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第14話  発動された力2


 牢屋に一人の男が繋がれている。

 両足には錠をかけられ3人体制で警備されいている。


 通路は一本道だ。迷う心配もなく脱獄しても逃走経路は1つしかない。



「流石にこれ以上の騒ぎは起こさないでくれよ。僕にも一応立場もあるし処理が面倒なんだ」

「……視覚を閉ざしている。人間に喋らせるなぁ」


 クリーヴァの見開かれた瞳からは光が消え去っている。視覚を一時的に破棄し必要な情報量を制限していた。限られた情報から答えを導き出す。


 今しがたクリーヴァが頭を潰した人間。その抜け殻に地獄の鬼が入り込んでいた。それ自体は珍しいことではない。目の前のニヤケ顔の男、ジュデッカならば地獄の亡者と契約を交わし使役することはできるだろう。


 弱い鬼すらも使役できても不思議ではない。

 しかしジュデッカは確かにその名を呼んだ。


  後鬼 と。


 この世界に来ることはあっても……間違っても誰かに協力する存在ではない。後鬼はもういなくなっている。亡骸と伴に地面に沈んでいった。


「後鬼が気になるのかい?安心しなよ。人間一人程度の魔力では後鬼を具現化させるのは10秒そこらが限界さ」


「さっき協力とか言ってやがったなぁ?対価になにを差し出しているぅ?」


「人間に恨みがあるらしいよ。卑怯な手を使われて不意打ちされたから今度は力をつけて絶対に消滅させるんだってさ。僕は後鬼に力を与える代わりに――」

「そんな人間いるのかぁ?……シグ様!?シグ様じゃねぇのか!?」


 ありもしない幻想を抱いたクリーヴァ。自分で言った手前もあるが内心鼻で笑っていた。シグは動かない。よほどの理由があっても動かず全て自分の為だけにしか力を行使しない。


「いや、相手は男……享年108歳だった魔力のない老人らしいよ。どうやって後鬼を不意打ちしたのかは教えてもらえなかったね」


「108ってよぉ、魔力なしでそれは人間じゃねぇだろぉ?」

「ここではない世界なんだろ…………っと、ついたよ」



 両腕のない男が座り込んで小汚い天井を見上げている。男のトレードマークでもあるシルクハットはなかった。


 ジュデッカが顎で促すと牢番が鍵をあけ、二人は中に入り込んだ。必然的に見下ろす形になり男を観察する。


「ブイは理解の出来ない力で破壊されている……それこそシグ様のような力だ。クリーヴァも調べてみてくれるかい?僕一人だと自信がないんだよ」


「テメェが自信がないとかよっぽどだなぁ……どれぇ」


 クリーヴァは指を極小にまで細めてブイの眉間に突き刺した、ブイは甚がる素振りも見せずに天井を見上げブツブツと呟いている。


「思い出せない…………思い出せない…………なにも……なにも」


ーー


『ひょっとしてさ〜お前魔法使えなくなってんの〜?なんかよくわからんがニーチェが魔法使わないのはおかしいんだよね〜。長年の研究が実を結んだのか〜?』

『ふっふっふ〜!レディの秘密ッス!』

『まじかよ〜?メッチャ羨ましいんだけど〜。方法確立出来たのならオレにも教えてくれない?』

『ふっふっふ〜!あっしにもわからんッス!』

『はやくしてやれよ。ロクシリーヌはもう限界近いぜ〜…………ニーチェ?…………あれ?………………―――――』



クリーヴァの中になだれ込む記憶の塊。断片的であり断続的であり、矛盾だらけであり全てが事実であった。


 ブイの記憶を覗いたクリーヴァは顔をしかめた。見た限りならば本物のニーチェ.ドミナートルがいた。ならばブイはニーチェにやられたと推測するのが1番納得がいく。



「……まだブイは悪魔だぁ。だがぁ……ジュデッカ!俺様は用事ができたぜぇ!」

「僕は止めないよ。存分に暴れてみてくれよ。僕としてもニーチェが本物なのか、研究が完成しつつあるのか知りたいんだよ」


「テメェは本当に人をこき使うだけのクソ野郎だなぁ!だが乗ってやるよ!ギヒャャ!ギヒャハハハ!」


 高笑いをあげながらクリーヴァは去っていった。残されたジュデッカは静かに笑っている。


「もう少しだ……きっと上手くいく…………使える手は全て使う。上手くいけば僕は……」


 ジュデッカは言葉を切った。それ以上言ってはいけない。悪魔としての本能が口に出す事を許さない。だが長年の夢でありそれを成就させる千載一遇のチャンスを逃す手はなかった。


「どんな因果なのかは知らないけど……この時代は最大のチャンスだ。手段は選んでいられない。エイジス、セス……僕ももうすぐ逝けそうだよ。」


 先に逝った友を憐れむように羨望するように静かに口に出し踵を返した。



 去ってしまったジュデッカは気付かない。同じセリフしか吐かなかったブイがいつの間にかシルクハットをかぶっていたことに。





『   思い   出した  』


おまけ 昔の人たちお酒飲み比べ


論外↓

1位 エイジス(異空間に繋がる飲みっぷり)

2位 サタン(メチルアルコールでも平気)

強い↓

3位 セス(黙々と飲み続ける。宴会には向かない)

弱い↓

4位 ジュデッカ(嗜む程度)

5位 ブイ(周りに合わせる程度)

6位 クリーヴァ(周りに負けじと飲むが悪酔いして怒られる)

7位 ニーチェ(後先考えずに飲む。悪酔いして出禁になる)

8位 タナトス(1滴でダウン。多分コイツの弱点)

9位 ロクシリーヌ(ジュース!)

10位 シグ(飲まない。空気も読まない)



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