プロローグ なぜかここに来てしまった‼
「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」
武田信玄は、今、戦陣の途中の信州の伊那にいた。必死に胃癌と戦いながら、だが、
(もう…無理そうじゃ…)
と、思い、そばに座って心配そうにしている小姓の方に、
「ごほっ…ごほ‼」
と、咳をしながら体を向けて。
「弥七郎よ、もう儂は無理そうじゃ…」
と、言った。すると弥七郎は、
「そんな…そんなぁ‼」
と、武田信玄の眼を悲しそうに見た。すると武田信玄は、
「我が愚息、武田勝頼を呼んで来い、」
と、ガラガラな辛そうな声で言った。その言葉通りに弥七郎は武田勝頼を呼んだ、すると、
「父上、お呼びでしょうか?」
武田勝頼は急いで参上した。それを見て武田信玄は、
「二つ、言い残す事がある…儂の死は三年隠せ、そして、もしもの時は上杉謙信を頼れ…後は頼んだぞ。」
と、言って横になり、
「父上‼父上‼」
「上様‼上様ぁ‼」
と悲しむ二人の声を聞き取りながら。
(思えば、改革に勤しみ、好きな事すらやれず、忙しい日々であったな…結局、我が人生とは何だったのか…未だに…わからぬものじゃな…)
と、思い、ゆっくりと目をつぶった。すると武田信玄は、
「何じゃあ?この視界に見える煙は…」
そう、煙が発ち籠っていた。その煙が消え、視界が晴れると、武田信玄は、ある’異変’に、気付いた。それは、
「ここはどこじゃああああああああああ‼」
そう、住宅街や店が並んでいて。周りには公園が見える、武田信玄がいた戦国時代とは全く違う風景が見えたのである。そう、武田信玄は現代に来てしまっていた‼
どうも、砂です、ついに…ついに新しい小説が始動しました‼毎日連載を頑張りますので、応援をよろしくお願いいたします‼