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CHAPTER 1.聖女と神の邂逅 (5)

 レイニウム大聖堂、聖人聖女の居住区の最奥にその場所は在った。

「こんな所に階段があったなんて……」

 扉を開けると、地下へと通ずる階段があり、細く長い螺旋状のそこから地下を覗き込むことは叶わない。結界なども張られておらず、入りたければ勝手に入れといった風情のその場所を見て、こんなに身近に地下に行く道があったなんてと微かな驚きを感じながらティファが一歩前に進もうとすると、すぐにマイの手に制された。

「私が先に参ります。メイはティファ様の後ろに」

「はーい」

 教皇から武器を渡されたことで緊張感が高まっているのだろう。何よりこのようなぞんざいな扱いを受けている地下だ。まともな手入れがされているとは思えない。慎重な態度を取るマイに無言で従い、ティファはマイの後を付いて階段を下りることにした。神を起こすことも至難の業だが、契約を行うこともまた膨大な魔力を必要とするのだ。ここで何かあってもできるだけ体力を温存しておいた方がいい。

 かつん、とブーツの音を響かせ地下へと下りていく。湿気に満ちた暗がりをランプで照らしながら進むが、長い間誰も入っていないという話は本当のようで石段にこびりついた苔に足を滑らせそうになる。狭いとはいえ、女性なら二人は並んで歩くことができそうな広さのそれは壁面も石造りのせいか、苔がこびりついていた。大聖堂を守護する神が眠る場所に続く道としては、些か扱いがぞんざいすぎる。

「本当にこの先に神様がいるのかしらね」

 低い天井が小さな疑問を含んだ高い声を跳ね返す。

「地図でもここだと記載されてますし。まぁ、大丈夫でしょう……あら」

 呟いた声にマイの声が返ってくるが、その声はすぐに途切れてしまう。

 足音も止まり、何やら困惑したような声が漏れた。

「どうしたの?」

「いえ。もうすぐ階段を降り終えるようなのですが、先に何か……石碑みたいなものがあるようです」

「石碑ー? ここ、地下だよ?」

 後ろを歩くメイが怪訝そうな声を上げる。それはそうだろう。レイニウムでは石碑と言われるものは往々にして地上にあるものであり、後世に生きる者達への教訓なり想いが詰め込まれるものなのだから、このような人目に付かない大聖堂の地下に石碑があるとは到底思えない。しかし、教皇から預かった地図に間違いがあるとも思えないのでティファはあっけらかんとした声を上げる。

「ま、行ってみれば分かるでしょ」

「はい」

 どの道進めば石碑とご対面することになるのだ。それならば悩んでいるよりも手早く確認をした方がよかった。

 マイを促し先に進む。困惑と逡巡を含んでいた亜麻色の瞳が凛とした光を放ち、炎に照らされた。螺旋階段の終わりは近く、ランプの明かりで照らされた最奥に平坦な石畳が見えた気がした。


◇ ◇ ◇


「本当だ。石碑がある……」

 階段を下り石畳を踏みしめると、マイの言う通りの石碑が目の前に鎮座していた。小さく墓碑とも言えるようなそれは例に漏れず苔に覆われていたが、手でそれを払ってみれば若干年季の入った石が姿を表す。

「こんな所に石碑ってあるんだね」

 ティファとマイが苔を払う後ろでメイの呆けたような声がする。どうやら彼女は地図に書かれていた石碑の存在を疑っていたようだ。マイの肩に手を置いて前を覗き込んだメイはアーモンド型の瞳でじっと石碑を眺める。そうして苔が払われたその場所に何かを見つけ眉間に皺を寄せて何やら考え込むような仕草を見せるが、すぐに諦めたようで渋い声を放ちながら首を振った。

「よ、読めないよこれ」

「読めない? ……あら」

 妹の声にマイも首を傾げてまじまじと石碑に書かれている文字を見つめる。そうして数瞬の間を置いてからティファに声を掛けた。

「ティファ様、これは神聖文字で書かれているようですわ」

「? ちょっと見せて」

 神聖文字で書かれた石碑?

 マイの訝しむような声に身を乗り出し、苔をすべて払い落とす。そうして手についたそれに気持ち悪さを感じるより先に石碑に視線を落とした。マイがランプで更に明るく石碑を照らす。するとそこに、人間ならば扱うことのない文字が薄く掘られているのが見えた。それは古代の文字でありながら、古代に生きた人間達では決して読むことが叶わなかったであろう特別な文字で、ティファはどうしてそんな文字がここに書かれているのかと思案しながら視線を横へ下へとずらしていく。文字を読まずに、あくまで現代語が使われていないかと確認だけしてそこに神聖文字以外使われていないことを確認したティファが感心したように声を漏らす。

「確かにこれは神聖文字ね。でもどうしてこんな所に……やっぱり神様がここにいるってことなのかしら?」

「読めそうですか?」

「何とかね」

 首を傾げるマイに頷いてみせる。古代の人間には読むことができなかったであろうが、ティファにはそれが読める自信があった。神聖文字の解読作業は大聖堂が永きに渡って行ってきた事柄の一つなのだ。そして神との契約を前提として育てられる聖人聖女にはその解読方法が教皇や聖母より伝えられていた。ただし、使用することは大聖堂の数少ない戒律により禁じられていたのだが。

「ねぇティファ様」

「うん?」

 神聖文字を解読しようと全体の文字を見渡していると、唐突に甘えるような声が聞こえてきて顔を上げる。するとそこにはメイが無邪気ながらもどこか恥ずかしそうにしているのが見えた。

「どうしたの?」

「さっきから話してた神聖文字って何?」

 少しの間が空く。神聖文字を習得するのは聖人聖女のみだ。従ってメイが不思議そうに訊いて来ることはない、のだが。

(確か私が勉強した時に二人も同じ部屋で勉強してたような……。マイは知ってるみたいだし。あれ?)

「……メイは知らなかったっけ?」

 確認の意味を込めて尋ねると、マイが申し訳ありませんと呟きながら嘆息する。

「メイ」

「な、何?」

「帰ったらちゃんと勉強なさい……」

「えー!? 勉強って疲れるのよ!?」

「そんな言い訳は却下よ」

 ぴしゃりと言いつけられ、メイが口を尖らせる。それを見てようやく自分の考えが間違いではなかったことに気付いたティファは、苦笑を漏らしながらメイの問いに答える。

「神聖文字っていうのは、神々が世界と対話するために用いたとされる言葉よ。神々のうちのほとんどが世界の意志が普段どこに存在するのかを知らなかったから、こうして文字として世界に想いを伝えたとされているの」

「知らないのに、守れたの?」

「大事な時には招集がかかるみたい。聖書にはそう書いてあったから」

「ふぅん……」

 事実はどうか知らないが、そういうことになっている。そう話すとメイは納得できたようなできていないような微妙な声を漏らした。隣に立つマイは相変わらず生真面目な様子で頷いている。その姿一つとっても、双子だというのに二人の性格がいかに違うかが見てとれる。姉であるマイは理知的で読書が好き、メイは天真爛漫で読書よりも体を動かすことが好き、という風に。ただ、まさか勉強したはずのことまで忘れているとはティファも想像がつかなかったのだが。

 二人を横目にしつつ、解読作業へと戻る。大聖堂ですら知らないような単語だと彼女にもお手上げだったのだが、幸いにして掘られていたのはすべて彼女の知識にもある単語ばかりのようだった。ふむふむ、と呟きながら目を走らせていると、好奇心が疼くのかメイが声を掛けた。

「何て書いてあるの?」

「ん? えーっと」

 その問い掛けに顔を上げると、メイがマイに頭を小突かれているのが見えたが、ティファはそれには構わず自分が解読できた部分を読み進めた。


◇ ◇ ◇


 ――レイ、世界よ。

 貴方を護れないことを申し訳なく思う。

 我はもう動くことさえままならず、ここから出ることもできないだろう。

 我はこの地で眠り、再び貴方の盾になる日を夢見よう。

 いつか貴方の苦しみをすべて取り除くために。


◇ ◇ ◇


 我は――。

(一体、この神様は世界に何を言おうとしてるんだろう?)

 胸中で呟き、更に解読を進めていく。何故かは分からなかったが、どうしてもその先を知る必要があると思えてならなかったせいだ。大聖堂が守護する神、世界を守護する神。世界を守護するという意味自体すら頭の中でよく理解出来ていないティファにとって、その言葉は意味を実感するための鍵と成り得るものだった。

 世界の意志へ伝わる言葉、神が伝えたい言葉、その意思――世界の、苦しみ。契約行為のことばかりで世界や神についてなどほぼ考えたことなどないティファだったが、不意に襲ってきた世界と神への好奇心に勝てず高なる鼓動をそのままに視線を走らせた――しかし。

「……ってこの後何も書いてないじゃない!」

「ふぇっ!?」

「ティファ様? どうかなさったのですか?」

 唐突に声を荒げた主にメイが素っ頓狂な声を上げ、マイが静かに問う。しかしティファはそのようなことはお構いなしで、石碑に掘られた神聖文字を指でなぞりながら何度も何度もその文字を読んでいた。しかし何度読んでも先程と同じ答えしか出てこない。

「どうもこうもないわ」

 先に読み進めようと視線を動かした瞬間、その先がないことに気付いてしまったのだ。全体の文字を見回して続く言葉の意味を汲み取れる文章がないかを探すものの、そのような暗号は見当たらない。本当にこれで終わっているようだった。

 生来本でも何でも最後まで読み進めないと気が済まない、物事が中途半端に終わることが嫌いな性分なのだ。それなのにこれはあまりの仕打ちではないか。ティファは好奇心を打ち砕かれた怒りに拳を震わせ、双子に吊り上がった目を向ける。瞬間、二人がびくりと肩を竦める。

「せっかく読んでたのに、この神様途中で書くの止めちゃってるのよ!」

「……あら」

「そうなの?」

 眠気に勝てなかったのか、それとも別の理由があるのか、そんなことは分からない。だが一度世界に伝えようとした気持ちを途中で区切るなんて、世界に対しての不敬行為にも当たるのではないか。

 怒りのせいでそんな大事まで考え出したティファは、もはや石碑に用などないというように立ち上がった。

「メイ! マイ!」

「「はいっ!?」」

 手を取り合ってびくびくとする双子を睨みつけ、遠くに伸びる暗がりを指差す。

「さっさと神様を見つけて続きを教えてもらうわよ。ノルマン様やアリア様が行っても起きなかったみたいだけど、こうなったら蹴飛ばしてでも起きてもらうわ」

「てぃ、ティファ様……神様に対してそれはあんまりでは」

「いいの。さぁ、行くわよ」

「あ、待ってティファ様!」

 石碑のある通路を歩き、一本の筋でできたその場所をすたすた歩いていくと二人が慌ててついてくる。ティファはそれには目も暮れずに自分の怒りの元凶である神を探そうとし、すぐに立ち止まった。一本道を抜けた先にある空洞が広大すぎたのだ。

 マイに予め見せてもらっていた地図を見る限りそれほど広い場所ではないと予想していたのだが、大きな間違いだったようだ。

(そりゃそうよね、大聖堂全体の地下なんだもの……広くないとおかしいわ)

 どのような縮図の地図を渡されたのかは定かではないが、空洞の先に続く通路だけでもかけっこができそうなほどに長く、その上。

「何よこの分かれ道の数は」

「地図がなかったら確実に迷っている所でしたね」

 ぽっかりと開いた空間の先に伸びる道は、一つではなかった。ざっと見る限り十近くはあるのではないかと言うような道はそれぞれが長く、先が見えない。マイが呟くのを聞きながら、ティファは額に指先を押し当てて深く溜息を漏らした。

「ノルマン様……私が方向音痴だってことを御存知ではなかったのですか?」

 そうなのだ。ティファは聖女として双子に怒られることはあるとはいえ本気になれば人前に出ても恥ずかしくはないほどの礼儀作法を身につけてはいるし、神聖文字を読めることから勉学にも手を抜かない。ましてや契約行為に必須である魔力の制御も得意中の得意である。だが、地図を読むことだけは駄目だったのだ。

 水滴が落ちる音がする。溜りに溜まった湿気が水に変化したのかと考えながら天井を見上げていると、マイがランプの明かりを頼りに地図とにらめっこをしている所が見えた。メイも一緒だ。双子は地図を読むことに特に抵抗はないため、主の代わりにこうして道を探しているのだろう。本当に自分一人でここに来なくてよかったと切実に考えながら、ティファはルートが導き出されるまでの間、石碑に書かれていた文字を脳裏で反復する。

 神はなぜ動くこともままならない状況に置かれたのだろうか。そして世界の苦しみとは何なのだろうか。

(ノルマン様やアリア様は、このことを御存知なのよね)

 石碑は神が眠る前の物だ。それであればあの石碑に書かれた文字を二人が読んでいないはずはない。ならば、石碑に書かれていることが神を起こす理由に繋がっているのだろうか。ただ神と契約をするだけではないという事態に頭を抱えていると、マイが地図を鞄へと仕舞い込む。

「道が分かりました。ここからそう遠くはないみたいです」

「本当?」

「うん。分岐も二回通り越したらあとは一本道だったよー」

 マイの言葉にメイも賛同したので、ティファは俄然やる気を出してマイが歩き出すのに付いて行く。距離がどれほどの物かは分からないが、あまり細かい道じゃないのは救いだった。それでも二人がいなくては迷ってしまうことは必至なのだが。

 一つ目の分かれ道の中から道を選び、歩いていく。その間にティファは神をどうやって起こすべきかについて思案していた。

(やっぱり大声で叫べばいいのかしら)

 しかし神は指輪の中に眠っているのだ。聞こえるとは到底思えない。

(いっそのこと、指輪を壊そうとしたら起きてくれるのかしら)

 無意識のうちに思考が物騒なものになっていることに気付かないまま、暗がりと溶け込みそうになるダークブルーのメイド服を頼りに歩く。

 それが間違いだった。

「わっ!」

 不意に、ダークブルーのメイド服が消える。何事かと思い歩きながら目を開けると、前髪が触れるほどの至近距離に巨大な扉が鎮座しておりティファは慌てて身を引いた。少し離れた場所から危機感のない声が響く。

「ティファ様、前気をつけてねー!」

「メイ! 言うのが遅いってば!」

「あはは、ごめんなさーい」

 振り向いて抗議すると笑って返されてしまう。それにしても前を歩いていたのならマイが気付いていそうなものなのだが、彼女はティファが考え事をしているなどとは露ほどにも思わず地図を見ていたようだ。

「あら、すみませんティファ様」

 慌てた様子で顔を上げるマイを制し、首を振る。メイの注意が遅かったからつい文句を言ってしまったが、元々誰に文句を言うようなことではないのだ。

「……いいわよ、私の不注意だから。それで、ここがそうなの?」

 問うと、マイは地図をしまい込みながら頷く。

「はい。確かにここが指輪のある部屋のようですね」

 鎮座する扉は石造りのものであり、おいそれと壊れそうになければ開けられそうなものでもない。一体前に来た聖人聖女達はこれをどうやって開けたのだろうかと疑問に思いながらぼうと扉を見上げると、扉がより一層の存在感を増した気がした。

「とりあえず、押してみましょうか」

 ドアノブがあるわけでもないので押して開けるタイプなのだろう。

 そう考えてティファが手を伸ばし扉に手を付いた瞬間、扉は見た目の重厚感とは裏腹な軽さであっさりと開いてしまった。

「う、うわわっ!」

 力を入れすぎていたせいだろう。あまりにもあっけなく開いた扉のせいで、ティファはたたらを踏みながら前につんのめってしまった。転んで床に激突しないように何とか足を一歩前に踏み出し、部屋の中へと入る。瞬間、背後で何かが光を放った。

「「ティファ様!」」

 切羽詰ったような二人の声がティファの名を呼ぶ。メイが声を荒げるなんて、と不審に思いながら振り向き、そこに見えた光景にティファは目を丸くしてしまった。扉が開いた時も部屋に入るまでも何もなかったはずの空間に、薄い光の膜が張られている。

「結界……?」

 膜は次第に光を増し、先程まで聞こえていたはずの二人の声を遮断してしまう。ティファは慌てて戻ろうとしたが、やんわりとした力で跳ね返されてしまった。どん、と膜を叩くも、衝撃を吸い込むのか壊れる気配はない。

「何なの、これ……っ!」

 朧げながらに見える二人の姿が徐々に見えなくなる。彼女達はティファに向けて何かを叫んでいるようだったが、それに対して大丈夫と答えてやる余裕はなかったし恐らく声も届かないのだろう。そう考え、ティファは魔力を開放しようと手を伸ばしたが上手く集中できない。そもそも、結界を壊すような魔法など使ったことがないのだ。

「!? メイ! マイ!」

 がこん、と留め金が外れたような音が耳朶を打つ。目を見開いて音の発生源を辿ると、それは目の前にある石造りの扉だった。

(閉まろうとしてる!?)

 慌てて扉を破壊するためのスペルを唱えるが、あっけなく結界に吸収されてしまう。その間にも扉は思いがけぬ速度で閉じ、二人の姿を完全に遮断してしまった。

「一体、これは」

 自分一人でどうにかしろということだろうか。

 呟き辺りを見渡すと、ランプの明かりもないのにその部屋の中身がよく見えることに今更ながらに気が付いた。

 部屋の中に一歩踏み出す。そうして扉を背にすると、部屋の中央部にこれもまた石造りの台座が一つ置かれているのが見えた。不思議なことに苔は生えていない。壁面にも扉にもびっしりと深緑の苔が覆われているというのに、なぜかそこだけは滑らかな白の光を放っていた。更に一歩踏み出し台座の奥にちらつくものに視線を走らせる。すると玉座が置かれているのが見えた。

「台座に玉座……? どうしてそんなものが一緒にあるのかしら」

 普通ならありえない取り合わせに首を傾げるものの、答えなど得られるはずがない。考えていても埒が明かないと考え仕方なく近づいてみると、台座の上で何かが光を放つのが見えて立ち止まる。

「?」

 目を凝らしてみるものの、きらりとした物は光を失わない。

 近付き、罠などないか警戒しつつ台座を覗き込む。

「これは、指輪?」

 そこには翡翠色の宝石がはめ込まれた指輪が一つ、ぽつんと置かれていた。広い台座には似つかわしくないほど小さなそれに手を伸ばし、指先でつまむ。不思議と明るさを失わない室内でそれは鮮やかな光を放つ。

「もしかしてここに神様がいるの……?」

 呟いた声に答えはない。その指輪に神がいるなどという確証もなく、メイド達とも離れてしまったティファは一体どうしたらいいものかと途方に暮れながら指輪を頭上にかざした。

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