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ユキナDiary-  作者: PM8:00
97/150

二十四月日 崩壊の兆し




『最終章前編 深淵の轟音』



 この道が正解とは限らないから私はいつもひとり立ち止まってしまう

 だけど踏み出さなきゃ何も見えない、君は言った『正解なんて後から付いてくればいい』

 その大事なものは捨てちゃダメだよ。辛い時は進んでる証拠

 そう思えばいい






 水曜日。

 護熾はいつも通り早く起き、朝食の準備に取りかかり始めるために着替えて一階に向かう。ふと階段を降りながらイアルもユキナも部屋では見かけなかったのでもしかしたらと思い、階段を降り終えて左右に分かれている廊下のうち、右に足を進めて居間を覗き込むと案の定、幸せそうな顔で二人はあるところにいた。


 それはコタツである。正方形のあのコタツである。


 ユキナはコタツの中に入って満足そうな顔で顔だけ出してゴロゴロと猫のように喉を鳴らして寝ており、イアルは普通に体を入れて机に突っ伏して寝ていた。

 昨日、そろそろ寒くなるからと護熾は一樹と絵里にコタツ布団を持ってくるように頼み、ユキナとイアルと共に押し入れにしまっている家具調炬燵(コタツの土台となる机)を引っ張り出し、それからソファーの位置を変えてこたつからでもテレビが見られるようにした。

 そして海洞家のコタツは少し大きいので、一辺に三人ほど入れて計12くらいが暖まれる大きさであった。

 なので今そのコタツを二人締めしており、護熾がユキナを引っ張り出そうと腕を掴んで引くが、何か魔法が掛かっているかのようにまったく動かず、むしろアリ地獄のように後ろ向きでコタツ内に潜伏を開始したので危うく逆に引き込まれ掛けた。


「たくっ、朝早くから満喫してんじゃねーよ」

「だって〜〜これ最高〜〜この世界にはこんなのがあるのね〜」


 後ろ頭をガシャガシャと掻き毟りながら護熾が文句を垂れるとイアルが机に突っ伏しながら目を細めてのんびりとした声で言い、しばらくこの二人は変温動物並みに動かないなと悟った護熾はまずは一樹達を起こしに各部屋へ向かい始めた。

 

 寒いので起こすのには苦労したが、何とか素直に起こせた護熾はやれやれと言いながら朝食作りに取りかかり始める。

 朝は寒いからやっぱり日本の味の味噌汁で暖まってもらおうと決め、早速赤みそを取り出すと後ろの方の居間では一樹も絵里もユキナとイアルに混じってぬくぬくとコタツで温まっていた。

 

 そして湯気が立つ具沢山味噌汁が完成し、光りまばゆく輝くご飯が盛られたお茶碗とメインのおかずとなる目玉焼きと副菜のほうれん草を添えたお皿をお盆に乗せ、コタツでぬくぬくを蓄えている四人のとこまで向かって立ち止まると


「やれやれ、そこで飯食うか?」

「「「「うん〜〜そうする〜〜」」」」


 のんびりとコタツの春を楽しんでいる三人がそう返事をし、一人がコタツの中で返事をした。

 護熾は机の上に置き、それからみんなと同じようにコタツに体を滑り込ませると『むぎゅっ』とユキナが声を漏らして這い出てきて、朝食を食べる姿勢になると何と制服姿に変わっていた。


「…………お前、中で着替えたのか?」

「うん、その方が暖かいからね〜」


 朝早く、ユキナは着替えも一緒にこのコタツの中に入っており、時が来れば潜伏して小柄な体というスキルを生かしてもくもくと温められた制服とパジャマを着替えて、一秒も外に出ることなく着服を完了していたのである。

 イアルもそれいいかもと考えていたが、小柄なユキナだからこそできた技なので早々に諦めて朝食を食べ始めた。



 




「こらてめぇ〜〜出ろぉぉおおおお!!!!!」

「うぅ〜〜〜やだ〜〜〜〜〜〜」


 冬服の制服に着替え終え、青い手袋を填めた護熾は先に一樹と絵里に見送りの挨拶を既に外で首にマフラーを巻いて待っているイアルと共に済ませるとまだ家の中のコタツでぬくぬくをチャージしているユキナを引っ張り出そうと足を掴んで孤軍奮闘しているわけだがユキナは抵抗を示し、全然出る意志を見せようとしないので


「あっそ、じゃぁほっとくぜ」

「………………」


 手を離して足をばふんと座布団の上に落とすとそのまま冷たい言葉を吐いてその場を立ち去ってしまい、靴を履き替えてドアの開く音がし、そしてバタンと閉じて行ってしまう。

 ユキナはあっさりと行ってしまった護熾に『ふ、フン。どうせまた戻ってくるでしょ?』とまた家の中に上がり込んでくることを期待して10分待つ。

 

 だが結局来なかったのでこの時間では既に橋を渡り始めてる、と危難したユキナは大慌てでバヒュンと風のようにコタツを飛び出し、電源を切り、それから何で護熾の言うことに素直に従わなかったの!?と自分を責め、カバンを取って靴を履き、そして玄関を開けて飛び出すと――――護熾が一人、向かいの家の塀に凭れ掛かって待っていてくれていた。


「あれ護熾…………待っててくれたの?」

「バーカ、お前がコタツから出てこなくて家が火事になったら困るからだよ」


 そんなことを言いながら、護熾は凭れるのを止め、ユキナの元まで歩いていく。

 そして並ぶと『行くぞ、イアルは先に行かせておいた』と転校生のイアルと自分が同時に教室に入るのは不味いからだという理由で先に行かせており、本当はユキナとも一緒に行くのは不味いのだがそこは仕方がなかった。


「護熾………」

「ん?何だ?」

「…………待っててくれて……ありがとね」

「別に、ほら早く温まりたいんなら学校に急ぐぞ」


 ユキナの感謝の気持ちを素直に受け止め、歩き出した護熾にユキナが付いていく。

 

 




 両脇に住宅が続く道を歩きながら、護熾とユキナが横に並んで歩く。

 一見すると良い感じの雰囲気に見える。

 しばらく歩き、やっと商店街への入り口が見えてきたところで護熾はユキナの方を見るとユキナは寒いのか、背中にカバンを背負ってポッケに腕を突っこみ、暖を求めていた。


「何だ寒いのか?」

「ん?い、いや別に!大丈夫だから!」


 家を早く飛び出したおかげで防寒具のマフラーもウインドブレーカーも手袋も忘れてきたユキナは首をブンブン振って平気だと答えるが、その小柄な顔の中、磨き上げた黒曜石の瞳は正直に寒いと訴えており、寒そうに鼻先を赤くしながら制服の襟の中に顎を潜める。

 何て分かりやすい奴なんだ……護熾はそう思い、また歩き始めるがどうも気になってしまう。少し歩くと丁度お情け程度に残っていた枯れ葉が枝から北風にさらわれ、明後日の方向へと飛んでいく音がし、それを仰いで見送っているとふとある事が考えつく。


「しゃーねーな〜、半分こすっぞ?」

「え?」


 そう護熾がいうと右手の手袋を外してユキナに渡し、怪訝そうな顔でユキナは言われるがままにそれを右手に填める。護熾の温もりが残っている手袋が少なからず暖をくれ、少しだけ暖かくなるのを感じると今度は左手に別の温もりが加わる。

 見ると護熾が少し照れながら手袋を外した右手でユキナの左手を握っており、ユキナは驚いて顔を見ると護熾は顔を少し横に向けながら頬を左手でポリポリと掻き


「半分こって言ったからこうしないと公平じゃねえだろ?…………学校の校門までこうしてやるから感謝しろよ?」


 幾度の戦いに勝ち残った少女の手は冷たく、小さく柔らかくてどこか暖かい。

 ユキナは微かに頬を朱色にしながら嬉しそうに笑う。そんな顔を見て、護熾も自然と口元を綻ばせる。

 ユキナは遠回しに優しくしてくれる護熾の顔を見ながら、一緒に歩き始める。

 そんな護熾が、好きなのだ。

 ユキナは少し体を寄せると護熾は少し驚いて顔を向けるが、またすぐに前に戻す。その時見た顔は寒いのか、照れだったのか、ほんの僅かに赤かった。


 またこうして欲しいな、そんなことを思いながらみんなが待つ学校へ護熾と共に向かった。






 



 1−2組の教室で最初に出迎えてくれたのは近藤である。


「ユキちゃん〜〜〜〜〜!」


 そう待ちかまえたような声でユキナに抱きつくと首に手を回し、うりうりと頬擦りを開始して『外は冷たかったんだね〜』と頬から伝わる温度を感じながらユキナもまた、『近藤さん暖かい〜〜』と嬉し楽しに言うのであった。


「おっす!海洞!そろそろお前ん家、コタツが出る季節じゃないか?」

「おっ、正解。よく分かったな?」

「へへっん〜だ。級友舐めんなよ?」


 教室で沢木と出会った護熾は室内に暖房が入っていることに気が付くと上着を脱ぎ、イスに掛けてから座り、『あれ中々出すの大変なんだぜ?』と苦労した口調で周りを見渡し始める。ちゃんと沢木、宮崎、木村はいつも通り自分に絡んできており、ユキナの方にも近藤、千鶴、イアルが談笑しており、いつもの光景だな、と思い、イスに寄りかかり始める。

 すると近藤が少し何か恨みを買ったような表情でユキナを抱きしめたまま護熾に近づき、机をぺしぺしと叩くと


「あたしはまだ、あんたが呼んでくれなかったことを許していないんだからね!?」

「あ〜〜ハイハイ、そうカリカリすんなよ、こ ん ど う さん。」

「何かムカつくわね海洞!」

「だってしつけ〜んだよお前」


 実は近藤、土曜日に千鶴の家に電話を掛けて午後どこかに遊びに行こうと呼びかけたところ、千鶴母から千鶴は海洞さん家に行っていますよと言われ『なぬぅーーーー!?』となってしかもお泊まりだと言うからこれは黙って月曜日、結果を聞こうと密かにドス黒くにやりと笑ってから当日の月曜日に『吐けー』と首を絞めてブンブンと揺さ振って責め、千鶴に『ふぇ〜ん』と言わせるとそっから得た情報では何とユキナとイアルも一緒にお泊まりをしていたのだからさあ大変! 何故私を呼ばなかった!?何故ユキちゃんと一緒にお風呂に入るチャンスを奪ったんだあんたは!?背中を流してやりたかったわよあたしは!!

 

 と、火曜日に護熾を罵しに罵りまくって正直護熾にうざがられていた。

 しかし あの時は海洞くんが怪我をして料理ができなくなったから呼ばれたんだよ!と千鶴は弁護はしたのだがじゃあそれにしたってユキちゃんと黒崎さんは呼ぶ必要は無かったんじゃなかったの?と言い返され、返す言葉がなくなる。二人が護熾と一緒に住んでいるなんて絶対に言えないからである。

 

 因みに沢木達の耳にももちろんこのことは入っているので近藤の話で再び思い出すと指を指して『抜け駆けだー!』や『お前って何で転校生と早く仲良くなれるわけ?』等々言われており、少し苛ついた護熾は『こっちだって色々あるんだよーー!』と木村と宮崎に肩組みをするようにしてギリギリ絞めてギブアップ宣言を吐かせる。


「はぁ〜ユキちゃん、何時か絶対一緒にお風呂入ろうね?」

「えっへへ近藤さん〜〜、いいよ〜」


 『どういう約束だ?』と護熾に突っ込まれているのにも関わらず それでこそユキちゃんだ〜〜、と近藤はギューと抱きしめてユキナの温もりを存分に楽しんでいると丁度朝のホームルームの始まりを告げるチャイムが校内に流れたので口を尖らせて『もぅ〜天然カイロを楽しんでいたのに〜』と近藤はだるそうに言い、渋々と自分の席に戻り始める。と言っても元々近いのでたいした問題ではないのだが。

 そして担任の先生が出席簿を持って教室に入ってきたので授業が始まる。





「海洞、パン買いに行くわよ」

「一人で行きゃあいいじゃんかよ寒いし」


 一時間目の休み。沢木達とユキナ達は少し遠いところから二人のやり取りを見ていた。

 売店でパンが売られ始めるのはこの時間帯なのでイアルが早速護熾に付いてこいと促すが当の本人はめんどくさそうに机に突っ伏して要塞モードに入っていた。

 そこでイアルはパシパシと猫が球を弄くるように護熾の頭を叩き始めるとさすがの護熾も鬱陶しそうに顔を上げ始め


「…………何だよ?」

「パン買いに行くの!」

「……それさっき聞いた」


 またまた護熾が突っ伏しそうになると そうはさせない!とイアルは机と護熾のおでこの間に手をスライディングさせて前髪を掴むと『いででで!何すんだイアル!?』とついつい名前で護熾が席から立ち上がりながら言うがイアルはそのまま教室の外へと向かい始め、そのまま護熾と共に消えていった。

 そのコントのような光景を目で追っていた一同は


「……何だか黒崎さんって、結構積極的だよね?」

「うっ、え、まぁ、そこそこじゃない?」

「海洞!何だよあのアプローチのされ方!?ただならぬ関係が既に出来上がっているのか!?」


 近藤は千鶴に聞いて、沢木が他の連中にも同意を求めようと振り返ると、既に宮崎も木村もオマケにユキナまでいなくなっていたので『あれ!?あいつらどこ行ったんだ!?』と近藤と千鶴にも顔を向けると既に怪奇現象のようにいなくなっていた。


「…………俺を置いていきやがったなあいつらめ!ちくしょう!」


 おそらくは転校生と護熾の関係を見に行ったのではなく単にユキナがあんパンを買いに行ってその付き添いで木村と宮崎が、さらにそれに気が付いた近藤と千鶴が行動に移しただけであろう、つまり護熾に嫉妬心を向けていた自分は反応が遅れたただの鈍くさい少年。

 そんなレッテルは返上だぜ!と急いで教室に土煙を残して去っていった。




 そんなこんなで昼休みが訪れ、つかの間の長い交友の時間が訪れる。

 今日は寒いのということなので全員一致で教室で食べることに決め、互いに机をドッキングする。

 計八人で作った長方形の机の上には弁当がそれぞれ出され、カパッと響きの良い音を立てて中身が公開されるとそれぞれどんな弁当なのか鑑賞し始める。

 護熾はこんなときでも関係がばれないようにユキナとイアルと自分は同じ食材でもバラバラのおかずに仕立て上げ、見事なカモフラージュをしていた。

 そしてユキナが徐にビニール袋にまだ残っているあんパンを取り出したのでみんなから『よく喰うなー』と感心の声を漏らさせてから楽しい昼食会が始まった。


「あ、それ美味しそうだね黒崎さん!ちょっと食べ合いっこしない?」

「いいわよ、どうぞどうぞ」


 と言いつつ近藤がイアルの弁当から箸で取り出したのは少し大きな白身魚のフライ。

 弁当に盛られてから時間が経つのにカラリと揚がったその衣はまだサクサクしており、絶妙な酸っぱさがさらに味を引き立てるタルタルソースもかかっていて、口に入れればご飯がそれだけで消えそうなくらいの美味しさが口いっぱいに広がる。


「うわっ!うまいうまい!黒崎さんのお母さんって料理上手だね!」

「え、えぇまあ上手ね……」


 そう答え、イアルは若干慌てながらも護熾が目で『俺だかんな』と言ってきたので『分かってるわよ』と目で返事をしてから近藤からお返しとして海老フライをもらって丸くその場で治まった。

 

「あ、親父そろそろ帰ってくる頃だ」


 唐突に何気ない口調で思い出したような声で護熾が言った。

 この時期、11月にもうすぐ突入するこの日に護熾の父、海洞武はもうすぐ行われる七つ橋町での花火大会で家族一緒(もちろん護熾の友達も大歓迎)に楽しむために帰ってくるということを言うと近藤と沢木はピピッと反応して


「でも海洞のお父さん、毎年必ずお酒飲んで倒れるよね?」

「それで俺たちが三人で運んでいったよな?」


 そんな笑い話を繰り広げ、今年は賑やかになりそうだなっと思い、イアルをどうやって誤魔化させるかという新たな課題も生まれ、色々と悩む楽しい時間がやってきた。






 


 そんな甘い考えは、すぐに消える。








 七つ橋町 1:02 上空。

 青く寒く乾燥した大空に ズッと黒い線が何の前ぶれもなく横に引かれ、それが三メートルほどで止まるとギシッと軋む音を立て


ジャゴアアアアアアアアアアアア


 と空気の悲鳴のような聞こえない音が町中に広がり、そこから一人の人物がゆらりと這い出てきた。その人物は水色のコートを羽織っており、キョロキョロと真昼の町を見渡して何かを探るように首を振るとある一点で止まる。

 何かを見つけたようににやりと邪悪な笑みを零す。

 その視線の先には一つの大きな建物、七つ橋高校が映っており、その人物が割けた空間から完全に出てくると男と同じコートのようなものを羽織っているが色が違い、同じく人間のような人物達が空間の割れ目から姿を現し始める。

 一人は大半が白で虎模様のようなコバルトグリーンが掛かっているコートで、眼鏡のような装飾品を耳に掛けている。

 一人は茶色に似た膝元まであるコートを羽織り、二の腕の太さや胸板の厚さなど、その鍛え上げられた体躯がよく分かる。

 一人は茜色のようなコートを羽織り、見た目から女性のように見え、両眼の下に碧い線が垂直に伸びている。



「それでぇ〜この現世に何人いるって〜?」


 茜のコートを羽織っている女性がめんどくさそうに最初に出てきた男に言うと男は


「俺たちの狙いは一人だ。しかも今回も確認に来ただけだからな。本当はお前達が来なくても十分なんだけどな」

「だけど興味があるよ。好奇心がそそられる。」


 白いコートを羽織っている若い男は七つ橋高校の方向に顔を向けて眼鏡に手を掛けながら観察するように見て、少し興奮しているのか、目を僅かに大きくしながら自分達が向かう目的地を見据える。


「それでこの世界で俺たちとまともに張り合えるのは結局何人だ?」

「二人だ。あとは雑魚。まあ所詮俺に掛かっちゃみんな雑魚に等しいがな」


 大男の質問に答えた水色のコートを羽織っている若い男はにやりと笑い、それから全員の出発ができているかどうか確認してから前へ飛び出した。

 飛び出した瞬間、突風が生まれて白い煙が舞い上がるが、その白煙の中から続いて残りの三人が飛び出してくる。


「待ってろよ眼の使い手。今度こそギタギタにしてみせるからな!はっは!」


 まっすぐ顔を高校に向けている顔半分に入れ墨を彫っている人物―――ゼロアスは獰猛な笑みを浮かべながら嬉しそうに、七つ橋高校へ急行し始めた。

 





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