4.カッパ
事実ではない事が含まれてます。ご了承ください。
まだ彼との関係は続いていた。
今日は終業式だから2時間で終わった。
そのあともいつも通り2人で図書館に行こうとしたら、今更なんで調べてるの?と聞いてきた。
「この世界の矛盾を解くため。」
私は冷静に答えた。
彼はよく分かってなかったが、詳しく説明すると「楽しそう!一緒にやらせて!!」と言ってきた。
私は嬉しくて仕方なかった。だけど怒ってるかのように「いいよ。」と答えた。
図書館につくと彼は言った。
「次の世界は妖怪の世界かな‥‥?」
「そのつもりなんだけど‥‥妖怪っていっぱいいるじゃん‥‥?」
「妖怪といえば‥‥なんかあるかな‥‥」
しばらく考えた。
「あ!カッパ!!!!」私は大声を出してしまった。
彼は少しびっくりしてたけどすぐに素に戻った。
私も少し恥ずかしかった。
そんな私をフォローするように、
「いいね!カッパは誰もが知ってる妖怪だもんね。」
カッパに決まった。
私はすぐに妖怪の本を5冊ほど持ってきた。
どの本にもカッパは1番初めに書いてあった。
どうして今まで気づかなかったんだろう‥‥。
調べてみるとたくさんのことがわかった。カッパは日本妖怪ってこと、山奥の人が立ち入らないような大きな池にいること、罠を仕掛けてはいけないこと。他にもたくさんのことが書いてあった。
カッパは妖怪だから罠を仕掛けられてるのが分かるらしい‥‥
きゅうりなどを何日も置くことによって仲良くなるらしい。
今日は明るいうちに図書館を出た。
土手のところで彼と話した。
私「そういえば明日から冬休みだね。予定ある?」
「あー特になかったと思う。どして?」
「うちで調べない?カッパについて!」
「え、親とか大丈夫なの?」
私はドキッとした。私の親は2人とも居ない。今はおばあちゃん名義のアパートで一人暮らしをしてる。
今まで1回も他人に話したことが無かった。
彼には引かれたくない。でもいつも親が居なかったら怪しまれるだろうし‥‥
隠すべきか言うべきか‥‥
私は頭が壊れるくらい考えた結果。
「お母さんは単身赴任中だから大丈夫だよ!」
隠す方を選んだ。
胸が痛くなった。
私が人に対して嫌われたくないと思ったのは初めてだった。
ずっと同級生には嫌われてもいいと思っていた。
それなのに自然と彼に嫌われるのが怖くなっていた。
でも彼に私の心の声は聞こえてない。
もしかしたらそこが1番辛かったのかもしれない。