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やっぱり予感は当たっていた。
目の前のベットに白いシーツがかけられていた。
顔部分にかけてある布をゆっくりと取る。
そしてマチカは目を疑った。
「……やだ……嘘……」
こんなの信じたくない。
そっと触れてみた。
冷たい。
もう温もりを感じない。
「嫌……そんなの……!」
「ツモ……」
武井はマチカの後ろに静かに立っていた。
マチカの目から大粒の涙が溢れだす。
「ツモおおおおおおお!!!」
奇跡は二度続けては起きない。
最初の起こったトラックとの交通事故の時のような奇跡はもう起きなかった。
「偶然通りかかったバイクと正面衝突して、即死だったようだ」
「・・・・・・そうですか」
偶然が起こした今回の事故。
「大丈夫か、マチカ・・・?」
「・・・わかんない」
マチカは呆然とどこか遠くに目をやり、静かに涙を流していた。
武井はただその隣で見守ってやることしかできなかった。
偶然が積み重なって起きたツモの死。
しかし、その偶然は武井が起こした必然であった。
武井はマチカの隣で一緒に静かに泣いた。
「・・・悪かったな・・・」
そう何度も言いながら
泣いていた。
しかし。
笑っていた。