越えるべきもの。
越えてゆくもの。
越えるべきもの。
遠いが対決しよう。
吾はこの村を出る。
一人旅、というべきか。
いや、同じ道を行く連れがもうひとり。
その者のほうが、吾より数段過酷な旅の道を行くのであろうが・・・。
その者と吾は、とある神殿で知り合った。
その森のなかで、
吾はいつしかその者の背を追うようになっていった。
いつも・・・いつも・・・日毎・・・夜毎・・・。
その者は、時に白く光々と輝き、
またある時は黄金の閃光を放った。
いつしか吾は、その者と体の呼吸を合わせられるようにまでなっていった。
なんという強心臓なのだ・・・。
なんという命の煌めきなのだ・・・。
その者にもともと備わっていた生命の美神が、吾をとりこにさせた。
そう。
その者は、美しかった。
時に、まぶしささえ感じた・・・。
吾は一生涯の魂の追従をその者に誓った。
ともに、果てなき旅をしようと。
・・・これは、いつ朽ち果てるともわからぬ身であるがゆえの、
我が魂の精一杯の手向けだ。