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第9話  授業は真面目に受けましょう


「〜〜で魔法ってのは基本《火水風土光闇》が存在して一人一人得意な魔法も違う。」


 ふむふむ。この辺りは忍術に通じているな。しっかりと魔法の知識だけでも身につけねば己が焼かれる事必至!


 このクラスの生徒は総勢31名。新入生がワシ含め11人、残りの20人は当たり前に知っている知識なのだろう。教官の有り難いお言葉を右から左に聞き流しておる。


 試験で好成績を出した男。タイラーは真面目に聞きつつもべつの事を思案しておるな。ジルは同じ内容を知っているからか紙には書かずボンヤリと窓の外を見つめておる。


「シノブ様?それはなんですの?」


「これはSYUUZIだ。書物を書き記すにはSYUUZIが一番なのでな。」


「しゅ〜じ〜……囚人!素敵な響きですわ!」


 …………ワシと同じように真面目に聞いている者は、一番前の席に座る女性。名をミシェルと言ったな。彼女だけだ。ミシェルの場合は一言一句紙に書き記している。取捨選択が出来ていないが、そのやる気はワシに活力を与えてくれる。


「シノブ様はこの後どうなざいますの!?よろしければ……その……あの……」


 一番の問題は


「レイラ殿。授業を受ける気がないのなら消えろ。ここは学び舎。学ぶ気が無い者は必要ない。」


「え?…………あ……シノブ様?」


 レイラにとって予想外だったのだろうか?しどろもどろになるレイラの姿を見逃さない人物がいた。


「お前は補欠のクセに偉そうな口を叩くな!レイラ様、好きに過ごしてくれて大丈夫ですよ」


 スキンヘッドの教官がワシに怒鳴り、レイラを優しく接する。レイラの父親は大富豪だ。町の調査をした結果

父母共に成功を収め国王にも顔が聞く存在だと。この魔法塾もレイラの親カーター家の寄付で成り立っている部分が大きい。娘のレイラに粗相があれば教官の首など街角に晒されるだろう。


 一方のワシは補欠。魔法塾全ての文書を炙り出しで改ざんした。色々と不備は出ているが塾側も良しとしている。拷問して、最悪何人か暗殺するつもりだったが、結局誰も傷つけていない。ワシ以外の力が働いている。


「いるな」


この場には教官含め32人のはず。しかしいる。姿を見せずに絶えず見守る存在が。


「シノブ様何がいますの?」


「……レイラ殿。瞳を閉じこちらを向け」


レイラはワシの言う事に従い顔を向け



     殺気を感じる。

極限まで研ぎ澄ました忍者刀を髣髴(ほうふつ)とさせる。


「………………ぴゃあ!」


 雛鳥のような声をあげたレイラ。ワシのデコピンにより白い肌は赤く腫れ小さなコブを作った。


 レイラは呆然としながらも徐々に涙を溜め込み


「あ〜〜ん!え〜ん!もう帰る〜!」


 惜しげもなく涙を流し席を立つ。


  

   殺気が消えた。


 そして同時に汚い殺気が向けられた


「シノブ.ヒイラギ!レイラ様に粗相をするな!お前は今日授業を受ける資格はない!帰れ!」


「承知した。あのような邪魔者がいたのでは拙者も勉学に身が入らん。」


 教官の言葉に従い教室を出る。内容はジルかミシェルに聞けばいいだろう。


 廊下ではえづくレイラと背中を優しく擦る女性。メイデンかいた。


「みろ。レイラ殿のせいで拙者に迷惑がかかったぞ。」


「ひっぐ……ひっ……ごめんなさい」


 目元を赤く腫らしたレイラが小さく謝る


「その若さだ。遊びたい気持ちはわかる。レイラ殿はこの後予定など無いだろう?森へいかぬか?」


「……ひっぐ……デ…デートですの?デートならわたくし食事がいいですわ」


「キノコ採取だ。森は知識の宝庫、レイラ殿に役立つ事もある筈だ。」


「わたくしキノコは嫌いですわ。見た目が気持ち悪いですし。」


 ワシの誘いを拒否したレイラ。


「まあ、無理は言うまい。拙者が培養した毒キノコがそろそろ顔を出す頃でな。また明日会おうぞ!」


「毒キノコ?毒……わたくしも行きたいですわ!」



………………

…………………………


 レイラと二人で裏にある森へと入る。メイデンはいつの間にか姿だけを消している。


 レイラの歩き方を見るとまるでなっていない。下手糞な体の使い方に嘆きをあげている。小枝を拾い手刀で剪定していく。握り手は木皮を剥きレイラ殿の手のサイズに合うように。


「レイラ殿、これを使え」


「ハァ……ハァ……棒は年老いた人が使う物ではなくて?わたくし恥ずかしいですわ」


 杖を持つ姿が恥ずかしいときたか。人間など山道を歩くのには適していないのだ。それを補うのが杖。


「ならばイメージしろ。杖を持った自分。体を傾斜と同一とし負担を極限まで抑える。驚く程に楽になるぞ」


「…………わかりませんわ」


「当たり前だ。そんなに簡単に出来ては杖など存在しない。まずは使ってみろ。恥ずかしいのなら拙者も杖を持とう。レイラ殿とお揃いだ。」


 ワシは無理矢理杖を握らせる。レイラは頬をプクーと膨らませるも、従うように杖で歩き始めた。先程と違い体のバランスが整っている。本人も気づいたのか


「少しだけ……楽ですわ!」


「先人の知恵の結晶だ。それらを伝授してくれる者がいなければ拙者達は未だ言葉を話せん。武器を持てん。先人に感謝するべきだ。」


 これで伝わってくれればいいのだが……


「シノブ様が、わたくしに教えてくださいませ!」



  まぁ 今日はいいか。




シノブ&レイラのおまけと感謝



「シノブ様〜!今日もお呼ばれしましたわ〜!」


「前回はハメを外しすぎたのでな、今回は拙者達がブクマをしてくれた者に感謝をお伝えするぞ」


「そ、そうですわね…………まだこちらを覗いてますわ。」


「目を合わせてはいかん。今のジル殿は野生の獣!食われるぞ!」


「あの女の目…………殺人に対して一切の躊躇を持ってませんわ!ドSの申し子ですわ!」


「レイラ殿も中々達者な目をしているな。悪くない鑑定眼だ」


「シノブ様のごきょうじゅのおかげですわ!」


「フフフ抜かしおる。そろそろ時間だな。次回も会えることを楽しみにしているぞ」


「バイバ〜イ!」




ーーーーー


「だから感謝をしなさいって言ってるのよ!


ブクマしてくれた方ありがとうございました!ブクマや評価される度に作者の励みになっております!」


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