第38話 ヒヨコ忍者
押し黙ったメイデンにはタウロスは更に追求する。
「別に不正はいいけどやり過ぎだ。レイラだってそんな事してほしく」
「貴方にレイラお嬢様の事を言う権利はありません。貴方は貴方の仕事をこなしなさい。」
言葉の一閃がタウロスを両断した。これ以上踏み込めないとタウロス自身も気がついたのか、深い溜め息と共に椅子に全体重を預けた。
「……とにかく、忠告だけはさせてくれ。そんな事してもレイラは喜ばない。俺が言ってもお前達は絶対に聞かないけどいつか後悔する。その時はレイラが傷つくんだ」
「……それ以上喋ると胴体とお別れする事になりますが宜しいですね?」
明らかに殺気の質が違う。研ぎ澄まされている。一瞬で同じ屋根の下で過ごした人を斬る覚悟を秘めた瞳。
タウロスは両手をあげ降参のポーズをとった。メイデンは殺気を収め部屋を後にする。
「……あぁ…怖い……ヒイラギさんが居てくれなきゃ絶対的にこんな大口叩けなかったですよ……どうしたんですか?ヒイラギさん?」
「タウロス殿……お主は良き忍びになれるぞ!」
「…………は?」
…………
……………………1ヶ月後…………
拙者の名前はシノブ.ヒイラギ。歳は16歳。ジル.ローレスの家に居候をしながら普段はよくわからない生活をしている。
町を歩くと皆笑顔で挨拶してくれる。特に老人受けがいい。何をしてるのかわからないがゴミ拾いかな?
魔法学校へ行き、俺の貯金を含めた金、金貨50枚をアーダンに手渡した。
「お前……マジかよ?これは……言っちゃあいけないんだけどよ……実は――」
「せ、拙者は気付いている。何も申すな。アーダン……アーダン教官殿」
なんて喋りにくいんだ。この人の話し方は。でも幸いアーダンは気付いていない。
話しはメイデンが去った後に遡る。
「タウロス殿!拙者の術を使ってみぬか!お主ならば……お主しかやり遂げられぬ!頼む!タウロス殿!」
あのヒイラギさんが頭を下げている。メイデンも認める強さ。強さの底が知れない人が俺なんかに頭を下げている。
目頭が熱くなり頷く。この人は俺を認めてくれている。一人の男。ヒイラギさんはどう思っているか知らないけど……友人として……
ヒイラギさんは俺の肩に優しく手を置いてくれた。熱い!普段はクールなのに身体はこんなにも熱い男だったのか?
次に俺の頬を掴み……
骨が変形した
「痛ぇえええええ!痛ぇぇぇ!!!」
「まずは徐々に骨格を歪めていく。時間があるので焦らず行こうか」
…………
1ヶ月も骨を軋ませ続ければあら不思議。人力トランスフォーム……変身成功だ。
隣で見てた役立たず……もといマイストも驚いている。
「完全に……ヒイラギ様が二人ですぜい!オレが代わりたいぐらいですぜい!」
……お前がやってくれよ本当に…………
「奴等は何を仕込んでいるかわからんが拙者は入学試験の時に一度計られている。知力に長けたタウロス殿こそ適任! 陽遁 替え玉の術 を使い筆記にて合格点を叩き出してくれ!」
…………
………………
教室に辿り着きヒイラギさんの椅子に座る。なんで背もたれがないの?足も1本だし……残りの3本何処行った?
「シノブ君あんまり学校来なかったけど……大丈夫なの?」
ジルが俺、(ヒイラギさん)に話しかけてくれた。近くで見るとやっぱり可愛い。一目惚れだが……俺の事は知ってるのかな?聞いてもいいかな?
……ダメだ!余計なコトを喋ったらヒイラギさんに殺される!……集中しろ!俺はタウロス.カーターではない!俺はヒイラギ俺はヒイラギ……拙者はシノブ.ヒイラギ!
「ジル殿は心配が過ぎる。これも試練、故に超えてみせよう限界を!」
「シノブ様!わたくしも頑張りますわ!」
「お前は筆記だけが心配だよ」
「しシノブさん?……」
一人だけ疑問系なのは気になるが無視するしかない。それにしても、ヒイラギさんは皆に慕われてるんだなぁ……それに比べて俺は……いかんいかん!集中……集中……
「皆の活躍に期待しておるで候」
多分こんな感じかな?訳わかんない言葉と限界と試練と……ニンジャ?これだけ言っていれば今日から誰でもヒイラギさんだ!
レイラ&ジルのおまけとお願い
「早速ですが今回のステータスはレイラちゃんです!」
「……どうせわたくし低いですわよ」
レイラ.カーター
筋力G 普段から重い物を持たない
敏捷F+ 子供特有、ちょこまか動ける
体力F 持久力が子供にしては立派
精神F
魔法適正G→F(改竄)
加護 無し
「ほら!やっぱりですわ!作者はわたくしにばっかり意地悪するんですわ!大嫌いですわ!」
「あ……でも+補正ついてるわよ。珍しいのよ」
「ちょこまか動けるなんてバカにしてるだけですわ!」
「………………出番あるだけいいじゃない」
「…………ごめんなさいですわ」
「宜しければブクマか最新話から評価お願いします」




