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第24話 金脈石


「最近鉱山で目撃されたロックビーストの討伐がある。大規模になるから俺も出るし回復魔法が得意な奴は後方支援として参加してほしい」


 禿げ頭が眩しい男アーダンの有り難いお言葉。生徒達は乗り気ではない。唯一タイラーだけが


「ロックビーストをこの目で見れるのか!先生!俺を前衛に使って下さい!」


「私も……回復だけなら……足を引っ張らないように頑張ります」


 元気よく参加を決め、ミシェルがおずおずと手を挙げた。しかし他の者は強制ではないので乗り気でもなく周りの者と相談していた。


「シノブ様はどうなざいますの?」


「いつも通りだな。まずは(けん)に徹する!」


 後方支援は忍者の花形。ワシも前世で何度となく経験したが地味で目立たず功績もわかりにくい、なんとも風流な立ち位置だった。


 レイラと他愛のない話しをしていると隣に教官のアーダンがやってきてヒソヒソと喋りかけてきた。


「ヒイラギ……お前参加するよな?」


「まずは見だが、参加する予定だ」


 ワシの参加に教官は胸を撫で下ろした。一人ぐらいの参加で一喜一憂していては底が知れる。男なら何が起ころうとも、林の如く静かに と教わらなかったのか?


「あぁ…良かったよ。お前このままだと初級試験には参加出来そうになかったからな」


「なんだと!?どう言うことだアーダン教官殿!」


「成績がヤバイんだよ。俺は結構注意してきただろ?」


 成績……?それは手を打っている。アーダン教官がワシの成績は改ざんする手筈。裏切られたか!?


「あと……出席日数。流石にレイラ様より出席してなくてヒイラギを参加させる訳にはいかないんだよ」



裏切りではない……図られたわ!



 最近事ある毎に言われていたな。『学校に来い』と。まさか試験に影響するとは思わなんだ。


「シノブ様……わたくし明日から学校に来ませんわ。そしたらシノブ様の出席日数がわたくしより多く……」


「レイラ殿、そのような手は必要ない。そうであろうアーダン教官殿?」


 教官はわざわざ今回の討伐参加の確認をとってきた。ならばワシが参加すれば試験にはいけるはず。


「大きい声じゃ言えないが今回の討伐には報酬も出るし点数も加えられる。人手が足りないから見習いにも声をかけてるぐらいだからな。自主的に参加してくれた奴等は恩恵がある」


 悪どい奴め。教官の誘いに乗ってやるとするか。


…………

……………………



 常人がアルフィーの町から歩いて3日。良質な鉄が採掘できる鉱山の麓の村にやってきた。現地集合なあたりワシ達への信頼度は目に見えて高い。


「シノブ様も言ってくだされば馬車でお迎えに上がりましたのに」


「準備もある。馬に余計な負担はかけれんでな」


 カーター家が、保有している良馬。ワシの中では隠密と陰影。と、勝手に名付けておる。他所様の馬に別の名を付けることは御法度だが呼ばなければバレまい。


 「お嬢様、私はプリプリとポリポリを近くの柵に繋いで参ります」



 メイデンに引かれプリプリ(隠密)とポリポリ(陰影)はパカパカと村の中央へと去ってしまった。



 馬が泣いておるわ。


 まだ他の冒険者は集まっていない。ワシは教官に話しを聞いた後直接この場に来た。情報も集め終えそれらをいち早く共有する為に。


 後方支援は既に始まっている。誰よりも速く現場に駆付け、誰よりも最後に帰路に着く!家に帰るまでが実戦だ!



「ヒイラギ様、少しお時間宜しいですか?」


「……構わんがレイラ殿から離れてよいのか?」


 普段ならば姿を見せない人物。メイデンが真後ろに佇んでいた。今回は姿を消していない。馬車の御者を務めていたこともあり、多分誰でも感知できる。


「よくないので手短に伝えます。今回のロックビースト討伐は他の冒険者は来ません。貴方達だけです」


「…………」


 そのような気はせんではなかった。話しが美味すぎる。そもそも報酬が出るのに魔法塾の見習いなどを募集するあたり、きな臭い。


「ヒイラギ様の単位の為に愚兄……タウロス兄様が計らいました。では私は失礼します」


 後方支援ではないのか……元はロックビーストとやらが住処にしていた所を人間が山を切り崩し魔物を怒らせた。人間に歯向かった魔物は殺す定め……か。



 善悪の価値など立ち位置で変わる。ワシの位置は人間だ。ロックビーストとやらは討伐させてもらう。


「へへへ!腕がなるぜ!」

「あ…」

「シノブ様〜!」


 タイラー、ミシェル、レイラとワシの……4人か。


「他の冒険者もまだのようだ。村の住民も不安がっておる。そこでだ…………」


 ワシの提案を出す前に全員が各々の感情を(あらわ)にした。


 「魔物に見習いの強さを見せようぞ!」


ジル&先代のおまけと感謝


「ブクマしてくれた読者様ありがとうございました。気がつけば22件。明らかに作者の予想を超えてしまってます。え……と……シノブ君だけど先代様……なのよね?」


「畏まるでない小娘。気軽に柊さんと呼ぶのじゃ」


「あんまり気軽じゃないわね。じゃあ柊さんってシノブ君の師匠なんでしょ?」


「聞きたいことがあるようじゃな。シノブのことか?よかろう!ワシがシノブの全てを曝け出してやろう!」


「修行の名目でなんで滝にうたれるの?寒いだけだったわよ」


「ワシのご先祖様が滝にうたれ忍術を閃いたと言われているな。それ以来ご先祖様にあやかって皆、滝にうたれておる。」


「へ〜。ご先祖様を大事にしてるのね」


「滝行は人気があってな。暇を見つけては滝行をしておった」


「なんか意外……意味ないのに」


「今にして思えば湯船に入る許可が貰えんから滝行として体の汚れを落としておったのじゃろうな。不憫なしきたりよのう」


「だから……今思うなよ!似たようなネタを前にシノブくんがやったからね!」

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