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母親はお腹に二つ目の命を宿して、入院した。その頃の時隆はまだ幼かったので一緒に病院で過ごしていた。

そんなある日ことだ。


時隆は何かに興味をもったのか病室から出ていき、30分経っても戻ってこなかった。


心配になって母親は医者に病室から出ないようにと言われていたが時隆を探しに廊下へ出た。


そして、母親は倒れた。子供は助かったもの母親は息を引き取った。



神楽がそのことを知ったのは12歳のこと。今は16歳だから4年前のことになる。


母親が死んだのは兄のせい。

常にそう思い続けてきた。


空が茜色に染まりはじめた。それでもまだ暑さは軟らぐことはない。


神楽は夏が嫌いだ。大嫌いだ。

兄も嫌いだ。



なにもかも。




何を求める?誰を求める?


世界は回る。宇宙は動く。


何も求めるものなんかない。誰も求めるものなんかない。



いっそ消えてしまえばいい。すべて消えてしまえばいい。



この世のすべてがくだらない。


くだらない。くだらない。くだらない。くだらない。くだらない。



狭いこの世界で何を見る?



神楽は夏が嫌いだ。




だからこの夏に兄を殺す――――。

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