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それからある日、高松たちがあの病院にまた行ってみようと言い出した。
浜崎は断ったがみんな本気らしくあとをこっそりつけることにした。
だが白羽病院があった場所に行くと何もない空き地だった。
「なんだよ、これ」
「やっぱり幽霊の仕業か…」
「やめろよ!気持ち悪い」
浜崎は影から高松たちを見ていると後ろから肩を叩かれた。
驚いて振り向くとそこには誰もいない。
しかし恐怖はまったく感じなかった。
「お、おれ、帰る!!」
「ふざけるな逃げんなよ」
「おれも!!」
「お、おい!待て!」
高松たちはそんなことを口々に言いながら走り去っていた。
高松たちがいなくなってから浜崎は白羽病院があった場所の前に立つとあたりを見回した。
昨日の出来事は全て夢だったのだろうかと思っているとひとつだけ夢ではなかったことを確信させてくれるものがあった。
浜崎はそれを見ると静かにその場所を離れた。
数歩歩いてから振り向くとまた一人の少女がいた。
ような気がした。
もう会うことはないと思うと再び歩き出した。
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「なに?その写真」
黒い少女が尋ねた。
白い少女は写真を拾い上げるとぎゅっと抱きしめた。
「いろいろよ」
「いろいろってなによ」
「さぁ」
「あの子とあんたの写真?」
「そうよ」
白い少女は幸せそうに写真の中で笑っていた。
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