五十月日 遠景4
暗闇の中、少年は歩いていた。
地面はただの闇としか言いようがない暗さで、不思議と自分は真昼のようによく見えていた。異空間、というべきなのか。
少年はしばらく歩いた後に急に立ち止まり、目を大きく開いて前を見据えた。
少年から約五メートル。少年と同じ出で立ちの服装をした二人の男女が足止めするかのように佇んでいた。
少年にはすぐその二人の正体が分かった。
少年の父と母。
二人の男女は少年に向かって背を向けながら、語りかけた。
――行くよ、××××――
『お母さん? お父さん? ねえどこ行こうとしてるの?』
――ほら、早くしないと置いていくぞ――
『ねえ、そっちは何も無いよ? 本当にどこへ…………?』
――××××、こっちにおいでよ――
『…………もう母さんと父さんなんて僕にはいないよ――――」
ソラはそう言うと、その言葉を切っ掛けに父親と母親の姿をしていた物質が液体のように崩れ落ちていった。ソラは水たまりのようになってしまった元母父を見下ろしながら、その場に佇んだ。
そして急に後ろに急速に引かれるかのように辺りの光景が変わり、意識が暗闇から浮上し、目が覚めた。
「………………」
ソラは天井に目を向けながら、目から涙を流して口を開けていた。
そして魚のようにパクパクと動かした後、上体を起こし、腹に布団がずり落ちるのを感じながら両手で顔を覆った。
「うっ…………ひぐ……ひっ…………」
―――怯えることはない、お前は家族だ―――
少女の声でその言葉がフッと浮かび、嗚咽を飲み込んだソラはふと辺りを見渡し、自分を拾ってくれた少女に目を向ける。だが、
「いない……どこ行ったんだろ?」
ツバサの姿が見えない。家の中はソラだけでしんと静まりかえっている。
布団は既に綺麗に折り畳まれており、触るとまだ温もりが残っていたので畳まれてからそんなに時間が経っていないことがわかった。だが分かったところで何にもならないのでソラはキチンと畳んでから隅に寄せ、それから草履を履いて、夏なのに肌寒い夜明けの地に踏み入れていった。
夜明けの村は静かだった。
朝日が田んぼの草木を照らし、薄蒼の色に染めている。
ソラは家の周りをあちこち探し回ってみたが、それでもツバサは見あたらなかった。
何かがあったんだろうか、懸念の色が頭に浮かび上がり、ソラはあの人なら何か知ってるかも知れないと思い、今は煙を上げていない家の方へ走っていった。
家に着いてソラはトントンと引き戸を拳で叩いた。
ソラが着いた家はリュウが一人で住んでいる所であり、確かに工房らしき別の家が近くに建っていた。
ソラが叩くこと20秒後、中から物音がし、それから引き戸が横に動かされると中から少し着物がはだけたまさに寝起きの状態のリュウが姿を見せ、引き戸の前に立っていたソラの姿を見て少し驚いたような顔を見せた。
「よお、どうした? こんな朝早くから?」
「リュウさん! ツバサがいないんだよ! どこ行ったか知ってる!?」
「ああ〜 あいつ何も言ってあげなかったのか。大丈夫、心配すんな。あいつは名主として村周辺の状況を見回りに行ってるだけだ。」
リュウの話によるとこんなことは日常茶飯事だそうだ。
ツバサはまず早起きの農家よりも早く夜明けと共に起き、護身用の短剣と籠を背負って支度するとまず村の外へと出かけるらしい。
「それよりもお前中に入れよ。此処じゃあ少し冷たくて和めないだろ?」
少し寒そうにしていたことに気が付いたリュウはそうソラに言う。
ソラは一般人であるリュウの申し出にどう受け答えしようか迷ったが、体に鳥肌が立って正直に寒いと言っていたので、ツバサから聞いたリュウの人となりを知っているソラは肩の力を抜いて頷いた。彼は信頼出来る、と。
「じゃあお言葉に甘えまして…………」
「お前少し固いな。もうちょっと砕けてもいいんだぜ? オレのことは兄貴扱いでいいからさ?」
そう言われたソラは少し吹いた。そんないきなり兄貴扱いって……
今までそう言ってくれた人がいなかったこともあったが、この青年は凡庸な性格、凡庸な接し方が何よりも嬉しく、楽しく、温かかった。
リュウは『なんだよ? 兄貴にふさわしくねえのかオレは!』と唇を尖らして少し不機嫌な口調になるが、さっさとソラを中に入れてしまうと冷たい風を遮断するために引き戸を閉めた。
家の中は男の一人暮らしなのに関わらずまったく散らかっておらず、むしろリュウの性格を表しているかのように見えた。リュウは部屋の真ん中にあった囲炉裏に火を付けるとソラに暖を取るように促した。
ソラは遠慮がちながらも冷え切った体を温めるべく囲炉裏の前に正座で座ると両手を前に出して暖を取り始めた。リュウもそれに続いて胡座で座るとさっきの続きをタイミングを見計らって話し始めた。
ツバサはまず裏山から歩き始め、高い山に沿って村をぐるりと一周するようにする。
その理由は近隣に村はないのだが、もし盗賊や山賊など村に危険をもたらすような存在をいち早く発見するためだそうだ。
リュウは村で誰か交代でやればいいんじゃないかと一度ツバサに提案したが、首を横に振られて『名主として当たり前のことだ。危険な目に遭うのは私だけで十分』とあっさりと答えられてしまったとのこと。そのことがそれだけ責任感と両親が残していった村のことを誰よりも大切に思っている証拠であった。
因みにツバサはこれを朝と夕方に行う。その見回りの時に食糧確保に奮闘しているのだ。
「へえーーお前ソラって名前なんだ」
「ツバサからもらったんです。それに、ツバサは僕のことを家族として受け入れてくれたんです。」
「そっかそっか、それはよかった。確かに姉弟に見えるし、互いに寂しさは紛れるだろ?」
「はい!」
元気よく返事をするソラの様子にリュウは微笑みを返し、それから質問。
「いきなり聞いて悪いが、お前まだ記憶は戻らねえのか?」
「…………ハイ」
一瞬ギクッとするが、冷静に答え、リュウはその返事を聞いてやっぱそうか、と納得したような口調でそう言った。
ソラとしては内心ハラハラであった。もし此処で自分の事情がバレたらこの先続く平穏な生活が失われてしまう。そう思いこみ、決して自分の過去を話さないように決意を固める。
「さて、昼間であいつは戻らねえけど、どうすんだソラ?」
「一応家事をやんないといけないのですぐ戻ります。」
「まあまあ今は少し暗いからもうちっと寛いでいけ。何なら工房で使う道具、見せてやろうか?」
「! 是非!」
リュウの家系は代々鍛冶屋である。
そしてリュウの澄んでいた村には鍛冶屋という職業を営んでいる人間など一人もいなかったので十代前後のソラの好奇心を大いに擽る。
リュウはそれを了解すると早速工房の方へソラを案内し始めた。
リュウの案内してくれた工房は長年使われてきたことを表すかのように黒くススんでおり、それなりに年季が入ってくることを見るだけでも分かった。
リュウの鍛冶は『野鍛冶』と呼ばれる包丁や農具、漁具、鉈、茶道具などを手がけるのが主な仕事で、時にはツバサの家に伝わる大太刀などをごく希に扱う。
そこにある道具は金敷 、入れ槌、 鍛冶屋はし、 火戸 木炭 ふいご 鉄と鋼 鍛接材 やすり(重要道具) 鍛冶屋セン 砥石 仕上台 手万力 などなど子供から見ればまさにすぐに手に取りたくなるような代物ばかり工房には集まっており、しかしリュウはその辺の配慮はしっかりとしており、ソラに見るだけだと忠告をしておく。
「すごい……! 初めてみるものばかりだ」
「まあ街とか言う場所はもっとすごいのがあるらしいんだ。オレのとこはみんなの農作業に使う道具の修理や釣り竿くらいだけど街は武器や盾とかを専門的に扱ってるんだよな〜〜」
そう顎に手を添えて羨ましがるリュウは数秒の間目を瞑った後に、カをソラに向けて開けるとソラはにんまりと悪戯を思いついたかのような顔をし、
「でもツバサさんは村から離れないからリュウさんも此処に残ると?」
「はいはいはいはいはい! ガキはそういうところをツッコんでくんな! 飯にしようぜ飯に!」
頭を掻きむしってそっぽを向いたリュウは若干頬を朱に染めながらも台所へと向かい始めた。その背中を見てソラはやっぱりツバサのことが好きなんだね、と確信しながらも何か手伝えることがないかと思い、その背中を追いかけていった。
朝食を済ませたソラは、リュウに礼を言ってからもう朝日が昇った村へと踏み入れていった。『なんかあったらオレのとこ来いよ』そう言われ、ソラは嬉しかった。
自分を認めてくれる人がもう二人もいる。それが例え自身の過去を伏せていた結果としても、もうどうでもよかった。姉貴肌のツバサと兄貴肌のリュウ。
さながら自分はその二人の上の姉と兄の弟のような存在に既に格付けになっていた。自然と、ごく普通に。
そう、少年が望んでいたモノは既に此処にあったのだ。
「これは?」
「食えんよ」
「ツバサ、こっちは何だたっけ?」
昼、前半の見回りが終わったツバサはソラの待つ自宅へと戻った後、そこで昼食を取り、丁度金具を叩き終えたリュウも誘い、ソラに村の周りの地形とこの辺で採れる山菜や茸について教えながら夕食の分を採取していた。リュウは採った茸をツバサに見せると
「囓ってみればいい、飲み込むなよ」
そう答えが返ってきたので怪訝そうな表情で言われるがままに傘の端っこを少し囓ってみると…………
「ぐはぁっ!!! がっ、辛!! 何だこれ〜〜〜〜〜!」
「ふふっ」
口に入れた途端舌に痛みが奔り、ぺっぺと地面に向かって口に含んだ傘を唾液ごと吐き出したリュウの姿にツバサがクスクスと笑う。
「安心しろ、死にはしない。そうしていれば腹も丈夫になる。」
「ひっ、ひで〜〜〜〜〜」
「いいかソラ、先程リュウが食べた茸の傘の模様には気をつけろよ?」
「はーい、それにしてもリュウさん大丈夫ですか?」
「み、水をくれソラ〜〜」
実際、リュウは鍛冶屋という仕事柄上、あまりこのような遠出には滅多にお目に掛かれないせいで近場の里で食料を確保しているので当然茸の毒の有無などの見分けは付かないのだ。
それを知ってのツバサの悪戯でもあるが。なのでこの機会にリュウにも山菜と茸についての教育が為されていた。
ソラは興味津々でツバサが教えることがらをすんなりと受け入れ、他にも傷薬にも成ったりする薬草や気付け薬の役割をする苦い木の実なども教えてもらった。
途中山の川の水源地帯に入り、そこでこの時期産卵のために上がってくる魚を数匹ほど捕らえ、たき火を焚いて炙ったモノを腹ごしらえとして食べ、また散策を続けた。
夕方、山を降りてきた三人は背中に背負った籠に今回の戦利品を入れ、村へと帰っていった。三人の顔には夕陽が照りつけ汗ばんだ顔を映し出していた。
それから、いっぱい汗を掻いたソラにツバサが『リュウがあるものを用意してくれるそうだから行ってみな』と言い、荷物は持っていってくれると言うことなのでお言葉に甘えて早速行ってみる。
「おら! どうだソラ!! 街にはもっとバカでかいのが存在するらしいがこれでも十分だろ!?」
「…………何これ?」
生き込んだ自慢と呆気ない返事。
リュウが案内してくれた家の中の一室の扉を開けた途端、ぶわっと湯気が視界を覆い、そして少し晴れると何やらやや大きめの円形の湯を張った桶であった。
通常村人は夏場は川などで涼しさを兼ねて水浴びをして身体を洗い、冬場などの寒い時期になるとお湯を沸かしてそれを布などに染みこませて囲炉裏の前で温まりながら身体を擦り洗う。一応湯浴みの習慣はあるがこのような大きな桶があるのは鍛冶屋であるリュウ宅以外でこの村には存在しなかった。
「あれ!? 知らない…………ってそうか、記憶ねえもんなお前。え〜とな、まずは服を脱いでな」
この部屋がどういうモノであるかを知らないソラに丁寧に服を脱ぎながら話すリュウはちゃっちゃと籠に今まで身につけていたモノを全て収めると腰に身体を拭くようの布を巻き、そしてドシドシと湯気だらけの部屋の中にはいるとさっそく桶を跨いでお湯加減を足先で確認、そしてゆっくりと浸かっていくと『ふう〜〜〜〜〜ーー――――……』と長い溜息を付いた。
それから扉の前でこちらの様子を見ているソラに
「ほら、お前も入れよ。お前のために今日わざわざ火をおこして湯を沸かしたんだからな?」
「は、はい! え〜とまず服を脱いで――――」
初めて見る風呂に戸惑いながらも見様見真似で服を脱ぎ、布を腰に巻くと早速湯浴場に足を踏み入れる。ぬくっとした空気が全身を包んでくるのを感じながらリュウが空けたスペースに足を入れると温かい水が迎え入れてくれる。
そしてゆっくりとリュウの隣に身体を移動させてから肩がギリギリ浸かるぐらい沈めるとお湯の嵩が上がり、丁度良くなる。
「あ……温かい……」
「だろ? これで今日の分の疲れを溶かしちまいな。湯浴みはいいもんだろ?」
「はい、すごくいいです。…………眠っちゃいそう」
「寝ると逆上せるから我慢しろよ? ソラ」
「分かりました。リュウさん」
「よし! いい子だ」
ソラの丁寧なモノ言いに若干苦笑いしながらもそう言い、リュウは白い髪をわしゃわしゃと撫でる。 それはまるで弟を褒める兄のように…………いや、実際には子を褒める父親と言った方がこの雰囲気には適任だった。ソラは嬉しそうに微笑み、身体が芯まで温かくなってくるのを感じる。少し頬を温かさで朱に染めながら、やがて肩までドップリと浸かり、顔を半分ほど沈めて極楽極楽と頭の中で念仏のように唱えていると不意に外の風が二人を一瞬包み込み、部屋の中に充満していた白い湯気が全て一定方向へ抜け出していくのが分かった。
「あ? 何だ?」
折角温まってきたのに隙間風の所為で身体が冷えちまう、リュウはそう思い不機嫌そうな口調で言うと風が起こった方向に顔を向ける。同時に風で身を縮み込ませていたソラも顔を半分お湯に浸かった状態でそちらに向ける。そして―――――
「おおっ、中々良さそうな湯加減ではないか? やはり早めに来るモノだな」
「おっほォお!!!?」
凛とした声が響き、リュウは謎の声を上げながらまるでアッパーカットを受けたかのように顔を上に仰け反らせ、丁度肺に唾が入り込んでしまう。
リュウとソラに驚愕の表情をさせた原因はというと開いたドアの向こうには裸一枚に茶色い布を巻いたツバサが胸の前で腕を組み、仁王立ちで湯桶に入った二人をマジマジと見ていたことだった。
「ブゲファッ、ゲハコハガハ!! ………………なっ! なっ! なっ!!? ツバサお前何してるか分かってんのか!!」
「何を? 君たちが上がってくるのを待っていたら湯が冷めるではないか? だからこうして私も参入してきたわけだ。」
「いやいやいやいやいや!! お前女としての自覚を持った方がいいよ!?」
「だが、女という縛に捕らわれていては名主としての務めは果たせん」
リュウが手をブンブンと振って戻るよう促すがそんなので引くわけでもなく、可憐な容姿の少女がとても言う言葉ではないことを淡々と述べるツバサは男の裸など最初から興味がなさそうに足を一歩踏み入れる。
リュウは体温が上がっているのを感じながらも侵入を防ごうとするが、それよりも先にツバサが桶に足を掛ける。
そしてツバサは口をポカンと開けているソラと目が合うと ふっ、と微笑み、それから勢いよくリュウとソラの二人の間に身体を潜り込ませる。
桶の中の液体の体積が増え、お湯がザバーーン!と溢れ、部屋に新たな湯気を作り出す。そして見事に二人の間に入り込んだツバサはほぼ密着状態で湯船に入り、肌と肌が触れ合う所為でリュウは言葉を失い、視線を少し下げた。
「ふ~~~~~―――――いい湯だ…………」
「………………」
「そうだねツバサ。僕初めて入ったよ。」
「だろう? リュウの湯浴み場は村一番だからな」
完全に顔を赤くして沈黙したリュウを他所にツバサはソラの言うことはもっともだと言わんばかりに頷く。
実際彼女は月に1回ほど馴染みとしての関係のリュウから提供してもらっており、それ以外は自宅などで湯浴みなどは済ませている。
そして何を思ったのか、悪戯の思いついた子供のような表情になったツバサはヌッとまず左にいるリュウに左手を伸ばし、そして右で温まっているソラに右手を伸ばすと
「それっ!」
「うわァっ!?」
「わっ!」
リュウは右方向に、ソラは左方向に頭を寄せられるとツバサの頬が触れ合うような感じとなり、それから二人の首に腕を巻き付かせると胸に抱え込むように頭を押し付ける。リュウはこの状況にボンと顔から湯気を出し、ソラはツバサの謎の行動に少し動揺するがすぐに目を左に動かして顔を見つめる。
「ははっ、何だか楽しいな今日は! 久しく他人と連んで山に入ったからかもしれんからかな?」
ツバサが二人を抱えたまま楽しそうに微笑むと、二人の頭にすとんと顎を乗せて
「お前達が居てくれて嬉しいぞ。今日ほど楽しいと思ったことはない」
「お~~い、それってオレじゃあ今ひとつだったってことか?」
「まあそうなるな。ソラがいて初めて大いに楽しくなるんだ。」
「だとよソラ。お前の姉ちゃん楽しいそうだ」
「みたいですね。」
ツバサの腕に納まりながらも、ソラは楽しそうに笑ってそう答えた。此処に来て、初めて大きく声を出して笑った。その笑顔にツバサもリュウも釣られて笑う。そんな、傍目からは仲のいいきょうだいのように、息子の笑顔に誘われた両親のように、楽しそうに笑った。
それは―――――
少年にとって味わったことのない気持ちだった……
初めて他人から認められたような、そんな不思議な気持ち。
自分と同じ容姿を持つ少女。嘘偽り無く容姿など気にせずに少女に想いを寄せる青年。
ツバサとリュウ、それは姉と兄のような存在、又は母親と父親。
この二人に出会えて、本当によかった。ソラは心からそう思った。この二人となら、うまく暮らしていける。そう確信した。此処が自分が居て良い居場所。
そんな今日のわざなしを終えた三人を、湯気が抜け出ている木組みの窓から、月は何時までも、優しく照らしていた。
そう、少年は何時までもこんな素晴らしい生活を過ごすことができると思っていた。
そう、何時しかツバサの弟として、村全体に受け入れられるようになってから、そう思っていた。
だが、少年は後悔する。言っておけば、こんなことには成らなかった。
言っておけば、或いは二人は気にせず、長く過ごせたかもしれない。
―――少年は、後悔をする―――
っというわけで遠景4投稿完了です。
え? 何で後書きにそんなことを書くかというととうとう次話でこの大戦に決着をつけようと思ったからです。
さぁて、とうとう山場を終え、全てを話すときが来たようですね!
次回、『終焉』。
~少年は、人としての幸せが欲しかった~
世界を巻き込んだ四百年前から現代へ、ソラに起こった悲劇とは? ユキナとツバサの関係は? 開眼とは何か? 紅碧鎖状ノ太刀とは一体?
そして………護熾の生死は!?
おそらく次回は書きに書きまくるので相当長くなる、予感!(?)
最近一週間に一話上げている感じになっているので今回もそれくらい掛かると思いますが(かと言って今回は一万文字いってないし(大汗))、次回では最終回ではないのでそこだけ承知して下さい。
それでは! また後書きで会いましょう!! ではでは~~