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なろう作家ワイ、なろう系主人公を倒すのはマジで難しいと感じる。

作者: 千葉丸才



 はじめましての方ははじめまして!!


 なろう作家の千葉丸才と申します!


 今回はタイトルの通り、


 “なろう系主人公が如何に倒し辛い存在なのか”を書き手側の主観で語って行きたいと思います。


 さて本題です。こうしてエッセイを覗かれてる方はご存知の事とは思いますが、なろう系の主人公は一定数のなろうユーザーやアンチ層から嫌われています。


 これはいわゆる“なろう系否定派”と“なろう系肯定派”でフィクションに求める物と、許容出来る範囲に差異が有る為だと考えられます。


 肯定派は物語りを主観的に見て、主にその作品のシュチュエーションを楽しみ、否定派は物語を客観的に見て、俯瞰した視点から作品世界全体を楽しんでいる方が多いように見受けられます。(※あくまでも傾向です)


 そうした点から、なろう系肯定派の方々は目的のシュチュエーションが楽しめるのであればキャラクターの人格や関係に対する違和感や、強引なご都合主義にはある程度寛容であり、逆に否定派は作品世界への没入を妨げるこれらの要素を嫌う傾向があるのだと思います。


 私自身、比較的否定派側に属する人間ですので、正直なところこう言った作品への没入の妨げになる要素は嫌いで、特にその最たる“なろう系主人公”は苦手です。


 なろう系主人公は、現実的に考えると評価に値しない行動や言動で評価されたり、物事を短絡的かつ一面的にしか見れない様な人物なのに知的な人格者として扱われたりと、強い違和感の有る存在です。


 無論、全ての作品でそうだとは言い切れませんが、それでも相当数のテンプレ作品がこれに当て嵌まり、面白そうだと読み始めても即座に現実に引き戻されてしまいます。


 そして、思ったのです。


 “なろう主(コイツ)ぶっ殺したいんゴ!!”


 と──


 早速私はなろう系主人公をぶっ殺す作品を探し始めました。


 実際、私の様になろう系主人公が嫌いな人も多く、その手の作品も実は結構有りました。


 しかし、実際に読んでみると……残念ながらその手の作品はクッソつまんねぇのです。ぶっちゃけ、否定派の私が見てもなろうテンプレ作品の方がよっぽど面白いと思ったくらいです。


 なんと言うか、その“アンチなろう系主人公作品”って、結局劣化品の“なろう系作品”になってしまっているのですよ。


 頭の悪いなろう系主人公が、無駄に優遇された主人公に倒されるだけ。

 そしてお決まりのチョロイン達がやって来て、主人公をヨイショする。


 それなら、普通のなろうテンプレ読めば良いですよね。


 結局、“アンチなろう系作品”は私の中では完全に全滅でした。


 さて、そんなこんなで“探す”と言う手段がついえた私は次にこう考えました。


 “なら、ワイが書くしかないンゴ!!”


 と──


 そうして頭の中で妄想を始めた私ですが、これがまぁ難しい。


 なんせ“なろう系主人公”は、“なろう系主人公”。

 選ばれしチートと能力。そして周囲を取り囲むチョロイン達に守られ、中々殺せるビジョンが浮かびません。


 これに対する対応策として考えられるのは、前述の通り主人公を優遇し、そしてなろう系主人公を馬鹿にするくらい。


 そう、クッソつまんねぇと断じた内容を踏襲せざるを得なかったのです。


 しかし色々と考えた私は、この結果は変わらないのだと結論付けました。


 そしていよいよ倒すべき“なろう系主人公”の設定を決め始めました。


 先ず、なろう系主人公と言えばやっぱりチートの存在です。


 色々なチートを考えた私でしたが、そこでハッと閃きました。


 “ご都合主義自体が相当なチートなのでは?”


 と──


 そう考えた私は、それを設定に落とし込む事でチートにしてしまおうと考えました。


 そうして出来たチートが、“超私的英雄譚ヒロイックサーガ”。


 人間の持つ認識を改変し、なろう系主人公が関わった全ての事柄を、なろう系主人公にとって都合良く解釈させる認識改変能力。


 これでどんなクレイジーな行動でも全て肯定される典型的な“なろう系主人公”が出来上がりました。


 これに追加して高い戦闘能力と、戦闘用のチート。そしてストーリー的な背景を組み込んで異世界からニートを転生させ、遂に倒すべき“なろう系主人公”が完成しました。


 私はこの結果に大満足。


 しかしここで私は気付いたのです。


 “ファッ!?コイツ強過ぎるんゴ!!”


 と──


 そう、この能力をそのまま使ってしまうとどう考えても本筋の主人公に勝ち目は有りません。


 私はここでも躓き、ある程度の弱体化を余儀なくされました……。


 そうしてチョコチョコ調整をし直した後、私はいよいよこの“なろう系主人公”を倒すべき“作品の主人公”の設定に取り掛かりました。


 なろう系主人公がチートなら、やはり主人公もチートを持つしかない。


 そう結論を出していた私は、なろう系主人公に対抗出来るだけのチートを用意しました。


 それが、“イケメン・エリート・非童貞”。


 そう、“リアルチート”です。


 転生前から優れた人材なら、転生後も優れていて当然。


 知的な振る舞いや言動も、一流商社マンにしてしまえば説得力が出る!


 そして私は更に主人公に略奪系のチートを与え、その他諸々の優遇措置と、人外に転生させる事でどうにか“なろう系主人公”を倒せるだけの土壌を用意し、早速作品を書き始めました。


 これだけ事前に準備したんです。きっと直ぐになろう系主人公を倒してくれる事でしょう!


 そして、現在までに約60万字。連載期間で言えば2年程になります。


 そして肝心のなろう系主人公ですが──





 ……まだ5ページくらいしか出ていません。


 って言うか出て来たのもサブキャラの回想シーンだけで、まだ主人公と接触すらしていません。


 それと言うのも、やはり“なろう系主人公”が糞強く、主人公が倒せるだけ強くなるのに時間が掛かってしまうからです。


 しかし、それを省略してしまえば説得力の薄い“なろうテンプレ”になってしまう。


 多分、倒すまでに後100万字くらいはかかりそうです。


 なろう系主人公を倒すのは、マジで難しい……。



 あ、もし宜しければ評価して頂けると幸いです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 似た作品を書いてます。アプローチは違う物の目指す地平は一緒だなと。 [気になる点] ウチでは世間を知らない勇者?がそれ故に振るう「論拠も根拠もなき自信」がスーパーチートの根源であるというネ…
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