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コミュ症社長令嬢は勇気を振り絞る  作者: 優月 ゆづき
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溺愛ものが書きたくて初挑戦しました…不慣れなもので変なところがたくさんあると思いますが、気にしないでください(*‘ω‘ *)

 名門と言われる嵩黎学園中等部の入学式は桜が満開のある春の日に行われた。きらびやかに着飾り、新しい制服を着た生徒が学園へと向かって行く。この学園は小中高一貫校なので初等部から顔見知りの御令嬢、御子息がたくさんいる。


 嵩黎学園が名門と呼ばれる所以は卒業生の様々な功績にある。

 世界的に有名な賞を受賞した日本人の半数はこの学園の卒業生だ。


 世界で活躍する人々には共通して“才能”がある。


 そう、この学園はその“才能”を持つ者の育成をすることを目的として作られたある種の機関なのである。政府もこの学園の功績を認め、一部の教育委員会では学園の推薦を行ってるところもある。


 私、霞ヶ丘小雪は“美術の才能”を買われてこの学園に入学した。まぁ大体この学園の生徒ならば『霞ヶ丘家』と聞いただけで誰を指しているのかわかるだろう。


 別に私が凄いわけではない。『霞ヶ丘家』が凄いのだ。


 霞ヶ丘家は代々“才能”を持って生まれてくる人が多く、私もその例に漏れずに“才能”を持って生まれた。

 私は兄と姉のいる三兄弟の末っ子で、兄はアメリカの超有名エリート大学首席合格、姉は趣味でやっていた株が大成功し今じゃ金の亡者と化している。

 父はホテル経営を中心に行う会社の社長をしている。


 急に吹いた風に少し驚きなんとなく後ろを振り返る。


「小雪ちゃん、おはよぉ」


 色素の薄いふわふわの髪を風に靡かせ、初等部からの親友が話しかけてきた。


「おはようございます、華恋。」


 華恋は霞ヶ丘家に名を連ねる花園家の長女だ。可愛らしい見た目とは裏腹に彼女は本当に、本当に腹黒…いや違う、肝が据わっているのだ。

 見た目に騙されてはいけないというのはこういう子のいうことを言うのだろうなぁと彼女と他愛のない会話をして校舎に向かうと、そこには人が集まっていた。


「一色さまぁ、ご入学おめでとうございますわぁ」

「東院さま、これぇ……ご入学祝いに…!」


「東院さまも一色さまもかっこいいわねぇ。」

「話しかけてみましょう!?」


 という女の子特有の高い興奮した声が聞こえた。


「ね、ねぇ…華恋。あちらの二人の殿方はまさか…」


「うんうん、東院さまと一色さまだねぇ」


「あれ、私耳が…」


「大丈夫、小雪ちゃんの耳はおかしくないよぉ」


「でも、でも…」


 私は考えることをやめた。


「もうやだ、帰る!!」


 そう言って今まで来た道を全力で戻ろうとし、後ろを振り返る。


「うんうん、小雪ちゃんならそう言うと思った!」


 隣で一緒に歩いていた彼女の楽しそうな声が聞こえた。いつの間にか私の手は彼女によって掴まれている。

 あぁ華恋はそれはそれは無垢な笑顔でいるのだろう、小悪魔な本性を隠して…

 こうなってはもう逃げ場はない。すべてに絶望し、諦めた瞬間だった。


「こーゆき、一緒に校舎まで行こう?」


 そこには笑顔でさっきまで女の子達に囲まれてた私の天敵、東院光希がいた。

読んでくださりありがとうございました!

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