質問、其の一
えーガイム先生の亜種講座に続きまして、どうやら俺は名前も知らない女性から尋も...ゴホン、ゴホン。
質問攻めをされるらしい。...誰かタスケテ。
「...あー...えーっと...」
「マーシャルだ。ゲン・マーシャルと言うよろしく。」
「...如月幸村です。よろしくお願いします。」
「ふむ。聞いたことがないような姓を持っているな...。」
「あのーところで質問って...」
「ああ、その前に一つ。」
「はい?」
彼女は立ち上がり腰に手を当てる。
そうしてすぐに俺は首になにか冷たいものを覚えた。
「...冗談ですよね?」
「そう見えるかい?」
「...逃げませんよ。」
「理解が速くて助かるよ。」
いやはや、言葉だけで穏便に...なんて思ってたが結局は対等にはいかないのか...トホホ...。
「それじゃあまず始めの質問だ。君の出身を教えてくれ?」
「出身...」
さて、一つ目からなんとも日常的に出てくる質問だが、今俺がもっとも触れられたくないことの一つ。”お前はどこからきたのか”を聞かれてしまった。最悪だ。
正直この回答次第で早速俺死ぬかもしれない。
——ルート一、正直に話す。
「俺は日本国と言う国出身で、この世界には異世界転生してきたんだ!」
「そうか、頭おかしいようだな、死ね。」
You died.
うん。ダメだ。
——ルート二、運頼みで適当言う。
「俺はトウキョウ国出身だ。」
「何?そんな国など存在しない。嘘をついたな。死ね。」
You died.
うん。これも結局死ぬ。
——ルート三、土下座して謝って助けてもらう。
「ごめんなさいごめんなさい!実はかくかくしかじかで...どうか!命だけは!」
「ほうほう...事情はわかった。それならば手伝ってやろう。」
...これは論外だ。俺は腐ろうがどうなろうが武の道を行く者。何もしないで安々と頭を下げるなどただの論外でしかない。
...そうだな。俺は武道の人間。死の軽さなど腐人に襲われた時に思い知った。
それなのにここで日和る?ざけんな。んなことぜってぇできねぇ!
だから...俺の答えはこれしかない!
「俺は地球と言う星の日本国と言う場所出身で、この国には異世界転生来た。」
「...異世界転生...だと?」
「ああ、ふざけているように聞こえるかもしれないが大真面目だ。」
「......」
「...」
「......」
「...」
...ああああああ!気まずい!めっちゃ気まずい!ただでさえ何考えてるかわかったもんじゃないのに沈黙は無しだろ!俺勇気出したよ!?頑張ったぞ!?なのにそのアンサーに対して沈黙!?うおおおおお!空気が重い!空気が重いぞおおおお!殺すなら早く殺してくれ!頼むから!
「...その言葉信じよう。」
そう言い大きなため息を一つついたマーシャルは、剣を収め、席に座る。
「やっぱ信じてもらえ....え?まじで?」
「なんだ?嘘なのか?」
「いやいや、嘘じゃないですけど...まじで信じてもらえるとは...」
いや、本当に驚きだよ。こんなにもあっさりと関門を突破できてしまうとは...
いや、まだわからない。もしかしたら俺はただ舐められてるだけなのかもしれないし。気を緩めるわけにはいかん。
「信じるも何も、前例があるんだ。それも随分も前の話だ。君ぐらいの年齢でそのような文が出てくるわけがない。」
「前...例?」
「ああ、私も物語の中でしか知らない存在なのだがな。二百年前、最初の魔王。言うなれば第一魔王。その存在を討伐した者、最初の勇者、第一勇者も異世界転生をし、この世界に降り立ったとされているんだ。」
「俺の他にもいたのか...」
今の話だけで、疑問や驚きが沢山あったが...とりあえずはその第一勇者さんとやらと、俺以外にも異世界転生者はいる可能性がある...もし会うことがあったら色々と話してみるとするか。
「さて、君の出身については理解した。次の質問に行こう。」
「了解です。」
さーて”どこから来た”のかと言う関門は突破した。流石に次はきっと...
「君は私についてどう思う?」
...ココハジゴクデスカ?




