深炎眼
お久しぶりです!最近全然投稿していなくて本当に申し訳ありません。
こんな投稿怠け者ですがゆっくりとでも投稿は継続していくので気長に待っていただけたら幸いです。
俺は左目を閉じ、また開けまた閉じる。
やっぱりだ。右目だけを開いてる時だけ視界が全く違う。
....見える。分かる。
知らないはずなのに理解している。この亜種の力のことを。彼女と戦える術を!
「少年.... 右目が........赤い?大丈夫なのか?」
「赤い...そうですか。ありがとうございます。すみません。ありがとございます。」
赤眼か....まあ充血って言えばなんとか.....いや、そんなことはどうでもいい。
今はこの力を試したくてしょうがない!
「....マーシャルさん。もう一度俺と手合わせ願えませんか?」
おそらく彼女はこの提案を受け入れてくれない。
彼女はボロボロな状態で勝負を挑んてくる者をボッコボコにするほどド畜生じゃない。
俺はこの力を今ここで試したい
そのためだったら土下座でも何でもしてやらぁ!
「分かった。その提案受け入れよう。」
うん。やっぱり一回じゃだめ......
「..........え?」
え?え?まじ?まじですかマーシャルさん。本当に一回で了承するんですか?いや....まあこちらとしてはとぉーっても嬉しいんですけど.....なんと言うか....拍子抜けなんですけど....。
いや、全然良いんですけどね?でも...もっとこうなんか数回のやり取りがあってやっとの思い出了承してくれると思ったから.....。
「その提案を受けようと言っている。ただし一回だけだ。すぐに終わらせて治療するぞ。」
見体の心配もしてくれて要望も叶えてくれる良い人の言葉のようにも聞こえるが
速攻提案を受け、そしてちゃーんと氷剣を構え俺が向かってくるのを待つその表情には
さっさと終わらせようという表情の中に「一撃で鎮める」というやっべぇ考えが混じっているように見えてとてもとても怖い。
「早くこい。」
「あ、はい。」
まあ彼女がどうであろうこの亜種の力を試せる絶好の機会が出来たことにはなんら変わりはない。
あわよくばこの力でマーシャルさんに膝をつかせてやらぁ!
俺は立ち上がり木刀を拾い上げ、深く深呼吸を一回し、しっかりと正中線に木刀を構える。
そして俺は斬りかか.........らず、その木刀をマーシャルさんの脳天に向けて全力投球した。
彼女はその行動に「頭おかしいのか?」というような言葉を具現化したような表情をしたが、すぐに冷静さを取り戻したようで、瞬間で氷剣で木刀を弾き落とす。
この間約1秒。文字通り瞬き一回分の瞬間である。
俺は木刀に気がそれているその一瞬で彼女に接近し、顔面に向け右足で上段蹴りをいれる。
しかし彼女の人間離れした危機感知力はその攻撃を察知し、人間離れした反応速度がその足が顔面へと着地する前に空いていた左手で逃がすまいと隙だらけの足の足首をしっかりと掴み、そのまま王座の間の扉がある前方へとこれが野球だったらプロの中でも上位に入るんじゃないかぐらいのスピードで球ではなく人間の俺をぶん投げた。
先ほどまでの俺はこのまま壁に衝突して永久退場で終わりだった。
しかし今の俺は先ほどまでの自分と別人のように違う。こんな淡々と言っているが勿論一番自分が驚いている。
頭では理解してたが今こうやって見て色々分かったことがあった。
まず木刀をぶん投げた時や、その後の先ほどまでとはまるで違うスピードで接近したように、身体能力が元の何倍も良くなっている。
元々体育祭でのリレーでアンカーを任せられるほどだったし、運動神経は良い方だった。
しかし結局は常人の中での程度。マーシャルさんように人間離れした超人とは雲泥の差であることは明白だ。
しかし今は雲泥....天と地から天と東京タワーの頂ぐらいの差になった気がする。
「....それでもすっげぇ差だなわ。」
ってそんな事言ってる場合じゃねぇ。このままじゃ壁にぶつかってペシャンコだ。
俺は壁に激突する前に空中で回転し向きを整える。
そして全身が壁にぶつかる前に両手を壁につけクイックターンをし、勢いによる衝撃を緩和し流れのまま壁を思いっ切り蹴ることで投げ飛ばされた時の速さよりも更に速い速度で彼女の元へダイブする。
しかし彼女は驚いた様子もなく涼しげな表情で暴走列車のように接近してくる俺に剣先を向ける。
そしてなんとボーナスで『氷弾』の追加までしてくれる。やったね!
.....うん。もしかしなくてもこのまま突っ込んだら俺はただの的になって、針地獄顔負けの貫通力で串刺しになるね。
この弾幕を全部避けたとしてもこのままの軌道で進んだらマーシャルさんの剣にぶっ刺さって串刺しになる。
だからこの二つをどうにか回避しないといけない。
だがしかし!
この亜種の力は単純な身体能力の強化だけじゃない。と言うより身体強化はサブ、おまけ見たいな物だ。
どうやらこの亜種の本質はこの赤色の目、名を”深炎眼”と言うらしい。
まあなんとも大層な名前だが名前を変えようと考えると頭がアレルギーかってぐらいの拒絶反応を出すし、
性能もただの視力強化ってだけなわけじゃないので受け入れるしかない。
「ま、実用するのは初めてなんだけどね。」
そうこうしている内にいくつもの『氷弾』が俺に向かって飛んでくる。
来た。
俺は左目を閉じ、右目に意識を集中させる。
するとマーシャルさんの開放していない状態の"気"がはっきりとこの目に映る。
それだけじゃない。
"気"だけじゃなく詳しいことは知らないが亜種の力のエネルギー?のようなものも見える。
『氷弾』が纏っているものと『氷剣』は纏っているエネルギーは同じものだ。
ここに強化された視力で動きを読み取り、強化された身体能力で実行する!
「さっきのようには行かねぇぞ!」
俺は直線的向かってくる弾幕を華麗に回避し、最後の一弾の側面を思いっきし蹴り、そのまま一回転し着地する。
彼女は少し口角を上げ嬉しそうな笑みを浮かべる。そして休む暇も与えまいとすぐさま技を繰り出す。
「『氷檻』」
俺の上空に氷の檻が一瞬で形成され、俺めがけて落下を始める。
俺はすぐさま前転をし檻の範囲外に出る。
転がった方向には先程弾かれた木刀があり俺は木刀を拾い立ち上がり構えをとる。
攻撃をある程度分かるし身体能力も前の比にならないくらい強くなった。
だが"気"が見れるようになってはっきりと分かった。常人にも見えるレベルに"気"を開放した時に見えた量も莫大だった。あの時も彼女は全く本気を出してなかったのだろう。
そして今俺の目の前にいる彼女が開放している"気"はその時の半分にも満たない。
つまり、今の俺でも足元にも及ばないということだ。
勿論だからと言ってまだ降参はしないがな。
俺は前進し、彼女に斬りかかる。彼女はそれを受け止めるとすぐさま攻撃に転じる。
彼女は連続攻撃は一撃一撃威力が低いという常識を覆すかのように一撃一撃が致命傷級の連続攻撃を繰り出す。
「チッ!」
上段、下段、回転斬り.....剣技だけで大量の手数を持つマーシャルさんの攻撃を歯を食いしばり回避や木刀での防御でなんとか持ちこたえる。
「はぁ....はぁ....。」
息が荒くなる。今の数秒間でここまで体力を持ってかれるのかよ....。
正直気を緩めたら一瞬でボコされる。
どうしたもんか...——!
思考を巡らそうとしたその時俺はふらつき体勢を崩しかける。
「あっぶ——いぃ!?」
彼女は俺の隙を見逃さずすぐさま攻撃を仕掛けてくる。
なんとかこれを回避するも完全にバランスを崩して倒れてしまった。
そんな俺に彼女は躊躇なく目の前に剣を突き立てる。
「....降参です。」
「よろしい。」
彼女は息一つ切らす様子なく俺の白旗宣言にぶっきらぼうに答えると剣を収める。
いやぁまさか敗因が出血による貧血でのめまいとは...カッコつかねぇなぁ。
「満足か?」
「..........はい。」
満足なわけない。もっと試したかったのもあるが、あんな無様なオチ晒しておいて納得いかねぇよ!.........でもマーシャルさんの視線が痛い。痛すぎる!
これ以上はやめろよ?と目が主張している!これに逆らえるわけがない!
「動くなよ。今傷を治す。」
そう言い彼女は再び俺に剣先を向ける。
え?傷を治すって殺して傷からの開放とかそんなこと言いませんよね?
いや...マーシャルさんは殺さないと言った。だとすると本当に治す手段が?
「『氷膜』」
すると今までのゴリゴリに殺意のこもった強力な氷ではなく雪景色を彷彿させる細やかで透明感に溢れ見とれてしまうような氷の小さな粒が体中の傷口へとくっついていき、最終的に傷口が氷でコーティングされた。
「これは....?」
少し警戒した口調で彼女に問うた。
「安心しろ。『氷膜』は先程までの氷とは違う。」
と俺が警戒心を組み取ってか、彼女は何度見ても見とれてしまうような氷の粒を剣先からもう一度発生させ、それを俺に見せるように近づけ、説明を始める。
「私の亜種は基本固く攻撃性の高い氷を生成し、それを自在に形成しそれを操る力だ。勿論応用として小さな氷や雪、そのどちらも掛け合わせた雪のように柔らかく小さな氷の粒を生成することもできる。」
いや、戦っててどんな亜種なのかは大体分かってたけどそれを言葉にしてもらうだけでそのチートさがよく分かる。
そもそもただ氷を生成するだけでなくそれを形成、操作まで....そして素のスペック.......笑っちまうよ。
「氷膜は時間こそかかるが、傷口を完全に塞ぎ氷が溶けて行くと同時に体と一体化していき、溶け切った時には完全に体馴染み傷跡は残るが完治する物だ。」
「へ、へぇ....」
亜種の力に理屈なんてことを考えるのは今後一切やめようと思った。




