第3話 オムライス
卒業式の翌日、特に予定もなく昼過ぎまでベッドから出ずにごろごろしていると僕のスマホが鳴った。
床に落ちていたスマホを目一杯手を伸ばして取り、眠い目を擦りながら画面を確認すると数馬からメッセージが届いていた。
「優、今何してる?」
「ずっと寝てたわー」
すぐに返信が来て
「13時から匠と中山公園でキャッチボールしようと思ってるんだけどさ、優も来ない?」
「わかった、行くわ!」
時刻は12時25分。やっとベッドから起き上がった。
家には誰もいなく、リビングのテーブルの上に
「お昼は冷蔵庫にあります」
とメモが置いてあり、冷蔵庫を開けるとオムライスがあった。
電子レンジで温めてる間にテレビをつけると、今日は平日で普段は学校なので観ることのできない番組がやっていた。
ちょうど好きなアイドルが出ていたので、オムライスを電子レンジから取り出し、それを食べながらテレビ画面を見つめていた。
偶然、テレビでもオムライスが出てきた。
東京のお洒落なお店のオムライスらしく、たまごがふわふわトロトロで、僕が食べているものとはまるで別の料理のようであり、とても美味しそうである。
もちろん、母の作ったオムライスも美味しく、僕の好物である。
いつの間にか12時50分になっているのに気づき、急いで食べ終え、ジャージに着替えた。
父に買ってもらった、中学の3年間、大切に使った、所々ボロボロにはなっているが思い出の詰まった黒色のグローブを持って自転車を漕いで中山公園に向かった。
10分後到着すると、数馬と匠がベンチに腰掛けて僕を待っていた。
僕を見つけると2人は立ち上がり、グローブを手にはめ、ぐるぐると肩を回しながら散らばり、3人で三角形を作るように位置取った。