7.⭐︎
「ね、寝てたんじゃ……っ!?」
掴まれた腕を引かれて、リリアナは気づけばベッドに膝をついてライトの腕の中にいた。
「ねぇ、俺が浮かれてるって気づいてる?」
「え? あ、まぁ、それは何となく……」
ライトらしからぬ豪遊に滅多に見ない酒まで飲んでいたのを、耳元で囁かれた言葉にリリアナは思い出す。
「9年間、ずっと逢いたかった」
「……っ」
話はしてたんだけどな。なんて笑うライトに、リリアナは顔を上げられない。
「消えそうで心配だからこのまま寝たいけど、何もしない自信ないから隣の部屋のベッド使ってくれ」
「あの、ちょ……っ」
「……緊張し過ぎて酒飲まないとやってられなかったけど、飲まなきゃよかったなーー……」
「……っ!!」
うわ言みたいにかすれた声で囁かれて、リリアナの胸がきゅうと締め付けられた。
ぎゅぅと抱きしめられて、額にキスを落とされて、その匂いと温もりにリリアナは瞳を強く瞑る。
ーーもう、だめだ……っ
「ライト」
その服を握って強い腕の中で背伸びをすると、リリアナを見下ろしていたその唇にそっと触れる。
と思ったら、そのまま頭に手を回されて有無を言わさない力で引き寄せられた。
「んぅ……っ」
脊髄から脳までを駆け巡るような感覚にリリアナの身体が震えた。
口内に滑り込む舌に涙が滲み、息継ぎができなくてその服を握りしめれば、もっと深く奪われる。
「ライ……っ」
思ってたよりも余裕のなさそうなライトの表情に胸が疼いて、少しだけその舌に応えたのが間違いだった。
ボスんとベッドに沈められて、覆い被さってくるその鍛えられた身体をリリアナは小さくなってそっと見上げる。
「……警告はしたからな」
「……え?」
どう見ても目が据わっているライトに、リリアナはピシリと固まる。
「……もう無理。ぜったい無理。限界」
「お、おう……っ」
1人でぶつぶつと唸るライトにどきどきして、視線を揺らしたリリアナが赤い頬にそっと伸ばした指先を、がぶりと噛まれて目を見張る。
「んえっ!?」
「……酒……入ってるけど、いいのかよ……?」
眉間に力を込めた真っ赤な顔で、この期に及んでもそんなことを聞いてくるライトに目を丸くすると、リリアナは思わず破顔した。
「ほんと、どんな精神力してるんだよ」
こんな状態でも何かを感じ取れば、きっと我慢をしてくれるんだろうと思えるライトを、好きにならない方が無理だと諦める。
「ライトは私の光だったよ」
この9年間は、ずっと、ずっと、辛かったけど、寂しくはなかった。
「大好き」
ライトの首に腕を回して唇を重ねる。そんなリリアナの背を支える腕は、相変わらずひどく優しかったーー。




