――☆――
まいったな。
俺はため息をついた。
まさか、あの二人がいないなんて。
絶対”あの場所”に行ったな。
だから俺はあいつらを止めようと思ってきたのだが。
メガネなこまでついてきあがった。
というより車に乗せてもらった。
あと、何だ?あの妙な女は。
俺は隣の席に座る見知らぬ真っ白の女に目を向ける。
真っ白でこの学校じゃ見たこともない奴だ。
「は~……」
「どうしたの?浜崎君?」
「いや、何でもないです」
車に乗ってから何分経っただろうか。
気が急いでるせいか随分乗っていたような気がする。
辺りがだんだん暗くなってきた。
進んでいくにつれて木々がどんどん多くなってきている。
闇が深くなっていく。
「……止めてください!」
「え?」
白い少女、イフが言った。
「どうしたんですか?」
「…ここから車で行くのは危険です。歩いていきましょう」
イフは車を降りた。
俺とメガネなこも車から降りたが足場が悪く、泥に埋まりそうになった。
「うおぉ、俺の靴に泥が…!新しく買ったばっかなのに……」
俺は内心少し凹み、あの白い子は平気なのかと思いイフの足元に目を向ける。
よく見るとイフの足元は少し浮かんでいるように見えた。
幽霊か!?
「違います」
「え?何で俺が思っていたことを」
「そんなような顔をしていたからです」
「そ、そうですか…」
イフは前を向き直り、目を細めた。
「何か嫌な予感がする…」
俺たちはそれから数分歩き、闇の奥に進んでいった。
霧が出てきた。
寒さに少しずつ体温を奪われていく。
あの二人は無事なのだろうか。
「ここだ」
俺はある大きな建物の前で立ち止まった。
森の奥深くにある古い病院。
ここに二人がいる。
俺はつばを飲み込んだ。
昨日の肝試しでの事を思い出す。
「あの幽霊…あの女が言っていた場所」
”森の奥にある、白羽病院に来て”