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刀剣の終  作者: 如月初代
〜始物語〜「ドリスワン帝国」
11/14

ドリスワンの頂点

「さて、本題に戻ろう。刹那が魔王であることは言ったよね。」


「はい。」


刹那...あの少女は魔王。俺は魔王を倒さなくちゃならない....いくら人間と相反する存在だとしてもこの手であの幼い少女を殺すとなると....やっぱ気が引けるよなぁ...。


「しかし彼女は魔王であり人間でもあるんだ。」


..........人間?........魔王って人間がなれるものなのか?彼女の口ぶりからして特異(イレギュラー)な存在であることは確実だろうが....彼女は人間でありながら魔王の立場にいると言うことか?


「彼女は....どういう存在なんですか?」


「彼女は....そうだな。言い方が難しいが.....人間である刹那の中に魔王である魔物の魂がある....と言えばわかるか?」


....なんじゃそりゃ。同じ体の中に違う魂が二つ入っているってこと....だよな?俄かには信じがたい話だが....もし....もし俺の考えが正しくて、刹那の中に魔王がいるように俺の中に羅仙がいるとすれば...俺は羅仙と接触している.....なら刹那の中にいるということも納得できないこともない......。


「まあ......なんとなくですけど....」


「そうか。理解が速くて助かる。」


まあ.....そこら辺の事情は少しばかりですが理解したんですけど.....結局は俺にどーしてもらいたいんですかねぇマーシャルさんや。俺は結局どないしたらええんですか。


「で.....マーシャルさん。俺はどうしたらいいんですか?」


「君には.....刹那、......そして()()()()()()()()()、そしてその他の魔王の魂の回収を頼みたい。」


「....魔王の....魂?」


てか刹那の中にいる魔王の名前すんなり言ったけどヘブンズって名前なんかい。


俺は困惑した表情になるが彼女は揺るがぬ瞳で俺を見つめている。


「そうだ。ここにいる刹那の中に眠る魔王ヘブンズの他に魔王は六人いる。君にはその全員の魔王の魂を回収してもらいたい。」


「回収って.....」


おいおい俺の目的は魔王の討伐だぞ?回収って言われても....


「無論魂だけを持ってくることなど不可能だ。だからその魂が宿った者を集めてほしい。」


何?ドユコト?魔王達を引きずり集めろってことすかぁ?....いや魂が宿った者....何?魔王ってじっとしてられないの?そんなひょいひょい自分の体以外の肉体に宿るもんなん?こっわ。


「.....なんだその凶悪な見た目をした醜い魔物を見るような目は。」


あれ?やっば。顔に出てたのかよ。.......クッ、ここで黙ったらクソ気まずいのが確定する。正直に話すか。


「いや。ただ魔王の魂ってそんなひょいひょい肉体の宿主を変えるのかなって。」


「そんなわけないだろう。魔王の肉体は一つだ。」


「じゃあなんで魂が宿る者なんて言い方を...」


「輪廻転生のようなものだ。刹那の中にいる魔王ヘブンズは一度死んでいる。肉体は朽ちてもその魂の力は強大だ。この世に新たに誕生する新たな生命の肉体に入り長い時間をかけその肉体を支配する。」


「.....まじかよ。」


言ってる意味はよく分かる。いくら俺でも輪廻転生の意味ぐらい分かる。....俺も似たようなもんだし。

てか魔王死んでるのにまた復活するってことか?じゃあ俺魔王討伐しても意味なくね?

....ん?待てよ?マーシャルさんこんなにも魔王について詳しいけど前例があるってことか?だとした討伐しなきゃいけない魔王減るけど....世界から刹那みたいな人を最低でも1人以上見つけるの?まじで?

いや、まて。焦るな。ここはしっかり聞こう。


「マーシャルさん。魔王について....詳しいですけど....他の魔王ももう死んでたり....?」


俺の質問に彼女は一瞬とても驚いた表情をしたがすぐに綺麗なポーカーフェイスに戻り質問に答えた。


「....分からない。私が()()()()()()()()のは刹那のことだけだ。....いずれ分かるさ。」


「....そう....ですか。」


俺はマーシャルさんの言葉に少し引っかかりつつも頷いた。


「....さて、他に何も質問がないのなら早速動こう。」


「動くって....何をするんですか?」


「来てくれ。」


「....はあ....」


また移動ですかマーシャルさん。移動がちょーっとばかし多いんじゃないですかぁ?できるだけ一箇所でやりましょーよ。


そう思いながらも逆らう理由もないので黙って付いて行った。












「そこで止まってくれ。」


....どこ行くかと思ったら王座の間の前の廊下ですか。それにしても扉ばっか見ててあんま来にしてなかったけど結構この廊下もでっけぇなおい。廊下なのにまるで体育館だぞ。

そして.....なんであの人は俺を王座の間の扉の前に立たせてそーんな遠くへ行くんですか。


「よし....準備はいいか?」


うおーひっれぇから声がよく響く。.....ん?準備?何の?

........アッレェ?ナンデケンヲヌイテイルンデスカ?


「私は今から君を殺す気で君に斬りかかる。」


「.....は?」


「君は私に膝をつかせれば勝ちだ。」


「え?ちょ....何言って...」


「説明は後でする....本気でやらないと死ぬぞ?」


その時俺は腐人(ゾンビ)に殺されそうになっと時のような明確な"死"を全身で感じた。さっきまでの彼女の目を例えるなら下等生物を睨む蛇のような感じだ。しかし今の彼女の目は全てを蹴散らし破壊の限りを尽くし、獲物を圧倒的力でねじ伏せ捕食する......まさに竜のような目をしていた。


俺の表情は一瞬にして引きつり彼女が冗談ではないと理解する。

そして木刀を構えようとした時、彼女の姿は先程まで立っていた場所にはなかった。消えた.....いや、彼女は俺の目の前立ち、その剣を俺の頭部目掛けて振り下ろしていた。


俺はその状況を理解する前に脊髄反射で頭を下げその攻撃を避ける。

そして何が起きたか理解した俺はすぐにバックステップをし距離をとり、木刀を取り出し構える。


「.....へぇ。いったと思ったんだけどなぁ....やるね。」


「.....どーも。」


別人だ。さっきまでのマーシャルさんはクールキャラで喜怒哀楽も分かりづらかったがこれは目の前の獲物だけを見て、それを確実に仕留めようとするバケモンだ。

今の一瞬の出来事だけで冷や汗と震えが止まらない。力の差は歴然。避けられたのも運が良かっただけだ。何回も避けられる保証はない。


じゃあ攻撃を仕掛けるべく接近するか?いや、その選択はただの自殺しにいくようなもんだ。

彼女が纏っている鎧はどう見たって二十キログラ厶以上はある。それなのにあのバケモンは目にも止まらぬ爆速での移動ができる。それがシラフの状態なのか亜種の力なのかは分からないがどっちにしろ規格外のやっべぇ人なのは分かる。....もしかしてこの世界人達ってみんなこんな強かったりするのか?

いやいや.....そんなまさか....ね。


「どうした?もう怖気付いたか?」


彼女は少し口角を上げニヤけながら語りかけてくる。


「....そんなわけ....ないですよ。」


嘘だ。精一杯の強がりだ。どうする....このままだと真っ二つになって死ぬ...逃げる....無理だ。俺の後ろには扉。開けている時に真っ二つだ。じゃあもう覚悟決めて突っ込む....馬鹿馬鹿。相手はレベル1のCPUなんじゃないんだからそんな............いや待てよ?マーシャルさんは規格外のバケモン級に強い....でも彼女も人間だ....

でも....いや、このまま何もしない死ぬなんて御免だ。.....賭けるしかねぇ!


俺は華麗なクラウチングスタートをし、彼女の懐まで接近した。

このまま木刀で打撃.....そうじゃない。その動作の間に叩き斬られる。

だから俺は頭を使った。成功する....なんて確信は全くもってないが......しかし彼女も人間!心理戦を仕掛けるしかない!勝負は一瞬!ミスれば即死!成功すればなんかできる!


俺はわざと横に大きく木刀を振りかぶり、左側に大きな隙をつくる。当然これには彼女も反応する。

これで終わりじゃない。

更に視線を木刀をぶつける一点に集中し動きをわかりやすくする。

マーシャルさんほどの人ならばこのレベルならこんなわざとらしく甘えた行動なんかなにか策があろうと簡単に剣で真っ二つにできるだろう。しかしだからこその慢心。強者ゆえの慢心!


彼女は思惑通り隙ができた左側に向け、剣を振り上げる。



仕上げだ。



俺はこのままだと俺の木刀がマーシャルさんの胴に当たる前に俺の首が吹っ飛ぶ。

万に一つ俺の木刀のほうが速くあたろうがあの強力な鎧に守られビクともしないだろう。

じゃあどうする?............木刀を捨てる。


俺は横に振りかぶっていた木刀を途中で手放し拳を握りしめ勢いのまま彼女の顔面に強烈なストレートをぶち込む。


——成功だ。


その衝撃で剣の速度が一瞬落ち俺はギリッギリで屈み、回避に成功する。そしてまたバックステップで距離を取る。


そう。これが俺の策だ。彼女の慢心がなければ俺は瞬殺だっただろう。しかし彼女は大きな隙を見せられ勝利を確信し、慢心した。だから剣が弧をえがく速さが少しばかり遅くなった。しかし打撃が直線をえがく。勢いのままなら彼女の剣より速く当てることができた。そして何も持ってないからこそ次の動作にすぐ入ることができた。


「....一発入れることはできた。」


だがもうこの策は通用しないだろう。もう彼女には慢心のまの字すら無くなっているはずだ。さて.....どうする....。

















ちなみに落とした木刀はちゃんと避ける時に回収している模様。

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