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ユキナDiary-  作者: PM8:00
32/150

32日目 13年前の出来事。

☢Caution!!☢ ☢Caution!!☢

※これより先は都合上、リメイクをしていない話となっております。このまま進むのは構いませんが、主人公の動機などが非常に不可解なものになっており、はっきり言ってつまらないと思われる展開があります。できれば三十六部まで飛ばしていただければ助かります。リメイク終了はあらすじなどでお知らせしますのでそうかそれまでお待ちください。

 






 ※重要なことなのでここにも記載。

  これより先は都合上、リメイクをしていない話となっております。このまま進むのは構いませんが、通常と異なり物語の進行が不可解なモノとなっておりますので、できれば第三十六部まで飛ばしていただければ幸いです。リメイク終了後にはあらすじ等などに記載しますのでそれまでお待ちください。では、この先は読者様自身のご判断で、どうぞ。



















 時は遡り一時間前。

 西20キロに位置する町【カルス】。

 この町は地下資源が豊富で近くに山もあって水も豊富で軍事力も発達しており平和な日々を築き上げていたがこの日は違った。

 城壁の上で見張りをしていた男の兵が目を飛びだしそうなほど大きく見開き、口はポカンと開け、手に持っている銃は男の震えでカチカチと音を立てている。

 男が何を見ているかというとそこは茶色の大地があるはずなのに今あるのは黒い何かがうねうねと横に揺れながら隊列を組み、今か今かとこの町に攻め込まんとしていた。

 そしてその黒い集団の一番前にポツリと、腕を前で組んで城壁の様子を観察している者がいる。

 

 それは全身メタルボディで構成された鎧をみたいなのを纏い、銀色の光沢を放っている。

 その姿はヒューマノイドタイプの怪物と言うより怪人で、後ろで殺気を帯びている怪物達とは明らかに違い、やけに大人しく、冷静にどうしたらこの町を攻められるかを考えているように見えた。

 

「ふむ、拒絶バリアに強固な門扉、これは中々突破するのは難しいですね」


 それは町に張られた防衛装置と対怪物用に築き上げられた城門を見て、丁寧に賞賛の言葉を述べた。城壁の上にいる兵は過去に何度かこの町が怪物に襲撃され、勇敢に銃を持ち、その度に何とか勝利していたが男の直感はすぐに手を胸ポケットにある緊急用の通信端末に伸ばし、震える手で口の前まで運ぶ。

 一方、怪人はというと男が端末を取り出している間に既に城門の前に移動しており、もう一度城壁を見渡してから獰猛な笑みで一言。


「まあ、怪物キャプチャー知識持ナレジだったらの話ですけどね」


 両掌を城門に向け、何の唐突もなく赤い光弾をいきなり放った。光弾は城門から少しズレ、城壁に当たると爆音と共に壁を形成していた物質を飛び散らせる。そこには直径五メートルほどの穴が出来た。

 そして怪人は城壁を壊したときに出来た煙の中に入っていき、姿を消していった。

 男はその衝撃に足を取られ、銃を抱いて地面にうつ伏せになりながらも通信機は離さずに揺れが治まるのを待ち、なくなると急いで這って行き、城壁の縁に手を掛けて身を乗り出す形で見ると、怪物達が一斉に町中へ侵入している光景が眼下に映し出されていた。

 

「て、て、」


 日常が崩壊した瞬間。


「敵襲だああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


 男は喉の奥から全力の声で通信機のスピーカーに向かって叫び、増援を軍に要請する。怪物達は濁流のように入り、人型の怪物が開けた大穴から次々に入り、浸食していく。

 町中へと入った怪物は怪人の後ろで左右に分かれて広がっていき、怪人はそれを見ずに少しだけ空を仰いで呟いた。


「さて、私の部下を殺した翠髪の人の子供は現れるんでしょうね?」








 護熾とユキナはラルモに案内されて裏に来ていた。

 そこにあったのは四方にもの凄く広く切り取られた霊園であった。墓標は真っ白の長方形の石のような物で作られており、どの墓にも花や供え物が祀られている。

 そしてその数千に及ぶ墓標の中に、護熾達を最初に出迎えてくれた一際目を引く大きな記念碑があった。その下元には花束などが添えられている。

 そこに近づいてみると日本語で、結界でそう見えるようにされているのだがそんなことは意に介さずに護熾は墓標の前にある石を削った作った台とそこに刻まれている文字を口に出し、読んだ。


『〜〜ここに戦場に散った誇り高き魂、そして眼光の戦士、伝説は眠る〜〜』


 五人の名前が刻まれてることも読み取れ、その内一つに“アスタ”という名前が目に入った。

 するとユキナは護熾の隣にスッと立つと顔の前で手を合わせ、少し俯いて瞼を閉じ祈るようにした。護熾はユキナの突然の行動に少し驚いたが、すぐにそれが何を意味するかは分かった。

 ここにはユキナの父、アスタが眠っている。戦場に散ったと書かれているのでその闘いで戦死したことは容易に想像できる。ではその戦場とは何か?それを記した文献がないかと他の方に首を回してみるとラルモがすぐ横に来て、腰を落とし、添えられている花を見ながらふうと何かを思い出すように息を吐いた後、


「13年前だよ。13年前、怪物達の戦争、『大戦』が起きたんだ」

「!!」


ラルモに顔を向けると話が続く。


「俺はまだ当時三歳でよ、その戦争で両親死んじまったんだ。それに、アルティもガシュナもミルナも、な。ユキナもお父さん亡くしてるし…」

「……………そうだったのか」


 戦争というのは何時どこで起こっても悲しみしか残してくれない。護熾は少し戸惑うが、ラルモは祈っているユキナの背中を見ながら淡々と話を続けた。


 



 あっという間だった。

 当時ラルモは南西エリアの一軒家に住んでいるごく普通の元気な少年であった。だが、外で遊んでいるとき、平和は消し去った。まるで溶岩の塊のようなのが上空を掠め、ずっと向こうの方に飛んで落ちると衝撃波が襲い、それで頭を殴られ、気を失った。

 少しして目覚めると地獄と化していた。

 悲鳴、叫び声。

 ふと上を見ると、よくは見えなかったが誰かが宙に停滞しており、その姿は……

 【凱甲と衣を纏い、頭の後ろから長髪のように漆黒の竜尾を生やした】ような外見でその仮面の下は“人間”のようだった。

 それがすぐに自分達の敵だと頭ですぐに理解した。全てが混沌になり、ラルモ以外は何もなく既に家は跡形も無くなり、幼い子供でもすぐに母親は死んだと頭によぎっていた。自分は運良く生き残った。

 

 だから生きたい!生きたい!!

 そう心から思い、ラルモはおぼつかない足取りながらもその“人間”から離れるように逃げ出した。地理も何もよく判っていないラルモは北東へずっと走った。

  そしてその途中で炎に囲まれた所に自分と同じくらいの年齢の女の子を見つけ、立ち止まった。無表情で紅蓮の空を見上げている表情を失った女の子。

 この子も自分と同じように突然、親を亡くしたのだろうとすぐに分かり、その女の子の元に行き、何の会話も了承もせずにただ手を引いて一緒に逃げた。生き残るために、幼い命を引いて何とかシェルターに逃げ込むことが出来た。

 そして自分が手を引いてきた女の子の名は―――アルティ



「…………………」

「でよ、アルティとオレはその後ユキナやガシュナ達に会ってそれからまず最初にガシュナが開眼を史上最年少で会得してそれからオレ、ユキナ、アルティ、で、ミルナが順に会得して今に至ってるわけ。でもよ〜〜〜アルティって女子同士ならちょっと笑ってくれるらしいんでけどオレには微笑んでくれねえんだよ。何でかな?」

「それはラルモがしつこいからでしょ?」


 祈り終えたユキナが呆れた口調で言う。

 ラルモはどうしてもアルティの笑顔が見てみたい!! という一心でしつこくまとわりついた結果見事に煙りたがられており、あまりにもしつこい場合は開眼状態での電撃攻撃、或いは空間転移の力で別の場所に飛ばしたりと結構痛い仕打ちをしており、最近はバリアで外界の音をシャットダウンして近づけないようにしてるとか


「………………お前バカだろ?」

「ちげぇ!! 笑顔が見てみたいだけだ!!」

「お〜い!! 出撃命令だ!! 急いで飛行場に行くぞ!!」


 シバが向こうから急いだ口調で呼び掛ける。相変わらずの軍服装備で既に後ろ腰に斜めに交差させた小刀を二本。腰のベルトには苦無形状のナイフをずらりと差している。

 明らかに戦闘準備完了の姿。

 

「西ニ十キロの町カルスが怪物に襲撃されている!敵戦力は約500!!都市機能二十%低下!負傷者は今のところ四百人で死者はゼロだ。カルスからの救援と戦力の要請でミルナを除く眼の使い手俺を含む五名の出撃命令だ。そして」


 一度言葉を切り、護熾を見ると続けて


「ユキナの代わりに君はその腕を見込まれて俺のサポートとして中央から命を受けた。できるか?」

「え…………」


 ポカンとした口調で答えたのは護熾ではなくユキナだった。何故護熾が戦場に赴かなくては行かないのか、彼はまだ怪物を一匹倒せるくらいの弱い眼の使い手。

 それが何故、自分の代わりに護熾なのかまったく理解できなかった。確かに中央からは客人、というより新たな戦力として護熾は受けいられたが、早々に戦力として用いられることになるとは予想外だった。

 買ってもらったばかりの玩具のようにさっそく使う中央のやり方に怒りが滲み出る。

  

「いいぜ、シバさん」

「護熾……ホントかい?」

「護熾!! 分かってて言ってるの!? これは戦争よ!!? あなたみたいな未熟な人が行くとこじゃないわ!!」


 下手をすれば命を落とすそんな危険なことにユキナは今すぐ考えを変えろと一歩近づき、


「遊びじゃないのよ!! 護熾が行くなんて私が許さない!!」


 もう一歩近づき、護熾の前まで来て、


「あなたはまだ―――!」

「うっせえなあ!! ゴチャゴチャゴチャゴチャとよお!!」

 

 ユキナの止めようとする声を今まで黙って目をつむって聞き流そうとしていたが、とうとう護熾はその声を掻き消すほどの声で叫んだ。もちろんラルモもシバも目を丸くしてそのことに驚く。

 ユキナが息を詰まらせたような表情で驚いている間に護熾は一度息を整えてから


「なんつーか、確かに俺は赤の他人の為に命を張れるほど立派な人間じゃねえし、かと言って俺はクズじゃねえんだ。でもよ」


 じっとユキナを瞳に映し込み、にっと笑うと


「お前にはまだ借りを返せてねえ。だったら俺がその仕事を引き受けてお前はお母さんと過ごせ、俺のことは心配しなくていい。五年間の穴を埋めてこいよ。それにこれで俺だけ行かなかったらあのガシュナに何か言われそうでもの凄く嫌なんだよな。」


 ユキナは分かった。これは軽い気持ちでは言っていないことに

 護熾はお母さんがいない、それ故に家族といる時間がどれほど大切なのか痛いほど分かっている。だからこそ共に平和な日々を過ごして欲しいという願いが込められていることに。

 それがいかに戦いより重要なことかは護熾は分かっており、ユキナの代わりに自分が行って、そして五年間町を護ってくれた事への恩返しのつもりだということも


「シバさん、どうせあの長老さん達が俺を試したいんだろ?まあ普通そうだろうけど」


 自分に何が出来るか?例え飛光が撃てなくても出来ることはある。

 でなければこの開眼ちからは何の意味を為さないし、自分のように酷い目にあう人はいて欲しくない。自分と同じような目にはあって欲しくない。

 護熾はそっと半歩前に出てシバはそれに気付いて顔を向けると歯を見せて微笑み


「まあ何はともあれ、眼の使い手の仕事、引き受けるぜ」

「――――――!」


 迷いのない眼差しがシバを見つめる。その眼は何の疑いのない純粋な輝きをもっていた。

 それは、この少年は異世人だがその覚悟はここの兵隊達より強固なもので、明らかに自分達の味方。そう思うのに充分すぎるものだった。


 ――この子、アスタに似てる……かな?


「分かった、内容は中でするから付いてきてくれ」

「待って!! 私も行く!!」


 ここから五百メートル先にある飛行場へ向かおうとするとユキナが叫ぶように言って二人を止めた。護熾は振り返り、シバは肩越しにユキナを見るとキリッとした面持ちで


「護熾、気持ちはありがたいけど私だって立派な戦士よ!差別なんてされたくないしそれに……私が行っても怪我しなければいい話よ。借りは別の形で返させてもらうから」

「…………でもそれじゃあ」

「ツベコベ言わないの! 私は一応あなたより強いから!!」

「うっ………上等じゃねえか」

「シバさん、その命令の中に戦力の増加を禁止する事例なんてないよね!?」

「うん、君も来てくれるなら護熾は危険な役回りにはならないね」


 護熾を危険な目には遭わせない。

 何時しか兄妹のように慕い始めていたユキナはそう心に誓い、『はい!』と返事をして三人と共に行こうとするとラルモが護熾とユキナの背中を同時にパンと手で軽く叩くと二人の首に手を回してまるで部活などでよく見る円陣を組む体制に入ると


「ユキナ! 護熾! お前らホントいいわ! 護熾、オレも危険な目には遭わせないから安心しろよ!改めてよろしくな! ユキナ、護熾」

「ああ、こちらこそ」

「一緒に戦うのは二人とも初めてだね」


 そして円陣を解いた後、シバが案内した飛行場へと足を進めていった。




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