってるわ。それにしてもよかったの?制服はそのままで…」


 「えぇ、大丈夫ですわ。ありがとうございます、お母様。」


 保護者の輪の中から漆黒の髪を揺らし母が出てきた。相変わらずキューティクルすごい。母の髪は艶やかで絹のようだ。


 「制服はそのままで十分ですわ。私はあまり華美なものは得意じゃないのお母様も知ってるでしょう?」


 この学園では制服の加工が認められている。

 アイデンティティを大事にするやらなんやらで生徒(特に女子)は制服にレースやリボンをつけたりと自由に加工している。


 「小梅おば様、暮人おじ様はどこにいらっしゃるの?」


 華恋が猫をかぶったあどけない表情のまま首を傾げた。


 「あぁ、暮人さんはねぇ…」


 と少し困ったように輪を軽く指した。


 「お父様、また囲われてらっしゃる…」


 「小雪ちゃん、華恋ちゃん、こればっかりは仕方がないわ。私がとなりにいてもこうなんですもの。」


 華恋のいう暮人おじ様--私の父はご婦人方に囲まれている。


 どうやら父は一部のご婦人方から絶大な人気を誇っているらしい。すこし甘い印象のマスクにあの童顔。三十代後半というのにどこか可愛らしさがある。


 三人で溜息をついていると今度は後ろから黄色い歓声が聞こえる。


 う、これはデジャブだ…。

 周囲には人がたくさんいる。下手に動いてはいけない。逃げ道なんてあるわけがない。



 「小雪、一緒に帰ろう?」



 光輝が柔らかい笑みを浮かべている。


 あぁ、これで彼につかまるのは何度目だったかな…と心の中でつぶやいた。





ありがとうございました。

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