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第9話 町へ入ろう

 

 Sideニーチェッスよ!


「はぁ〜大っきい町ッスね〜。入り口に門番さんがいるッス。門番とかいう楽な仕事をあっしもしたいッスよ〜。1日中ボーッと過ごせるなんて幸せッスね」


「あれは一瞬も気が抜けない過酷な仕事だ。見るとやるとでは大違いだ。」


「へいへ〜い!ここまで来たらもう平気ッス!シノブンありがとうッス!お礼の投げキッスあげちゃうッスよ!ん〜……チュ」


 掌を唇に当てシノブンに差し出す。……心なしか避けられた気がするけど気のせい気のせい。相変わらずシノブンは堅苦しい。この町であっしの世話してくれる人を探そう。三食昼寝ぐらいの慎ましい生活なら誰でも歓迎してくれるはずッスから。


 あっしが町へ入ろうとしたら門前で止められた。


「見た事ないな。身分証か滞在許可証を願います」


「身分証?そんなのないッスけどあっしはニーチェ.ドミナートル。顔パスならぬ名前パスッス!」


 天下御免のドミナートルの名を出せば震え上がること請け合いだ!


「あ〜、不正出国か?……この町に入らなければ捕まえないから帰った帰った」


 あれ?通じない?ドミナートルだよ?ドミナートル。


「お前何言ってるッスか?かの有名なドミナートルにそんな粗相して大丈夫ッスか?殺されるッスよ」


 あっしの自信満々な態度に門番さんはアタフタし始めた。どうやらことの重大さに気づいたらしい。


「え?……いや、聞いた事ない……少々お待ちください!カーター家の者に確認を取りますので!え、えと、詰め所の方でお待ちください、汚い小屋ですが我慢してください」 


「しかたないッスね!レディを待たせるのは3分間だけッスよ。……ハリーアップ!」


 あっしの掛け声で門番さんは町奥へ向けて走り出した。あっしは別にいいんスけど、お咎め無しにしてあげてほしいッスね〜。


 …………

 ………………


 町が一望できる丘にシノブンと二人腰掛けている。


「シノブン、身分証貸してほしいッス〜。もしくは滞在許可証をおくれッス」


 普通に追い出された。どうやらドミナートルの名前が通じないらしい。ポンポンがムカムカッス!滅びろ!


「拙者も身分証は持っていない。夜中に忍び込むつもりだ。一度入れば警備はザルだからな。」


「ふ〜〜ん。闇夜に紛れるなんてカックイィッス!あっしもそれで行くッス!それまで昼寝タイムッス!シノブンに殴られた傷を癒やすッス〜スー…………」


 …………


「この場所が最適だな」


 シノブンは5メートルはあろうかと言う町壁を音も無く駆け上がった。魔法じゃない。肉体の機能だけを使っている。


 効率悪いッスね。そんなの空を飛べば楽勝なのに。


「………………シノブン〜!あっしも駆け登りたいッス」


「声を出すな馬鹿者……これを持て。拙者が引き上げる」


 シノブンは町壁からロープを垂らした。それを掴みスルスルスルスル……手が痛い。でも結構楽ッスね。


 壁の上までたどり着くとシノブンはロープを懐にしまい込んだ。どうやってしまったんスかね?異次元の懐ッスよ。


 それと同時にけたたましい音が町に響き渡った。詰め所から人がウシャウジャ。民家からも人がワラワラ。


「侵入者だ!ギルドに連絡!」

「場所は……青色の警報……数は1人!北からだ!」

「一般人の安全を優先しろ!」


 うっわ〜〜。スッゲー連携取れてるッス〜。シノブンが侵入するとか言うから大事になっちゃったッス。このルートを選んだのもシノブンだし。あっしは関係ないッスね!


「今日の昼にニーチェ.ドミナートルとか名乗る怪しい女……多分アイツだ!クソッ!捕えておけばよかった!」


 うっわ〜〜。これは完全に濡れ衣ッスよ。こうやって冤罪が生まれるんスね。この世界の闇を垣間見たッス。


「シノブン!ここからは別行動ッス!」


「心得た!捕縛されようと、拷問されようとも拙者の名を吐くなよ!」


 シノブンは壁伝いに走り闇へ消えた。は……速ぇぇ何あれ?魔法なしであんなことできるんスか?ってか普通か弱い女の子一人残して逃げるッスか?


 ……っと、見惚れてる場合じゃないッスね。こんな場所にいたら捕まって拷問されて……あっしは可愛子ちゃんだから拷問にも熱が入るはずッス……もっとも、




「お前達みたいな有象無象に捕まるあっしじゃないッスよ!」




 5メートルの壁を躊躇無く降りる。あっしは高度2000メートルから落下しても打撲ですんだタフガール!こんなの屁でも……オナラでも


 グギィッ


「……あ…痛……逝ったぁあ!あし…足が折れたッスー!!」



「つ……捕まえろーー!」


「ちょちょっとタンマッス!触るなッス!女の子を乱暴に触るなッスーー!セクハラ!セクハラ!シノブンヘルプ!シノブンヘルプ!」



 …………


 あっしの声は届かず牢屋に入れられ、足には簡単な治療をされた。添え木で固定じゃなくて魔法で治せッス!でも野宿よりはマシッスね。今日はもう寝よう。


「看守さ〜〜ん。ちょっと寒いんで毛布をあと二枚。それと枕を追加してほしいッス!……あ!寝る前に温かい飲み物も」

「お前立場わかってんのか!大人しくしてろ!」

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