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第37話  忍の威を借る

 

 ヒモ野郎……ヒモ男……だと?金を貢がせるだけ貢がせる男の風上にも置けない輩。先代様は勿論だがワシでも見かけたら斬って捨てる程のクズ……それがワシだと?


 フフ……メイデンはワシを挑発するのが上手い。ここまでワシの心を掻き立たせるのは前世でも乙女殿以来だ。しかしワシは乗らんぞ。


「メイデン殿……早合点するな。元より拙者は断ろうと思っていた」


「それはそれは失礼しました。ヒイラギ様はそのような男ではないと常々思っておりました」


 メイデンは虹色の指輪が入った箱をしまうと姿を消した。


 まだ近くにいるな。正確な位置は不明だが、迂闊な事は喋れんな。


「でもなんだってまたヒイラギ様はそんな大金が必要なんですかい?本当に町……は無理としても商業施設でも買い取る気ですかい?」


 メイデンが現れた瞬間金縛りにあい、消えた瞬間それが解けたタウロスの護衛マイストの至極全うな意見。金の使い道について聞いてきた。


 簡単に事情を説明した。ワシの成績では試験を受ける事に大金が必要だと。


 タウロスとマイストは同時に顔をしかめた。何か問題でもあるのか…問題しかないのか……調べる必要があるな。



…………

……………………



 夜が更ける。タウロスの自室の扉が開かれ鋭い殺気と共に鈍い刃物の輝きが姿を見せた。


 黒を基調としたメイド服に身を包んだ女性。メイデン.カーターがタウロスの首元に刀を突きつける。


「え?、ちょちょちょ待って!なんで!?」


「タウロス兄様は今宵悲しい事故にあいます。肉片一つ残らずこの世から消失する悲劇。私も悲しいです」


「理由!理由を説明してくれ!」


 タウロスは両手を上にあげしどろもどろになっている。メイデンは1枚の紙をタウロスに突きつけた。内容は……


《レイラが眠った後に話しがあるから来てほしい》


 間違いなくタウロス自身がメイデンに送った手紙。本人もそれは認めている。


「まさか愚兄から夜這いの誘いとは驚きました。私が断って貴方に恥をかかせるのも申し訳ないので……死んでもらいます」


「なんで夜這いの誘いになるんだよ!マイスト!マイストた助け……事情を説明してやってくれ!」


 タウロスは自分の護衛マイストに声をかけた。信頼できる男マイスト。しかしマイストは俯き


「スイヤセン、タウロスさん……オレはメイデンに対して何も出来ねぇ……オレは……無力だ」


 己の力不足を嘆くマイスト。実力でも到底敵わないうえに風呂を覗いていると言う弱み。マイストは力の1割も出せない。デクの棒。


「いや!説明ぐらいできるだろ!…………奥の手だ!ヒイラギさん!ヒイラギさんヒイラギさんヒイラギさんヒイラギさん」


 タウロスは〈ヒイラギさん〉と言う言葉を連呼した。メイデンは周囲を警戒しマイストは力無く項垂れている。


   そして



「タウロス殿……いつから見破っていた?見破った事すらひた隠すとは、見事としか言い様がないぞ」


 天井裏からシノブ.ヒイラギが現れる。


 タウロスはシノブがいる事はわからなかった。だが過去に呼べば出現したので今回も召喚よろしく試してみたら案の定姿を現したのだ。


 納刀を終えメイデンから殺気が消え去った。


「何の話しですか?私も暇ではありませんので手短に願います」


「じゃあ手短に聞くけど来月の試験って誰……ぶっちゃけライラ母様が1枚噛んでるよな」


「……タウロス兄様の妄想に答える義務がありますか?」


「あるね。俺はヒイラギさんが試験を受けられるようにロックビーストの討伐手配を出した。ヒイラギさんなら簡単だと思ってたし調書を読む限り申し分ない。……協調性に欠けてる所以外は」


 メイデンに1歩も引かないタウロス。隣にはシノブがいる。不正は見逃さないと本人は言っているが自分に利があればシノブはそちらの味方をしてくれる……はず。


 それにこれはこちらの不正ではない。


「なのに金貨30枚以上。そもそもレイラに金を払わせること事態異常だ。最悪、額を決めた奴は死ぬんだぞ?」


 タウロスは自分の考えを喋り続ける。カーター家の寄付で成り立っているアルフィーの魔法学校。その実子が試験を行う為に『他の生徒よりも金を払え』機嫌を損ねるだけだ。


「俺の想像……妄想でもいいけど、今回はレイラ以外合格者を出さないつもりだろう?だから無駄な金を出させないようにヒイラギさんには大金を要求しているんだ。この時期に額が決まってないとか、あり得るか?」


「………………」


 メイデンは答えないが事実なのか的外れなのか……表情からは看破出来ないが、町の仕事を仕切り、金の巡りを把握しているタウロスには説得力があった。


 後ろにシノブも控えている。無敵だ。一夜限りの無敵タウロスが誕生した瞬間だった。




 シノブ&ジルのおまけ


「今回見てくれた読者様ありがとうございました」

  

「おまけはステータスの公開をさせてもらおうか。ついに拙者の分身の術が日の目を見るのだな!」


「評価はG〜Sの8段階。補正として+−がつく人もいます」


「思えば分身の術はこの物語最初の「最初はミシェルちゃんです」」



 ミシェル.ガーソン


筋力F

敏捷E

体力D

精神B

魔法適正E  治癒に特化した特性を持っている。治癒魔法は貴重なので重宝されるでしょう。


加護 無し



「ミシェル殿は適正Eか……よく入塾できたな」


「あの子は金貨30枚払ってる特別組よ。実家が金持ちだからね」


「店は閑古鳥が鳴いておったがわからんものだな」

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