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ユキナDiary-  作者: PM8:00
130/150

ユキナDiary-その後パート3 いつか悪夢は止む

その後シリーズ第三弾。

やっちゃっいました、とうとうこの二人の物語です。

そして今回は何と『レギオン編』が無事終了したお祝い(詫び?)で何とアルティを描かせていただきました! ほとんど長門さんだけどね!(笑)


まあ此処で言っても何も始まらないので行っちゃってください! それではどうぞ!








 地平線がオレンジ色に変わり、青い空を徐々に染めていき、その後に引っ張られるように、瑠璃色の空も姿を見せたときだった。


「なわあああああああああああああああぁぁぁぁぁ!!」


 そんな素っ頓狂な悲鳴を上げながら、少年は高いところから自由落下し、4秒後に見事に背中から着地した。辺りにはドスーン、という音とやや派手な土煙が舞う。

 それからその土煙の中で、背中からの痛みと痺れに耐えきってから、身体を起こし、煙を振り払ってから背中をさすり、呻く。


「ってて~」

「ぬるいぞラルモ。ちゃんと修行しろ」

「してるよ! お前がめちゃくちゃ強いんじゃガシュナ!!」

「もういい、今日はここまでだ」


 地面に落下し、身体の土埃を払いながら言ったラルモにガシュナは無愛想にプイッと背中を見せ、スタスタと歩き去ってしまった。

 その背中を見送った後、ラルモは疲労が限界に達したのか、自然な動作で後ろに身体を投げ出す。


「か~っ、もうっ、今日こそ、今日こそマジ第二解放会得しないとガシュナに殺される~」


 そう、彼は第二解放を会得しようとわざわざF・Gで修行をしているのだ。

 場所はF・G最上階のスタジアムと言われる場所で広さは十分、強度のある特殊な透明な壁もあるため周りには被害も出ないし吸震性も高いので生徒達の邪魔をすることはない。


 そして先程、互いの実力試しということでガシュナとラルモは実戦形式の組み手を行なったのだが、結果はこの有様。

 しかも最後にはガシュナからスーパー背負い投げを喰らってスタジアムの天井に鼻がすれすれで触れるという大技を喰らい、その後が今である。開眼状態で、しかも気力を身体の強度に回してなければ、死、または大怪我は避けられなかったであろう。


(うわ~、マジあいつ俺を殺す気だよ……)


 因みにガシュナはこの前、護熾がバルムディアという大国の隊長達に攫われ、そこでの大騒動に手を一つ貸してあげたばかりなのだ。そこで出会した名前持はどちらも封力解除持ち、なのに彼は余裕で勝った。

 そう、彼は第二解放を会得したのだ。


 その前にユキナは、まあ英雄の娘だからなれてもおかしくないし、護熾だって普通じゃねえからまあ驚かねえ、でも、ガシュナはすごい。もしかして普通に鍛えた眼の使い手の中では最初の会得者かもしれない。


 っと、頭の中では彼に対する抗議と共に、賛美の声も上げていたのだが、いまいち本気でそう言えない。悔しい、というのが実のところそうであろう。何だか置いて行かれる、足手纏いになりつつある。そういうのが嫌なのだ。

 すると不意に、寝っ転がった頭の上で声がした。


「ラルモ……」

「ん? アルティか」


 ラルモはその声に反応し、身体を起こしてから向き合うように立つと、そこにはやや小柄な、眠そうに半分閉じた両眼、肩で切りそろえた艶やかな髪の少女が立っていた。


「あんまし、でも早くしねえとガシュナに殺されそうでよ!」

「……そう」

「ありゃりゃっ」


 コケッと転びそうになるがすぐ体制を立て直す。

 少しは笑ってくれるかと思ったが、やはりというか、予想通りというか、微笑みすら見せない。

 彼女、アルティは男子の前では笑顔は見せないという変なポリシーが存在しているらしく、女子には大いに見せているという。だから周りに気味悪がられることもなくその可憐な見た目も合わさって友人(特に女子)の数は多い。まあラルモにとっては数には及ばないが(ほぼ全部、教師含む)。

 

「えっと、じゃあお前はどうだ?」

「……まだ、でももう少しで何かが掴めそうな気がする……」

「うわっ、何だか俺より良い線行ってないかお前? ちぇ~」

「……本当に、前進してないの? いいこと、教えよっか?」


 この時、ラルモは驚いた。

 なんとあの彼女が、心配そうな声で、そう言ってくれたのだ。

 しかも、無表情ながらも下から顔を窺うようにする仕草がまた何とも、可愛い。


「え? え、マジで?」


 その仕草に若干頬を朱に染めたラルモは緊張気味の声でそう言うと、アルティはコクンと頷く。それから口を少し開けて、ゆっくりと、こう言った。


「落ち着いて、自分がなりたいイメージを、強い自分のイメージを、思い浮かべるの」

「…………」

「それと、何か強い気持ちが、簡単に言えば自分はこうでありたいって、願うの」

「……あ、なるほど」


 何になるほどと呟いたは知らないが、ラルモは何となく納得した。

 確かに自分は必死になるあまりにそういう基本的なことを忘れていたかもしれない。

 眼の使い手の気力操作はまず最初にイメージが必要なのだ。

 その中でもそう言ったイメージが強いラルモは、様々な、型に嵌らない武具と戦法を持ち合わせるため、よく言えば臨機応変、悪く言えば器用貧乏と言ったところである。

 ただあくまで、イメージは戦闘で自分の矛の延長である攻撃と、自分の身を守る防御にしか使ったことがないのだ。

 自分自身に、という発想は今の自分にはなかったのだ。

 

「じゃ、わたし行くね」

「お、おお。っとちょっと待ってアルティ!」

「? 何?」

「あ、ありがとよ! 何だか、前に進める感じだ!」

「…………」


 彼なりの礼だったが、彼女はそう感謝されてから、また顔を前に戻すと、ブンッと音を立てて消えてしまった。いつもの空間移動で、自室に戻ったのだ。

 相変わらず便利な能力だな。

 そう思いつつも残されたラルモはそのアドバイスに従って、自分のためのイメージを組み立てることにした。

 心の中で、あの少女に感謝しながら。


 それが、つい二ヶ月近く前の話。









「―――で、何の用だ? お前が来るなんて珍しいな」

「いやー丁度お前に会えてよかったよー」

「いやお前が会いに来たんだろうが、ほれ」

「お、どうも」


 ある昼下がりの休日、海洞家にはごくごく珍しいタイプの来客があった。

 それは一樹の友人軍団でもなく、絵里の女の子集団でもなく、護熾の友人チームでもなく、ただ一人、たった一人だが、かつてあの大戦で見事単独で虚名持を倒した眼の使い手が来ていた。

 護熾はその人物に茶の入ったコップを渡すとその茶をずずっと啜ったのを見計らって、


「勝手に来て大丈夫なのか?」

「大丈夫大丈夫、俺一般人じゃねえし、コネがあるからな。それに発信器持たされてるから指定した場所以外に行くとすぐさま捕まるし。で、俺の探索範囲はこの家だけだからノープロブレムだ。」


 そうコップを持っていない方の手の人差し指をくるくる回してみせる。


「探索ってここは危険指定地区か、地雷原かよ。まあそれはともかく、お前が来るってことは観光か? それとも遊びに来たのか?」

「まあ後者かな? でも遊びとは違うな。相談だよ相談」

「相談? 何の?」

「ああ、お前ってさ―――」


 と言いつつ飲み終えた少年、F・G生徒から通称『黙っていれば美形』のラルモは言った。


「どうやってさ、ユキナに告白したんだよ?」


 







 彼が、死んでる。

 背中の致命傷から流したあまりの多くの血が、周りに流れて、止まることはない。

 周りのコンクリートや、地面は、美味そうに血をどんどん吸っていく。

 もはや運ぶ力もない自分は、その彼を抱きしめ、周りに叫んで助けを呼ぶのに、誰も来ない。

 あと一分早く誰かが来てくれたら、彼は助かったはずなのに、誰も来ない。


 体温が、どんどん無くなる。

 どうして、こんなことに。

 そう、涙を流してこの結末を呪っても、彼は返事もくれない。


 どうして、どうして、どうして、どうして、何で彼を取り上げようとするの?


 神様、大切なものを教えてくれた、この人を、私から取り上げないで―――!





「………~~~……夢?」


 窓から差し込んだ光が、目覚めを促す。

 気温は普通、外は快晴のようだ。

 そして布団をはね除け、ベットから起きて、ふと目元が濡れていることに気がつく。


「……夢で、よかった」


 そう言い、指でくしゃくしゃになった眼をこすり、拭い去る。

 それから、布団を胸まで持ち上げて、ギュッと握りしめる。

 じつはこの手の悪夢は、大戦が終わって以来頻繁に見るようになったのだ。

 あまりにも多く見るので保健室を訊ねてみると、どうやら悪夢とはストレス発散の一環となっているらしく、眠れる内は心配はないそうだ。

 でも、とても怖い夢。

 そう呟いて、着替えるために洗面所へと向かった。

 そう、今日は、とても大切な日なのだ。



 二日前、休日手前の日の、学校のことだ。

 普段の生活、普段の行動、普段の友人との雑談、普段の勉強、普段の読書、普段の食事。

 その日は確かに、そう言った一日で行う流れで終わると思っていたが、違った。

 あと一つの授業が終われば、今日はもう寮に戻ってお終い、という休憩時間の間に彼がやってきた。

 同じ眼の使い手の、彼、ラルモが、


「よ、よよヨよよよよぉ、あ、明後日さ、ひひひヒひ暇?」


 いつもの陽気さ既に無く、カラクリ人形のようにカクカクと小刻みに動きながら、そう訊ねてきた。

 実は最近、あの大戦以来、彼はあまり構ってくれなくなった。

 前はしつこく『君の笑顔が見たいんだー!』とか言って一日に数度現れては撃退されても懲りず、毎日互いの様子を確認するかのように会っていたのに、それが一日に一度あるかないかくらいになってしまった。

 当時は割と鬱陶しくて、割とホッとしていたのに、正直それが少なくなって、とても寂しかった。

 だから、誘われたとき、とても嬉しかった。

 誘われたのが嬉しかったから、返事の代わりに笑顔で答えたら、彼、すごく慌てながら承諾して帰ったな。

 

 そう、今日がその日。

 ユキナとミルナとイアルとリルに頼んで服を選んでもらったけど、大丈夫かな。

 待ち合わせ場所はワイト中央区ショッピングモールでの南口。

 人がとても多くて、ゆとりなんてない。

 理由は一つ、今日はターミナルフェスタという催しがあること。


 ターミナルフェスタというのは年に一度、しかも冬に行われる催し物で、ワイトの一大イベントとなっている。

 内容はまずこの中央区の主要道路を除いた道路を歩行者天国に仕立て上げ、そして町中に張り巡らせたイルミネーションを一斉に灯すという実に単純なものだが、その規模と作品のレベルが桁違いにすごいのだ。

 規模はもちろん、町全体で。そしてそのイルミネーションをもっとよく見えるように約四分間、主要道路を除く電灯を全て消し、一時的にまったく見えない真っ暗闇を作るのだ。

 そこで行われるイルミネーションは、想像を超える。


 もちろんこの日には生徒のみんなや、ガシュナ達眼の使い手も羽目を外しにやってくる。

 ただしユキナだけは今回母親と来る予定だが、『でも現世でね、クリスマスっていう催しものがあるからそこで護熾と聖夜を過ごすの』などと二度おいしい冬の計画を立てていたりする。


 そう、彼はイベントが起きる日にデート(一応そう解釈)に誘ったのだ。

 彼が来るのを今か今かと待っている。

 でも一つ問題がある―――約束の時間に肝心の彼がまだ来ていないのだ。



 アルティが心待ちにして待っているここワイト中央区ショッピングモールは、高架の線路を一直線に繋いだ楕円形のアーケードである。中身はどこぞの商店街と同じだがいわゆるスイーツ店や宝石店、洋服屋やアトラクションも含まれており、中身の装飾品は全体として高級感があって尚かつきつい印象はない。それに、たっぷりと空間をとる方法をとっているので全体としては緊張が和らぐ構造となっている。

 因みにF・Gの友人からは『彼氏と行きたい場所ランキング一位』という情報も聞かされている。ただし彼がそれを知って選んだと言うことはない、とアルティは確信していたりする。








「おーい、すまん! 遅れちまった!」


 ここでようやくこのイベントを起こした張本人、ラルモのご到着である。

 約束の時間から既に15分。あまり遅くないが遅刻は遅刻である。

 今日のラルモの姿は至って普通の格好で、フードとファスナー付きのトレーナーとジーンズという冬対策の温かそうな服装である。

 対してアルティは、落ち着いた暖色系のブラウスとティアードスカートという装い。頭には白いリボンを一巻きしたキャスケットが被られており、手にはショルダーバックがある。

 いかにも女の子ー、な格好である。


「……遅刻」

「ごめんごめん、いろいろ支度に手間どっちまって……」

「でも気にしない。行こ」

「お、おお」


 そう無愛想に、しかし声のどこかに嬉しさを含んだ声色で、歩き出したので本来先導するはずの彼が少し置いてけぼりを喰らってしまった。




 それから数分後、近くにあった売店に立ち寄ってクレープを買った二人はそれを食べつつショッピングモールの案内板を見ていた。

 大雑把に見れば、レストラン、お土産屋、アトラクション(絶叫系含む)、バス乗り場、公園。

 それを見てから、ラルモは訪ねるように訊く。


「アトラクション大丈夫か?」

「……乗ったことがないから、分からないけど……行ってみよ」

「そうか、じゃあ行ってみっか!」


 そう行って二人で食べ終わってから、その絶叫系のアトラクションの中でもジェットコースターという猛スピードで重力を無視する速さの乗り物に行ったわけだが、ラルモは大いに絶叫し、反対にアルティは仏頂面のままで一言も発さないという結果に終わったのだ。


 終わった後、叫びすぎた~、と息を切らしているラルモにアルティが訊ねる。


「あれに……乗ってみたい」


 それが例えファンタジーなコーヒーカップでもラルモは断らず、むしろドン来い! などと言ったので了承したアルティは少し楽しそうな様子で乗り込み、それに倣ってラルモが乗ると、目の前にあったハンドルについて訊かれたので『ああ、それ回すと回転が速くなるんだよ。やってみ?』と促されたのでアルティはハンドルの端と端をガッチリ両手で掴むと、いざ、無表情のままで中央のハンドルを情け容赦なしで回しまくった。

 ――その結果、


「うっ……俺の三半規管が……」


 などとラルモは降りた後に呟いて、先程食べたクレープが胃の中で込み上げようとしてきたのでそれに耐え、アルティが珍しく心配そうに背中をさすって『ごめん……』と言うはめになっていた。









(――っと、此処までは普通に順調なのだが……)


 そう思いながら、隣を歩いている彼女に視線だけを向ける。

 かれこれもうすぐお昼なので、近くのレストランで昼食を食べるために歩いており、今日の分は全て自分が奢るという押しつけをようやく受け入れてくれたところなのに、どうも彼女の様子がおかしい。


(今のこいつなら、何かと笑うと思ったんだけどな~)


 そう、今日の彼女は一切、笑っていない。それがどうも気になる。

 もしかして楽しくないのかな、っと不安になるが、それはさっき聞いてみたところ、


『え、とても楽しいよ?』


 っと無表情のままで、でも声はそう聞かれたことが意外そうだったのでこれ以上言及はできない。

 しかし、せっかく勇気を出して彼女を誘ったのに、肝心の彼女が楽しくなさそうだと冷静な判断も中々でいなくなっていく。どうすれば楽しそうにしてくれるのか。どうすれば笑ってくれるのだろうか。

 そう顎に手を添えて考えに考えていると、目的地のレストランに着いた。


「着いた」

「お、じゃあ入ろうか」


 そして見た目とは裏腹に、アルティはサンドイッチや大盛りスパゲッティなど遠慮無く頼み、最後は特大のチョコパフェを平らげたりと、旺盛な食欲を見せ、それを見ていたラルモはおおすげえと思いながらもそもそと自分の分も食べ終えた。









(――どうしよう……)


 アルティはそう思いながら、隣を歩いている彼に視線だけを向ける。

 かれこれ午後になったので今度は公園へ行ってみようということで歩いているのだが、どうも彼は先程からこちらをちらちらと見ているようなのだ。

 それもそのはず、なぜなら自分はこれ以上ないほど緊張しており、表情も凍り付いたかのように崩せない。普段なら笑っているとこも、笑えずにいるのだ。


(素直でいたいのに……私としたことが……)


 先日、彼女はミルナやユキナにこの日のデートについてのアドバイスを聞いていた。

 まず最初にミルナに聞いてみたところ、相手に合わせた方がいいよという提案があったが、ごめんそれ既に危うい、と心の中で謝っており、次にユキナはまだ二人っきりのデートをしたことがないのでアドバイスは別の方でしてもらった。


 今の二人っきりというのはとても嬉しく、楽しい。

 でもその気持ちが、逆に彼に応えようとしてくれない。

 そんな、身体の内で葛藤を繰り広げる中、公園に着いた。


「どっこいせっ」


 そう言いつつラルモがベンチに座ったのでその隣に並ぶようにアルティも座る。

 今日がターミナルフェスタと言うこともあって、公園内の人口密度は高い。

 ベンチに座っている二人の前を、祭り目当てに集まった家族連れが、何度も通り過ぎていく。

 

「……長閑だな~」

「……うん」

「…………」

「…………」

(うっ、会話が続かん……)


 学校一のおしゃべり男だと自覚しているのに、この会話の続かなさは異常である。

 原因の理由は簡単、不安と緊張が頭の中にいちいちストップを掛けてくることだ。

 なので早くこの状況から脱し、自分の決意が薄れる前に、実行に移さねばならない。


(思い出せー思い出せー、護熾の奴は何て言ってたっけ……そうそう)


 昨日、海洞家にお邪魔したことを思い出し、それから順を辿ってみる。


(『えーっと……恥ずかしいこと訊くなお前。誰から聞いたんだよそれ』)

(『ユキナからだ』)

(『あの野郎……たくっ……そうだな…………ノリ?』)


(ああ~そうだった! あいつ肝心なこと、はぐらかしたまんまで何も言ってねえ~~!)


 そう、結局恥ずかしがってしまった護熾は結局『自分で見つけてやれ!』と言っただけで具体的な方法は伝授されていない。

 因みにこれはガシュナにも訊ねてみたが、大体同じ返答だったりする。

 しかもしつこく訊いた結果、怒って開眼してブオォンと手から槍を出し、殺気を全身から出してきたので、生命の危険を察した彼はスタコラサッサッと逃げたのだ。


(えーっと、今は絶対言うべき雰囲気じゃねえから…………そうだ!)


「な、なあアルティ」

「ん? 何?」

「そろそろショッピングモールに行かないか? ほら、女子に人気って言われてるあそこにさ」

「…………!」


 同じ時にして、アルティも実はラルモと同じことを考えていたので、突然の提案に少し戸惑ったが、すぐにその提案を受け入れるとようやく、何かしらの緊張が解けたのか、軽く微笑んでみせる。


 すると予想通り、彼は驚いた顔で照れたように後ろ頭を撫でる。

 やっと笑ってくれた、よかった。これ、悪いデートにならずに済みそうだ。

 そういう言葉が顔に書かれているかのように。


「お、おっしじゃあ決まったことだし、行くぞアルティ!」

「うんっ」


 そう言って立ち上がったラルモから、ごく自然に、やや緊張気味で手が差し出される。

 アルティはその行動に身体に熱が籠もるのを感じたが、すぐさまソッと手を伸ばすと、優しく包み込むように温かな体温が伝わり始める。

 とても、どうしようもない気持ちが、疼く。

 13年間、握ることの無かった、手。

 これがとてもよくて、とても気持ちがいいものだなんて、知らなかった。

 そう思うと、頬が朱に染まって上気していることに気がついて、慌てて隠すように顔を少し伏せる。


 一方ラルモは、生きている間に同じクラスの女子とは何度も手を繋いだことはあるが、これだけはどれも勝ることのないものだと感じていた。

 自分より、小さくて、華奢な手。

 温っけえ、とそう思った。

 このままずっと握っていたい、とも思った。

 それと、ようやく何か上手く進み始めたな、とそう思いながら、彼女を先導するように、その手を引いてショッピングモールへと足を運んでいった。



 それからだ。

 まずショッピングモールへ向かった二人はそこで洋服屋に入り、あれこれと気に入った物を試着したり被ったりして、買った物をショルダーバックに詰め、それをラルモが男の責任として持つ。

 それからお土産屋に立ち寄ったり、アクセサリー店にいったり、恐怖の館というとこに行ったり(中の仕掛け人はアルティの不動さに逆に圧されていたが)と、時間は楽しい時間であればあるほど短く感じ、そしてとうとう午後六時半。

 ターミナルフェスタが始まるのが午後七時半なので、歩いているときに夕飯をあそこで食べようと決めたレストランに向かって歩く。

 そのレストランは、ビルの三階にあり、しかも幸運なことに窓際だったために町並みの明かりを見下ろせるというナイス絶景ポイントに座ることができ、ラルモの奢りでコース料理を頼み、そしてデザートまで食べ終えて、満足げに食事を済ませた。



 時間は、午後七時二十分。

 ターミナルフェスタまで、あと十分。

 そんな時に、ラルモは祭りが行われる広場に行くのではなく、アルティを連れて、あるビルの屋上へと向かっていた。

 もちろんアルティは普通に楽しむのだったら広場に行くのではと疑問に思ったが、彼に彼なりの考えがあると信じ、特に文句も言わずに付いていった。


 エレベーターでやってきたビルの屋上は12階。

 そこは風が少し強く、ちょっとだけ寒かったが、あることに気がついて眼を丸くする。

 自分達と同じように男女の二人組が、ある壁の方に集まって肩を寄せ合いながら、長方形に切り抜いた覗き窓から何かを見下ろしているのだ。


「驚いた?」

「う、うん……」

「ほんじゃ、俺たちも行こうか」


 そう言ってアルティと手を繋ぐと、自然と肌寒さが無くなる。

 そしてアルティはラルモに連れて行くがままにそのビルの屋上の壁の方に歩いていくと、何があるのか全て理解した。

 ターミナルフェスタが行われる、祭りの中心となる広場が、そこにあった。


「ここさ……」


 驚いている彼女の隣で、ラルモが言う。


「俺の友人から訊いた場所でよ。ちょっと寒いけどすごい良い場所らしいんだ。だからこれが、あの広場がよく見えるってことなんだろうな。うん、納得した」

「…………」


 実際どういう場所なのか彼も理解できていなかったようだが、それでも、アルティは胸がだんだんふつふつと熱くなっていくのを感じていた。

 自分のために、自分のために彼はこんな場所を用意してくれたのだ。

 とても、とても、嬉しくて仕方がない。


「どうだ? お前が気に入ってくれなきゃ、意味ねえんだけどよ?」

「うん、とても素敵な場所……」

「……そうか、おっ、始まるぞ」


 時計の針が、やがて七時半を迎える。

 その途端、明かりを消すという合図なのか、大きなサイレンが三十秒間鳴った後、それは来た。


 一瞬で町中の明かりが消え、人々に一瞬、暗黒の闇を送り届けるが、次の瞬間、その暗闇から小さな、でも強い光が一つだけ灯る。

 その光が一つ灯れば、ほかの場所でもう一つ、また一つ、とどんどん数を増やしていってやがて光のショーが始まる。

 

 赤、青、オレンジ、ピンク、緑、茶色、黄色、紫、銀、金、水色、白、黄緑。

 

 たくさんの色が、町中を駆けめぐる。

 

 それは風のように、あるいは波のように、人の頭上を、あるいは人の眼下を、力強い光が、人々の間を通り過ぎていく。


 そしてそれが一分くらい掛かった後、今度は雪が降るかのように、光が付いたり消えたりと散らつかせ、そして町のあちこちで、光のアニメーションが始まる。

 

 光で作った、男性と女性の他愛もない恋愛の話。


 雪降る町を、息を白くさせながらもソッと肩を寄り添う。

 

 この二人は、元々は別々の町に住んでいる男女で、ある世界を巻き込んだ大きな戦いの所為で離ればなれになってしまったという。

 しかし、その戦いは不思議なことにたったの一日で終わるという前代未聞の速さで終焉を迎えたのだという。そして、世界の情勢が安定した頃、このワイトで出会えたという。 


 そして、言葉が紡がれる。



 ~この世界で、この人と会わせてくれてありがとう~


 ~この世界で、この人を愛させてくれてありがとう~


 ~この世界の、今の平和を、みんなで愛しましょう~



 ~全ての人に捧げます。願わくば、平和よ、永遠に~



 それは、この前起きた大戦が終わり、再び生きて会えた男女の本当の話をモチーフにした作品である。一緒に見ている人たちは、このアニメーションに共感しているようで、うっとりした視線で見ている。

 だが、その中で、


「……なーに言ってんだか……」


 不意にその光景に口を挟んだのが、ラルモだった。

 アルティは驚いて、彼の横顔を見る。

 光で照らされながらも、いつもの笑顔はなく、真剣で、まっすぐと前を見据えた凛々しい顔立ち。

 それに一瞬、彼女は胸を高鳴らせる。


「感謝すんなら、ユキナと護熾にしろってんのに……真実を知らないやつは、気楽なもんだよな。今のこの平和だって、続かないかもしんねえのに……」


 それでも、彼は、目線を外さずに、光の乱舞を見続ける。

 実際、大戦に身を投じた少年にとって、この恋愛話はあまり気のいい話ではない。

 つい忘れそうになる。彼は、他の誰よりも戦いの中心にいて、面と戦ってきた一人なのだ。そして、自分は最後は結局何もできず、戦友との辛い別れを目の当たりにした。

 結局のところ、その彼は帰ってきたのだが。


 そんな彼に、アルティは、驚いた表情から、微笑んで言う。


「でも、此処の人たちが全員、真実を知ることはないと思う。それにあの二人だって、それを望んでない。それと、平和は自分達で作っていけばいいと思う。これから、困難なことがあっても、また戦えばいい」

「そーだな…………すまね、水差しちまったか?」

「ううん、とても綺麗で、嬉しい……」


 そう言って、つい言ってしまった失言にラルモはいつもの笑顔で謝り、アルティもそれに微笑んで応える。

 普段の彼なら、想像も付かないような大人びた声での言葉。

 その様子を見て、少しだけ、彼のことが分かった気がした。

 

 この世界で、この人に会わせてくれてありがとう。


 光によって紡がれた言葉を、もう一度頭の中で呟いてみる。

 彼は、いつもそばにいてくれた。

 日常でも、戦いの中でも、ずっとそばにいてくれた。

 そして、不意に大きな不安材料が頭の中で浮かび上がってくる。


 大戦のあのとき、ユニス・ティガという虚名持と戦ったとき、彼は自分を庇って致命傷を受け、もう少しでもう手が届かない場所に行くところだった。

 自分が、一人だと知ったときの、あの猛烈な孤独感が、時々思い出しては、堪えてきた。



 そして、ターミナルフェスタは無事終了し、イルミネーションに明かりが灯ったまま、町に灯りが戻る。






「なあアルティ…………」

「……何?」


 催しが終わり、ラルモが顔を向け、アルティもそれに合わせるようにし、見つめ合うようにする。

 不思議と、それがまるで自然な振る舞いのような感じであり、アルティは心が熱くなるのを感じた。

 とうとう、このときが、来た。

 ずっと待っていた、この言葉を。


「お、俺、お前に言いたいことが……」

「え、それは……?」


 そう言い、喉の奥からずっと伝えたかった気持ちが出かかっているが、どうも声に出すのが難しい。そしてついに、耐えきれなくなったラルモは、視線を逸らす。

 アルティはそんな様子を可笑しく思いながらも、はやく言葉が聞きたく、ただ待つ。

 心無しか、両者とも随分頬が赤い。


 沈黙の三分間。


 その間に周りにいたカップルも催し物が終わり、買い物へとしゃれ込んで行ったので、気がついたときには屋上は二人だけとなっていた。

 それでも、互いにまだもう一歩進めず、頬を上気させるだけで顔は背けたままだった。

 だが、最初に沈黙を破ったのは、


「…………は、ははっ」


 ラルモが声を漏らすように笑い、それからすぐに、


「―――わ、わっははは!! あーダメだ、やっぱ性に合わねえな~!」


 無理矢理いつもの調子に戻ったラルモはわざとらしく大笑いをし、それから壁に凭りかかるようにし、背伸びをするかのように両腕を上に伸ばす。

 それからいつもの笑顔でアルティをしっかりと見てから、ハッキリと言う。


「この流れだともうお前分かってるだろ? 俺がお前のこと好きだってことをよ……」

「あ…………」


 あっさりの告白。

 とうとう、彼から告白された。

 何か物足りない気もするが、彼は言ってくれたのだ。

 だったら今度は自分が、そう決意し、自分の想いを告げようとすると、


「でもな、俺じゃあ、釣り合わねえよな~」

「……え?」


 あっさりと自身の気持ちを晒したラルモは、アルティが驚くのも無視して諦めたかのように肩を落とす。


「分かってんだよ。お前が断るくらい。でも、最後まで付き合ってくれてありがとな」

「…………え!?」

「お前はもう大丈夫だ。ちゃんと人前で笑えて、ちゃんと表情を変えられる。お前の笑顔は、素敵で、最高だ。だから今度は自分が良し! と思った相手に見せられるようにするんだ!」

「ちっ、違……! えぇ!?」


 アルティはガーン!っと鐘が頭に響いたかのようなショックを受ける。

 勝手に独壇場を作り上げるラルモに、彼女にしてはあまりにも珍しい素っ頓狂な声を上げるが、彼はどうやら、始めから玉砕覚悟でこの場に臨んだらしいのだ。

 護熾からも、ガシュナからも、告白のアドバイスを聞けなかった彼は、イイ雰囲気で告るというあまりにも定番な方法で望んだが、どうやらその緊張の糸が切れてしまったと共に何かがフッ切れたようなのだ。


「何だ照れてんのか? お前は昔から褒められるのは苦手だったな。お前は人に優しくされることには慣れてはいない。でもその幸せを噛みしめる時間があれば、悪夢はいつか止むさ」

「いやあの悪夢って? …………それに、何気にカッコイイこと言って終わらせないでよ……」


 そう呆れてみせるが、でも、やっぱり彼は、自分のことを大切に想ってくれていることは確かなのだ。

 でなければ、好きだと言うのは形がどうあれ言わないし、お似合いなのは自分じゃなくてほかにいると言いはしないのだ。

 ホント、昔から元気で、でも時々優しくて、寂しいと思ったらそばにいてくれる。

 そんな彼が、好きなのに、勝手に決めないでよ。


 ユキナは言った。『告白してくれたのは、実は護熾なんだけどね……そのあと、キスしたの、実は私の方なの……それで、大戦が終わって、彼が帰ってきた日に一緒に……寝たの……ってキャーーーー! もうアルティったら何言わせるの!』

 っと、顔を真っ赤にして誤魔化しでアルティの両腕を掴んでブンブン振っていたのだが。

 因みにミルナも『告白、というよりプロポーズを彼からしてくれたんです。それでファーストキスは……私から……キャーーーーー!!』、とユキナとほぼ同じ反応を見せて真っ赤になった顔を隠しながら全力疾走でその場から去ったのだが。


 つまり、どうやら『男子から告白し、女子はキスで答える』という法則が成り立っているらしい(必ずしもそうではないことを、彼女は知らない)


「ま、とりあえずこれで終わりか。お前にはいい人が見つかるといいな。じゃ、そろそろ帰ろ――――って!?」








挿絵(By みてみん)







 ラルモがそう言った時、ずいっと身を寄せたアルティは、服の裾を掴んで顔を近づける。

 その表情は、いつもの眠たそうな瞳ではなく真剣な眼差しそのもので、表情も少し怒っているようにも見える。ただ頬を朱に染めている以外では。

 あとは踵を上げれば、顔が届く距離。


「あ、アルティ、どうし―――」

「他の人と一緒になんて、言わないで……ラルモ……」

「……アルティ?」


 今にも自分の胸に納まりそうな、そんな彼女の大きな両眼は潤んでおり、今にも壊れそうな表情になっていた。その表情を見て、ラルモは固まる。

 一方アルティは、そんな彼の表情を可笑しく想いながらも、少しずつ踵を上げる。

 脳裏には、彼との遣り取りの日々が過ぎる。

 自分を預けても、いいか?

(いい)

 自分が欲しいものを、持っているのか?

(持ってる)

 

 頭の中に浮かぶ疑問に答えながら、少し怖い気持ちもあったが、一つの大きな勇気が、彼女を後押しする。

 

「好きだよ、ラルモ」


 そう微笑んで言い、そして、踵を―――目一杯、上げた。









 すっかり暗くなった帰り道。

 暗闇で足を踏み外さないよう、灯りを頼りにしながら、二人は並んで歩いていた。

 肌を刺すような冷たさの中、互いにしっかりと握った手が、唯一の温もりとなっている。


「……楽しかったか?」

「うんっ、忘れられないくらい」

「そうか……」


 顔を合わせず、前を向けたままの会話。

 それでも、足取りは軽い。

 

「いや、正直驚いた」

「何を?」

「アルティがさ、俺のこと好きだなんて……」

「…………」


 改めて思い返せば、自分らしくもない大胆な行為だったな、と彼女は思う。

 でも、後悔はしていない。


「不思議だな、俺たちと同じ歳の眼の使い手って、結ばれるようになってんのかね」

「そういえば、不思議だね」


 ガシュナとミルナ、ユキナと護熾、そしてラルモとアルティ。

 何かに導かれるように、カップルになったのは運命の悪戯であろうか。

 しかし、そんなのは関係ない。

 私は彼を選んだ、彼もまた、私を選んだ。それだけのことだ。


「こりゃあクラスの連中にどやされそうだな~」

「ふふ、でも、隠していても、仕方がないよ?」

「変わったな~ホントお前~」


 と言いつつもポフポフと彼女の頭を帽子越しに撫でる。

 アルティは頬を少し朱に染めて嬉しそうに微笑む。

 もう、怖いものはない。

 そして―――あの感覚をもう一度思い出す。

 唇に残る、あの甘い感覚を。


「でも、ありがとな……俺、お前のおかげで今、幸せだ」


 そう言った後、引き続いて、


「な、なあ、今夜、家に泊まってくか?」


 そういきなり思いついたようにラルモは言った。

 それは、十代少年特有の下心が見え見えなので、アルティはその提案に対し、いつもの仏頂面に戻り、冷たい口調で答える。


「……断る」

「うわっ、やっぱお前ガード堅いな!」

「まだ早い……少しずつ、少しずつ、ね? ……でもユキナは……」

「ん? どうした?」

「な、何でもないっ」


 そう顔を真っ赤にして早歩きになったアルティをラルモは慌てて追いかけ、そして手を繋ぐ状態にする。それから思いっきり―――背中から抱きしめた。

 腕からは、彼女の華奢な身体と柔らかさ、そして体温が伝わる。


「分かった分かった、俺が悪かった。調子乗ったすまん」

「…………バカ」

「いや悪い悪い…………大好きだ、アルティ」

「……言われなくても、分かってる」


 そう言い、自分を抱きしめている手にソッと触れる。

 これが、そばにいるってことなんだ。


 これが、安心してるってことなのかな?


 ずっとずっとそばにいて欲しい。


 ずっとずっと、一緒に歩いていきたい。


 私に感情を、笑顔をくれたあなたと、一緒に――――










「で? どうだったのアルティ?」


 後日、同じクラスのユキナが好奇心旺盛な瞳でアルティにそう訊ねる。

 内容はもちろん、ラルモとのデートの結末であろう。

 そんな彼女に、アルティはにっこりと微笑んで見せると、


「御陰様で……」

「ほお~~~、とうとうアルティさんやっちゃいましたか~」


 と、ユキナは頬に手を当てて嬉しそうに首を振る。

 アルティはありがと、と短く言ってから一言。


「で、そのあとどうしたの? もしかしてもう大人の領域に……!」

「そこまで行ってないよ。軽く、ね?」

「……どうだった?」

「……とてもよかった」

「またまた~」






 そしてあれから、あの悪夢を見ることはなくなった。

 まるで、自分との気持ちに応えたかのように、あれから一度も見なくなった。

 今、彼は隣で寝ている。F・Gのお昼休みと言うのに、かなりのんびりしている。

 そんな彼の寝顔が、可愛いと思う。

 


 悪夢はいつか止むさ。


 

 言ったタイミングと場面は全然違うけど、彼の言うとおりだ。

 何か苦しい時でも、何かに悩んでいるときも、きっと、きっと、乗り越えられる。

 すると、心地の良い風が、身体を通り抜けていく。

 その心地よさについウトウトとし、そして隣の彼にソッと身体を凭りかからせる。

 誰かに身体を預けるのが、こんなに気持ちものだなんて、知らなかった。

 今から見る夢は、今度こそ幸せな夢でありますように、






 

 そしてそれが、現実になりますように――――










 お父さん、お母さん、見てますか?

 私は、今日も元気です。

 私は昨日、彼に気持ちを伝えました。

 彼は、とても驚いた後、ソッと抱きしめてくれました。

 とても気持ちよくて、なにものにも代え難い、大きな温かみでした。

 この世界で、私は生きていきます。

 もう、彼がいるから。

 きっとこれから立ちはだかってくる壁も、越えたり、壊したりして進んでいけるはずです。


 どうか、いつまでも見守ってください。



                             




 この平和も、所詮仮初めかもしれない。

 また悪夢を、見る日があるかもしれない。

 しかし自分には、もう、仲間が―――彼がいるから、立ち向かっていける。



 そして誰にも、私の世界を変えられはしないんだから。





前半何となくラルモ。

後半はアルティ。

これで一応、やりたいことは書けた、って感じですね。

そして新連載の方もちゃくちゃくともう始めることができるくらいになっていますんで、最終チェックのあと、どうぞそちらの方もよろしくお願いいたします。それでは! ご愛読ありがとうございました!

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