七夕の願い
だいぶ幅はあるんですけど、1週間に2話づつくらいだせたらいいなって思ってます。
辺り一面白い空間が.....広がっていたらよかったのに。
むしろ何色とも表わすことができないそれでも美しいと感じてしまう。そんな空間に何故か僕はいる。
「Where am I now?」(私はどこにいるんだろう?)
トラックに引かれたと思ったらこんな訳の分からないところにいるし、ほんとになんなんだ?
「Hey! Is there anyone?」(おーい!誰かいませんか?)
とりあえず問いかけてみたけど、まあ居るはずな『あぁ!ちょっと待ってね! 』だれかいるじゃん!
それは神々しいまでに美しい声.....まぁ何言ってるかは分からんけど。
『 あぁ、そうか忘れてた。僕は日本の神様だから日本語しか喋れないんだよね。.....ちょっと待ってね。』
声聞こえるのに!何言ってるかは分からない。
もういいやとあきらめそうになった時。
『我、汝に日本語の加護を授ける。 』
すると僕の体は、青?黄色?い光に包まれた。
するとどうだろう?
『僕の言葉わかるよね? 』
えっ!?めっちゃ分かる。
「はい!なんかよく分からないけど、めちゃくちゃ分かります。」
そう答える。
『ちょっと僕は用事があるから、今手が離せないんだ。だから、ちょっと待ってもらえるかな。 』
相変わらずやや、おどけたような口調で言ってくる。そもそも相手の姿が分からないから男として接するか、女として接するか、分からないのに。
でもとりあえず、頷いておこう。
「分かりましたよ。待ちましょう。」
すると声は喜んだように、
『うん!話が早くて助かるよ!』
そのまま声は聞こえなくなった。
1時間。あるいはもっと時間が経ったのかもしれない。突然目の前が明るく輝きだし、その光が人の形をとり始めた。
その光が収まると、やはり、人━━和服と呼ばれる衣装に身を包んだ少年が姿を表した。
『やぁ!待たせてごめんね。僕の名前は彦星 。日本ではある意味神格化されているけどね。まぁ仲良くしてよ、優馬くん。』
え?なんで?僕の名前をしってるの?
『 あはは!どうして君のことを僕が知ってるのか不思議に思ってるって顔をしてるね。ここはね、普通の人間は入れない神界っていう場所さ。』
心まで読まれてる!?...彦星?って七夕の.....!!それに、神界って!
「ということは!あなたは神様!?」
『いやぁ。君は飲み込みが早くて助かるよ!厳密に言えば神様ではないけどね。でも、その様子だと自分が死んでしまったことにも気づいているみたいだね。 』
「はい.....やっぱり死んじゃったんですね。」
まぁ、さすがにあれは助からないと思っていたけど...。短かったなぁ。
「でもなぜ僕はここにいるのでしょうか?」
『 それについては、もう1人が来たら話すよ。』
「もうひとりってもしかし『あっ!来たみたい! 』て。早いな!」
『ごめんなさい!待たせたかしら。』
今度は光が輝くと言うよりは、次元が裂けてそこから出てきたっていう感じだった。これこそwonderful!だね。
そして出てきたのは、こちらも可愛らしい和服に身を包んだ少女。おそらく名前は、
『私の名前は織姫。よろしくね。優馬くん。 』
やっぱりか!というか驚きすぎて声も出ないよ!
「あ、あのどうして僕は呼ばれたんでしょう。」
訂正、声は出たよ。
『それについては、私から話させてもらうわね。まずは座ってもらえるかしら。 』
そう言うと、いきなり目の前にテーブルと椅子が現れた。
そして、僕が席に着いたのを確認して、
『あなたは、確かに死んでしまったわ。でもあなたは短冊に、願い事を書いたでしょう。だから私たちがその願いごとを叶えてあげようかなぁってことよ。 』
「え?」
あまりの急な話にぽかんとしてしまう。え?だって訳分からんやん。
すると、その様子をわかってくれたのか、
『 あはは。それじゃあまだ、わからないと思うよ。僕からも補足で説明すると、僕達は毎年、7月7日に短冊に願い事を書いて、更に不幸な状態でなくなってしまった魂の願い事を叶えているのさ。それが君だったってわけ。』
「えぇーー!!本当ですか!」
目からウロコだ!だってこんなこと...スゴすぎる。
『もちろん君は、願い事を叶えたいでしょ? 』
「はい!」
僕は迷うことなく頷いた。
少しでもいいなって思って頂けたら嬉しいです。