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言葉に出来ないもの

作者: emi

例えば


あの時とかあの時




それから


あの時も




彼を見送ってからの私には


度々不思議な出来事が起こった




それらのほんの一部だけを


言葉に表現しながらも


その殆どは


この胸の中へと納めたまま


誰にも話してはいない




いや


話すことも文字にすることも出来なかった


と言った方がいいのかも知れない




不思議な出来事の数々




特に


あの時とか


あの時のことを


ふと誰かに話してみたくなって


言葉を探したけれど


どんなに努力をしてみても


それを完璧に表現出来る言葉が見つからなくて


結局は


その感覚を体に覚えたまま


言葉にすることを諦めた




どうにか言葉にしようと


無理に言葉に当てはめてみれば


途端に


厳かだったはずのその重さは消えて


ただ薄っぺらな


偶然に過ぎないような事柄へと


変化してしまうように感じるのだ




ただの偶然だったのか




不思議な出来事の数々を


ゆっくりと思い起こしながら確認してみる




偶然?


あれも


あれも


全部 偶然?




それにしては


彼が息を引き取った日から偶然が多過ぎる


それも


彼を連想しないではいられないような偶然ばかりだ




今の彼が操るのはきっと


言葉で扱うことさえ憚られる高貴なチカラ




そう


そんなふうに表現するのが正しいのだろう




そもそも


それを表現するだけの言葉など


初めから


この世には存在しないのかも知れない




私の身に起こった不思議な出来事の数々は


それほどまでに重々しい雰囲気を纏っていた




彼は確かに何処かに存在し


その高貴な雰囲気を漂わせて


偶然にも似たやり方で


時にその想いを伝え


そして


時に寄り添ってくれているのだろう




目に映ることもなければ


言葉にすることすら出来ない


不思議なチカラと言うものは


確かに存在するのだろう


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