同じ思いを共有する二人
今日は小春さんに付き合ってもらえていい買い物ができた。
まずは水着、それに小春さんがオススメしてくれたカッコいい服、あと海に行く時の日焼け止め。
でも小春さんはもっといっぱい買っていた。
私はそれを見て中学生と高校生の差を感じた。
どうやら小春さんは家の近くの焼肉屋でバイトをしているらしい。
小春さんの働いている姿を見てみたかったが、焼肉屋なんて高くて中々行けない。
だから諦めるしかないだろう。
それはいいとして、買い物をしているとあっという間に時間が過ぎてしまい、お腹も空いた。
だから小春さんとフードコートで夕食を食べる事になった。
「千佳ちゃんそれ一口ちょうだい」
「いいですよ」
小春さんはそれを聞くと口を開けて待つ。
私は口の中に一口サイズに切ったステーキを入れる。
すると小春さんは頬を押さえて美味しそうにしていた。
「はい千佳ちゃんお返し、あーん」
私もそれを聞いて口を開けて待つ。
待っていた口の中にご飯と海鮮の旨みが広がっていく。
イクラとマグロの味がした。どうやら小春さんは1番美味しいところを食べさせてくれたようだ。
「美味しいです、ありがとうございます」
「私って幸せ」
小春さんはなぜだか嬉しそうにしていた。
優しくてかっこいい小春さんでも時々よく分からないことを言う。
でもそれは嫌な事ではないので分からないなりに喜んでおく。
小春さんとの楽しい買い物も終わり家に帰り着いた。
「小春おかえり、ご飯どうする?」
「お母さんただいま、ご飯は外で食べてきたから大丈夫」
私は帰って来てからお母さんと軽く話して部屋に戻った。
部屋に入ると私は今日買った水着をもう一度着てみる事にした。
小春さんを疑うわけではないが私には本当に似合っている自信がない。
着てみるともちろんサイズはピッタリで、デザインもとてもかわいかった。
そこで私はある事に気づいた。
それは似合っているかが気になるのではなく、早く凌平に見せてどんな反応をしてくれるのかが気になっている事だ。
もちろん水着姿を見せるのは恥ずかしい。
でもそれよりも凌平に見せた時の反応の方が気になってしまう。
ていうか私こんな格好で何考えてるの?なんか自分が自分じゃないみたい。
誰かに服(水着)を見てほしいなんて今まで思った事もなかった。
こんな気持ちは初めて。
でも嫌な気持ちではない。
少し苦しいけど…なんだろう?
もうそこまで分かっている気がするけど、どうしてかいつもこの先が分からない。
でもこれは悩みで頭がいっぱいというよりは、胸がいっぱいと言うべきだろう。
凌平のことを考えしまうと海に行くのが待ち遠しいくなってしまった。
「いやー、今日楽しかったなぁ」
「それはもう分かったから早く俺の部屋から出て行ってくれ」
「もう、釣れないなぁ。もう少しお姉ちゃんの相手してよ」
もう少しっていつまでだよ!
この調子でかれこれ1時間は俺の部屋にいる。
帰ってからすぐに俺の部屋に来て今日は楽しかった、それだけをずっと言い続けている。
なんで姉というのはこうも身勝手なのか。
ていうかこんなところ誰に似たのか、父さんはもちろん母さんもここまで身勝手ではない。
それに何か話すことがあるなら部屋に居たって良い。
でも用もなくずっと居座られるのはハッキリ言ってウザい。
でもウザいなんて口が裂けても言えない。
そんなことを言うと余計に滞在時間が伸びてしまう。
姉貴の俺に接する時の軸は、俺への嫌がらせだ。
だからウザいなど告げれば余計にその行動をする。
だから俺は姉貴に本音を言えない。
でも何かは言わないとこの状況は絶対に変わらない。
「もうイイや、部屋に居ても良いから俺風呂入ってくる」
「はぁ!何言ってんの?ダメに決まってるじゃん」
何なんだよ本当に!
自分は部屋から出ないくせに、俺も部屋から出さないなんて俺詰んでるじゃん。
「あんたは後30分は話を聞くの、分かった?」
「はい」
俺にはこの状態の姉貴に対抗する術を持っていない。
だから後30分我慢する事にした。
正直言って時間の無駄だが、どうする事もできない。
だから仕方ないと受け止めるしかないのだ。
ー30分後ー
「あのそろそろ30分経ったんですけど?」
「あっごめん話し出したら止まらないから後ちょっと」
ー20分後ー
「あのそろそろ…」
「あっごめんもうちょっと」
ー10後ー
「本当にそろ…」
「ごめんもう少し」
ー5分後ー
「おい!いつまで続くんだよ!」
「仕方ないなぁ、お姉ちゃんのありがたいお話は終わろ。じゃあね」
姉貴は何事もなかったかの様に部屋を出て行った。
俺からしてみれば迷惑でも姉貴には関係ないのだ。
あの人は自分が満足いくまでは絶対に引き下がらない。だからめんどくさいのだ。
でもそっか、今日千佳と買い物行ったと言う事は水着も買ったのだろう。
姉貴の話はウザかったが、千佳のことを聞けてそれはよかった。
俺は水着を買ったことを意識して、どんな物を買ったのか気になったしまった。
海に行く日が待ち遠しい。
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