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第12話 ママがやってきた


「もっとキレイにしてほしいですわ!皆様頑張ってほしいですわ!」


 レイラ自らが指揮を取り屋敷の掃除に精を出している。見た目だけなら埃一つないほどキレイに掃除されているがそれでもメイド達は嫌な顔1つ見せず、むしろ緊張した面持ちであらゆる場所を清掃していた。


「お兄様!いつママが来ますの!?メイデン!なんで教えてくれなかったんですの!?」

「私も初耳ですので、悪魔襲来を未然に防げるタウロス兄様はきっと未来予知ができるんでしょうね」


「いや、来るって決まった訳じゃなくてさ、来るのならライラ母様で多分今日……明日中には来ると思うよ」


 タウロスはレイラの誕生日プレゼントが紛失した事件を知っている。その結果両親がどういった行動を起こすのかを。国がどちらか1人は許可を出さざるを得ないこと。


「あ……本当に奥様が来ましたね。今、門をくぐりましたよ」


「ママ!ママが……皆様!整列なさって!」


 掃除途中のメイド達は道具を即座にしまい一列に並んだ。

 暫くしてゆっくりと扉が開かれ


「あらぁ〜?皆さんは普段から整列してるのかしら?せっかく驚かせたかったのに残念ですわね」


「マ…お母様!ご機嫌麗しゅうですわ!」


 姿を表したのは30半ばの金髪の女性。レイラが飛びつきたい衝動を必死に堪えスカートの裾を持ち上げ丁寧にお辞儀をした。 


「……レイラちゃん。会いたかったわ…………」

「わたくしもお会いしたかったですわ」


「私が来るのを知ってたのかしら?ひょっとしてメイデンさんが?」

「いえ、私ではなくタウロス兄様です。予知能力をここに来て開眼させたそうです」


 互いにぎこちない会話を挟みつつ間を開けるようにライラがタウロスに目を向けた。タウロスは蛇に睨まれたカエルのように固まってしまっている。


「……タウロスさん」

「は、はい!!」


「なんでもないです。さ、レイラちゃんお部屋に行きましょう」

「はいですわ!毎日掃除してるんですのよ!」

「フフフ。一人でできるの?」

「メイドさん達にやってもらってますわ!」


 ライラとレイラの姿見えなくなるとタウロスは肩の荷をおろすように深いため息を吐いた。



「ハァ〜。そちらの二人は部屋はどうします?」


「私めはこの町の宿屋を利用しますのでお気になさらずに」

「俺はライラ様の護衛だ。部屋などいらん」


「あ、そ〜すか。んじゃ俺は仕事に戻るんでごゆっくり」


 ーーーー

…………


 ライラが娘の部屋へと入る。会うことは3年ぶりでありこの部屋に娘とともに入るのは初めて。


「キレイにしてるのね」

「はいですわ!お勉強も毎日してますのよ!」


 嬉しそうに自らの努力の結晶を見せてくれる娘。手紙に穴があくほど見ている。最初は一文を理解することに何時間と頭を悩ませた。夫と共に『あ〜でもない。こ〜でもないと』仕事そっちのけで解読に勤しんだこともある。


「レイラちゃんに聞きたかったのだけれど……文字の読み書きは誰に教わったの?」

「最初はメイデンですわ。学校に行ってからヘンってことに気づいてお兄様に教えてもらってましたわ」


 今でこそ娘の文章は読み難い文字だが最初の10通は本当に意味がわからなかった。


 しかしそのミミズのような殴り書きは見た記憶がある。ライラ自身もう見る機会はないと思うがある程度の人間が目にしている文字。


「レイラちゃん……あの時の文字はまだ書けるの?」

「書けますけど嫌ですわ。メイデンは誰も読めない嘘の文字を教えてたんですわ。わたくしに意地悪したくて教えてたんですわ」


 それは見た瞬間意味を理解できる古代文字(ロストワード)ではない。世界中で誰も使っていない文字。文献もないが才能あるものならば絶対に目にする機会がある。しかし目にしても意味が理解出来ない為に意味をなさない。


「レイラちゃん、その文字はきっと貴女の役に立つから忘れちゃダメよ。メイデンさんは貴女の為に全てを投げ出してるの。メイデンさんだけは絶対にレイラちゃんを裏切らない」

「勿論ですわ!わたくしメイデンを信じてますわ!」


 天使のような笑顔を投げかけてくれる娘。恐る恐る娘の頭を撫で

「良い子ね。レイラちゃん」


「ママに褒められましたわ!わたくし良い子で…………あ……ごめんなさい。お母様……」


 思わずママと呼んでしまった失態にしゅんと項垂れてしまったりレイラ。ライラ自身も娘の姿に動揺を隠す事に必死だった。


 4年間で1度しか会ってない母娘。その一度すらもひたすら叱りつけると言うお互いにとって思い出したくもない最悪の記憶。


 項垂れる娘を抱きしめる。自分から溢れる涙を隠すために、本来ならば毎日注ぐはずだった愛情をせめてこの一時期だけでも


「レイラちゃん、本当に良い子に育ってくれてありがとう。何もできない母親失格のわたしでもママって呼んでくれて嬉しいわ」

「…………マ……マ……ママ。ママ!寂しかったですわ。ずっと……ずっとお会いしたかったですわ」


 お互いに会えなかった時を埋めるように。ようやく親子は再開を果たした。




おまけ 昔の人たちの二人三脚


1位セス&エイジス(敏捷A同士。圧倒的速さ)

2位ジュデッカ&タナトス(敏捷E同士。仲良しコンビ)

3位ニーチェ&ロクシィ(敏捷F同士。ゆっくり歩ける)

ー位サタン&クリーヴァ(敏捷S同士。協調性が皆無。ゴールまでたどり着けない。

ー位シグ&ブイ(敏捷GとC。シグが動いてくれない)


魔法ありでもあまり順位は変動しない。


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