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第16話  迷い子と迷子


 レイラは昼食を早々と終えて1人町へと繰り出した。アルフィーの町ならば自分を知らない者はいないが王都では別。普通の一般人……とまではいかなくても周りがジロジロ見てくることはない。


 王都は交通量も多く露店が賑わい毎日が祭りのような喧騒さを見せていた。レイラはキョロキョロと見渡しつつ都特有の華々しさに心奪われ


…………


「お家どこだったかしら?…………メイデン!」


 レイラの声は人混みに掻き消された。


「誰か!誰かいませんの?」


 レイラの声に周りの人間は一瞬目を向けたが、すぐに顔をそらした。


「あの服装……貴族の娘だ。関わるとろくなことにならねぇ」

「この前も貴族子に触れた理由で平民が処罰されたのに……いい迷惑よ」



 ここには自分の味方などいなかった。周り全てがレイラの味方であるアルフィーの町とは違う。カーター家の庇護は受けていない。日々の生活で手一杯の者達。


 レイラは俯きながらトボトボと家路を探す。ここに来る間では馬車のために道など知らない。7歳まで住んでいたがもう覚えてなどいない。


 知っている道にさえ出れば帰れるといった希望はなくひたすら誰かが見つけてくれる希望を持ち続けるしかない。


   俗に言う迷子。子供にとって、大人といえど迷子になれば同等の不安が押し寄せてくる。


 宛もわからず町を歩いていると露店の男とレイラと同い年ぐらいの女の子が話しているのが目についた。


「嬢ちゃん、もう勘弁してくれよ。何度目だよ」

「はやく 交換 して」


 同い年ぐらいの子供という安心材料を見つけたレイラは何事かと覗き込んだ。女の子は竹串を店主に渡そうとしている。


 看板を見ると……お団子屋。東方連邦発祥の柔らかい食べ物。アルフィーの町にはなかったがメイデンが手作りしていたのを覚えている。


「だから金と交換だよ。一度無料でくれてやったらつけあがりやがってよ」

「お金は ない この串に お団子を 刺せばいいだけ はやくして」

「……親御さんはどこだよ。あとで請求するからな」

「親なんて 生まれた時から いない 」


 女の子の嘘などついていなさそうな瞳に店主は頭を掻きながら熱々のお団子を差し出し


「しゃあねぇな!ほら!熱いうちに喰っちまいな」


 お団子を渡された女の子は嬉しそうな素振りも見せずにすぐさま頬張り


「なんで お団子を 渡すだけなのに そんなに遅いの?理解力の 乏しい人間。 姉様を見習ったら?」

「…………二度と来るじゃねぇよ!」


 口に蜜を塗りたくりレイラに近づいた来た。どこかおかしい女の子に少し構えるとスンスンと匂いを嗅ぎはじめ


「え?な……なんですの?」

「お前からは 姉様の 匂いがする。胸も 姉様を見習ってる お前は 珍しくいい人間」


「お前じゃなくてレイラですわ。貴女……お名前は?」

「ロクシリーヌ 長いから ロクシィって 呼ばれてる」

「……ロクシー「ロクシィ!」」

「ロクシィ…………」



 僅かな言い間違いも許さないロクシィは満足したように踵を返そうとしたが


「あ!そうですわ!わたくし迷子ですの!わたくしのオウチを知りませんか?カーターと言って大きな家ですわ」


 周りが明らかにざわついたが当人は先程までの喧騒とかわらない。ロクシィは小さく「ついてきて」と呟いた。




…………

……………………


「連れてきたよ お金 ちょうだい」

「ロクシィ……君はさ……なんで大人しくできないのかな?出歩くなとまでは言わないから人を連れてこないでくれよ」


「ジュデッカが 連れてきてるのは 知ってる。だからあたしも 連れてきた。お金 ちょうだい」

「僕は誰かれ連れてきてる訳じゃないんだよ。君に言っても無駄だろうけど……」


 ジュデッカは軽く額を抑えながら呆然としているレイラを見下ろした。


「ロクシィに出会わなければ生きていられたのに……運が……なかったね」

「みんな……死んでますの……?」

「正確にはまだ死んでないよ。君もこれから同じ目にあってもらう」


 レイラはこみ上げる吐き気を必死に抑えその場から逃げ出そうと試みた。鋼鉄の扉に手をかけ、ガチャガチャと動かすが扉は開かない。


「逃さないよ。今から逃げられるのは魂だけさ。君の肉体は……何に使おうかな?保存しておこうか。必要ないんだけどね」


 ジュデッカはレイラの髪を掴み強引に引き上げた。身体を揺すれば揺するほど痛みがレイラに襲いかかり、その仕草にジュデッカは少し考え込んだ。


「…………君。たしか……アイシャ……だったか」

「痛い……離して……わたくしはレイラ……ですわよ……」


「……どうしたものかな」


 ジュデッカは空いた片手でレイラの首筋を触れ魔力を流し込み引きずり出した。レイラは力なく項垂れ人形のように意識を落とした。


「ロクシィ、君は本当に余計な事しかしないよね。この娘の事を覚えてるかい?セスと一緒にいた娘だよ」

「覚えてない さっき初めて会った あたしは姉様を 見習ってるから 記憶力もいい」


「いや、まぁそうなんだけどさ……とにかくこの娘は元の場所に返しに行くよ。ここで見た記憶は消しておいたからバレる頃には僕の用事も終わってる」



 





おまけ レイラ&ジュデッカの魔法講座


「ブクマしてくれた読者様ありがとうごさいましたわ!今回も大好評のこの企画ですわ!」


「……どうやって好評なんて計測してるんだい?作者の気分としか思えな――」

「え〜っと、PNノブシ様『魔力がなくても使える魔法はありませんか?』はい。どうですの?ありませんの?」


「それ……前回と同一人物だろ?絶対好評じゃないと断言できるね」


「質問に答える!悪い子には枕元にオバケが出ますわよ!」


「なんだいその脅しは?そもそもお化けってさ……ん、召喚魔法でもいいのかい?だったら魔力なしでもできるよ」


「勿論ですわ!わたくしも教えてほしいですわ!ドラゴンを召喚したいですわ!」


「有名なやつだけどまず用意するのはウィジャ盤。何処にでもあるだろ?でも魔法を理解してない人には手作りのほうがいいよ」

「ウィジャ盤?」


「……あのさ、こんなのまでいちいち説明していたら本編の文章量を超えるよ」


「でしたら簡潔にお願いしますわ!大丈夫!ジュデッカならできますわよ!」

「君が僕の何を知っているんだい?……自分と自分を模した人形で降霊させて人形に取り憑かせる。終わり」


「え?もっと詳しくお願いしますわ」

「もう次でいいだろ?不愉快な内容も含まれるから次回のおまけは読み飛ばしたほうがいいよ」

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