第2話
翌日、健斗は在学校に登校した。もうすでに、何人も生徒が登校していた。
校門に入ると、1羽の白いハトが目の前に飛んできた。ハトは作り物のようだった。
そのハトを追い払おうとした。健斗は5階の教室に行こうとしたが、ハトが邪魔をした。
ハトは健斗の右腕の制服の袖をくちばしでくわえた。そして、健斗を誘導するように、違う場所に連れて行こうとしているようだった。
健斗は「うるさい!離せ!ぶっ潰すぞ!」と脅かして、ハトを殴ろうとした。そして、空いている左手で軽く小突いた。
ハトは「殴らないでください!痛いじゃないですか!」と呟いた。そして、くちばしを制服の腕から放した。
健斗は自分の耳を疑った。そして「お前!作り物のくせに、しゃべれるのか?」とハトに向かって尋ねた。
ハトは「私についてきてください!あなたが必要なんです!あなたの過去を知っていますよ!」と言って、再度、健斗の制服の袖をくちばしでくわえた。
健斗は自分の過去を知られているかもしれないので、一応従おうとした。しかし、警戒は緩めないようにしていた。ひとまず、このハトの言いなりになって、もしかの時は、このハトを攻撃対象にしようと思った。
ハトは健斗を連れて行った。学校の旧館の2階で、人気がなく、今は使われていない多目的室だった。
その部屋は鍵がかかっているはずだった。しかし、中から引き戸の扉を誰かが開けた。
中から「ようこそ!いらっしゃい!お入りください!」と誰かが部屋の中に入るように指示した。
健斗は「俺を呼んだのは誰だ?俺は忙しいんだ!」と言いながら、仕方なく、中に入った。
ハトがまだ服の袖をくちばしでつかんでいるので、仕方なかった。
2022年10月16日記載