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第8話  初めての依頼は土と串焼きの味

拙文ではありますが、ブックマークや感想、評価をいただけると励みや参考になるのでできたらお願いいたします。

また誤字脱字並びに気になる点等ありましたらご一報頂けると幸いです。

 スティーブの里帰りの準備やら見送りやらをしていたら、いつの間にか太陽はすっかり真上にきてしまっていたので俺と兄妹は酒場で軽食をとってから少し話し合った。ちなみにこの世界で時計高級品なので、時間を知るには何を祀ってるのかわからない協会の鐘か太陽の位置に頼るしかない。

 ついでに言えば、太陽は東から昇り西へ落ち、一日は約24時間で一年は大体365日という、地球とほぼ変わらない感じである。地域によって異なるが四季もあり、今は春なのも付け加えておこう。

 とまあ、そんな感じで春先の穏やかな気候を感じながら食後のお茶を飲みつつ、俺はアレクとリザ兄妹に話を切り出す。


「突然ですが、明日から依頼を受けようと思います」

「だよな! せっかく冒険者になったのに全然依頼受けてないもんな!」

「というわけで、今日は冒険のために必要な物の買い出しにいきましょう」

「え、えっと、具体的にはどんなものが必要なんですか?」


 リザちゃん可愛いよリザちゃんマジ天使。

 しかし何が必要なのかは俺にはわからん。というかそういうのは君たち兄妹が元冒険者の両親から教わったりしてないのかね?


「俺達は細かいことはやってればわかるって言われてきたからまだわからないぜ!」


 えぇ…

 何て適当なんだ。いや、むしろ冒険者らしいと言えばらしいのだろうか。

 仕方ない、ここはわかる人に聞きに行こう。


「そうなんですね。じゃあギルドで聞いてみましょう。初心者講習とかいうのを受けてもいいですしね」

「わかったぜ!」


 こいつ本当にわかってるのかよ。

 とにかく兄妹の了承も得たので早速ギルドへと足を運ぶ。


「すみません、串焼き一本下さいな」


 と思ったらいきなり露天でリザちゃんが何か肉の串焼きを買い始めた。いや今さっきご飯食べたよね!?


「あ、あの…さっきのは軽食だったからちょっと足りなくて…えへへ。はむっ、美味しぃ」


 恥ずかしそうにしてたと思ったら、串焼きを食べて幸せそうな表情を浮かべるリザちゃんもまた可愛い。何かもうどうでもよくなってきた。可愛いからいいや、うん。


 そうして少し寄り道もあったけど冒険者ギルドに到着。相変わらず全然冒険者がいないけどきっと時間帯が良くないんだよね。とにかく中へ入ってカウンターへ目を向ければ美人な受付嬢のお姉さんが微笑んで声をかけてきた。


「あらあらいらっしゃい。登録してから来ないからどうしたのかと思っちゃったわ。依頼なら横の掲示板に貼ってあるけど、よかったらお姉さんがおすすめの依頼探してあげちゃおうかな?」


 うむ、美人で優しくて色気もあって大変素晴らしいです。だが今日は依頼ではないのですよお姉さん。


「いえ、少し聞きたいことがありまして。冒険者に必要な持ち物を教えていただこうかと」

「そうだったのね。お姉さん何でも教えちゃうわ。けど、できれば初心者講習を受けてほしいけれどねぇ」

「それはまた今度考えてみますよ」


 お姉さんはやはりギルド職員だけあって冒険者には詳しく、必需品の一つ一つから売っているお店まで丁寧に教えてくれた。

 俺達は言われたとおりにロープや夜営道具などの道具類から、怪我にきく軟膏、痛み止めの丸薬などの薬類まで揃えていった。さらに俺は服が鉱山からかっぱらった一着しかなかったので、古着屋で厚手の上下を数着と下着も買い、さらに靴も革のブーツを買った。お姉さんいわく靴はけちらない方がいいのとことなので奮発した。ちなみに、衣服は新品はほとんどオーダーメイドしかなくて高いので古着を買うのがデフォルトらしい。

 それから防具も中古の革の胸当てと膝当て、小手を購入した。すげぇボロボロな上にブカブカだけど仕方ない。もう金がないんだもん。

 そんなこんなで買い物を終えて残金は大銀貨一枚と銀貨以下が数枚。稼がないと本格的にまずいことになったなぁ。

 などと考えながら、現在三人で串焼きを頬張ってる。リザちゃんがまた買ってたのを見てついつい食べたくなってしまった。まあ、一本で銅貨二枚だし大丈夫大丈夫。


「おいひぃでふねぇ」


 にっこにこで串焼きを食べてるリザちゃんを見れば元気も出るってもんよ! あー可愛いよリザちゃん。

 ただ、今回も何の肉の串焼きなのかはわからなかったのは気になるが。


 そしてそのまま鳥の羽休め亭へ帰って酒場で夕飯を食べ、明日に備えて今日は休むことになった。



☆★☆★☆★



 翌朝も日が昇る前に起きた俺は、スティーブがいなくなったので一人で修行をしてからアレクとリザと三人で朝食を食べた。アレクは初依頼に興奮していたが、リザちゃんは逆に緊張しているようだった。

 その後各々が装備を整えて出発する。

 早朝の街中は様々な人達が店や商売などの準備に走り回ったり時には大声で指示をしたり、普段とは違う騒がしさがある。そんな様子を観察しながらギルドへと向かうが、リザちゃんはやっぱり緊張してるのか寄り道をすることもなくあっという間に到着してしまった。

 そう、こんな感じで色々観察する余裕があるくらい俺は気が緩んでいた。あるいは俺も少し浮かれてたのかもしれない。完全に油断していた。


「こんにちはー」


 どうせまたガラガラなんだろうと、考えもせずにギルドのドアをくぐると…

 沢山の人に溢れて凄い喧騒に包まれたギルドの中から強面の冒険者の目線が俺達に集まってくる。モヒカンやらスキンヘッドやら世紀末感が凄い。マジかよ、朝だとこんなに人がいるの?

 そして、しっかりとした黒い革鎧に身を包み腰には反りの強い剣を装備したがたいのいい男がこちらへ近づいてくる。髪型はモヒカンだ。それもかなりロングな感じの。


「ああん? 何だよガキか。こんなところに何の用だ? 朝早くて寝ぼけて道でも間違えちゃったんでちゅかねー?」


 男が言うと、周りの冒険者達がガハハと声をあげて笑う。

 ああ、これは知ってる。というか、これ普通初めてギルドに入ったときにやられるやつだよね。何故早く出発したい今日にこういうイベントが起こるんですか。


「おら、何とか言ったらどうなんだよっ」


 ドンッと方を掌で突かれて俺はバランスを崩し尻餅をつく。

 ヤバイ怖い。どうしよう、おしっこ漏らしそう。昔からこういうヤンキーみたいなの苦手なんだよ。とにかくここは穏便に済ませなくては。そう、きっと話せばわかる。


「あああああの、ぼぼぼぼぼぼぼくたちぼ冒険者になっていら依頼を受けに来ましてててて」

「依頼だと? お前ら冒険者なめてんじゃねえだろうな。この俺『黒革のハザン』に挨拶もせずにめぇらみてぇなガキがここでやっていけると思うなよ? まあ俺がなにもしなくてもどうせ大したこともできずにそのうち逃げてママのおっぱい吸いに帰るだろうから心配無用か」


 またしてもガハハと笑いに包まれる。何なのこの人たち、何でこんな絡んでくるわけ。もうダメ心折れそう。

 そんなとき、冒険者達が二手に別れて真ん中に道ができるとそこを通ってくる人が見えた。


「ちょっと貴方達いい加減にしなさいな。ああもうこんなに怖がらせちゃって。ほら、アルくんたちこっちにいらっしゃい」


 受付嬢のお姉さんがそう言うと、尻餅を着いたままだった俺を優しく起こしてくれた。お姉さん力が強すぎてまぶしい。

 そうして起き上がらせてもらい受付へと進んでいく。ちなみに、どうも静かだと思ったらアレクとリザはドアの外に隠れていたようだ。あいつら見捨てやがって、このことは俺は忘れないぞ。


「ふふ、朝はちゃんとそれなりに冒険者の人いるでしょ? みんないい依頼を取りたいから朝から来て、夕方とか次の日に報告にくるのよ。アルくんたちは混雑してるギルドは初めてで驚いちゃっただろうけど、冒険者として活動していればすぐ慣れるわ」


 そう言って軽くウインクするお姉さん。このお姉さん本当に俺のお姉さんになってほしいんですけど!


「さて、今日は依頼を受けに来たのよね? 見習いが受けられるのはGランクまでだから…初めての依頼にちょうどいいのはこれかしらね」


 そういってお姉さんは掲示板から一枚の紙を取って差し出してくる。ちなみに、依頼を受ける場合は基本的にお姉さんのように依頼書を掲示板から剥がして受けるらしい。


「大モグラの討伐…ですか?」

「ええ、畑を荒らす魔獣でね…農家にとってはとにかく厄介なのよ。けど命に関わるような攻撃はほとんどしてこないから、初依頼にはぴったりなんじゃないかしら」

「確かに丁度良さそうですね! アレクとリザもこれでいいですか?」

「俺はもっと歯ごたえのありそうなのがいい!」

「お兄ちゃん! 最初は慎重にってお父さんとお母さんも言ってたでしょ! アルさん、私達もその依頼で大丈夫ですよ」


 にっこり微笑むリザちゃん。うん、この子結構しっかりしてるよね。


「じゃあ、その依頼でお願いします」

「わかったわ。報酬は十匹倒したら銅貨二十枚。その後は三匹毎に銅貨五枚よ。討伐の証拠に大モグラの鼻を持ってきてね」

「よっしゃ、じゃあ行こうぜ!」

「ああ、お姉さんありがとうございました。行ってきますね」

「はい、気を付けてね~」


 アレクがギルドの出口へずいずいと進んでいくので慌ててついていく。途中で冒険者達から「ビビって漏らすなよー」とか冷やかしの声が聞こえたけど気にしない。とにかく初依頼頑張ろう!



☆★☆★☆★☆


 新人冒険者三人がギルドから出て行くのを確認すると、ギルドの中の冒険者たちは互いに顔を見やる。


「ハザンさん、あいつら大丈夫ですかね」


 スキンヘッドの男がモヒカンの男に声をかける。眉間の皺は消え、目には本気で心配する色が窺える。そしてそれはハザンと呼ばれた男も同様だが、声色は強がったような様子で応える。


「あいつらは大丈夫そうだな。ビビってはいたがちゃんと装備も整えてるみたいだし、なんとかなるさ。この辺りは騎士団の兵士がゴブリンとか強い魔物は倒しちゃってるしな」

「いやでも、途中で悪い奴らに拐われたりしちゃったら…」

「そ、そんなことないだろ。この街はあんまりそういうことないから! ないよな?」


 慌て出すモヒカン。そこへ受付嬢のお姉さんがやってくる。


「貴方達は心配しすぎよ。あの子達なら私も色々教えたし大丈夫だって。だから、さっさと依頼でもやって待ってなさいな」

「お、おう。そうだな。」

「はぁ、それにしても貴方達も素直に応援してあげればいいのに」

「それはできねぇ! これは伝説のあの方が決めたやり方だからな!」

「「「そうだそうだ!」」」


 ハザンの言に賛成する厳つい冒険者たち。

 お姉さんはそれを聞いて呆れるようなため息を漏らす。


「ならもう好きにしてちょうだい…」


☆★☆★☆★


「ちょっと待ってくださいアレク!」

「何だよー!」

「今もう一度場所を確認しますから」


 アレクがどんどんと先へ行ってしまうので、引き留めて依頼表の場所の記載を確認する。ローリアの街には東西南北に門があるが、依頼主の畑は東門を出て少し行ったところにあるらしい。

なので俺達は東門を目指して歩き出す。


 東門を出て少しすると街道の周りは辺り一面は畑ばかりの景色になった。


「アルさん、依頼主さんの畑はどれなんですかねー」

「ええっと、麦畑みたいだけどモグラ被害が酷くて今は何も植わっていないみたいだね。大根畑とトマト畑に挟まれてるって書いてあるけど…」

「お、あれじゃないか!」


 アレクが指を指している先を見ると、確かに大根のような葉っぱとトマトらしき植物が見える。が、本当にそうなのか素人目にはわからない…。せめてトマトが実ってればわかりやすかったのに。

 と、思っていたら。


「きゃっ、何だか地面がもそもそしてますっ!」


 リザちゃんの声の方を見るとさっきのアレクが指した辺り、何も植わっていない畑の土が蠢いている。おお、それっぽいな!

 そして近寄ってみると急に地面が盛り上がり、土を撒き散らしながら一抱えもありそうな生き物が飛び出してきた。飛び出したそれは良く見ればモグラっぽいが、モグラって普通飛び出してこないよね!


 何て軽くパニックに陥っていたら、飛び出したモグラは真っ直ぐこっちへ飛んできて、俺の鳩尾にクリーンヒット。


「うぐはっ」


 恐らく十キロ以上あるのではなかろうかという体でかまされた体当たりはかなりの衝撃で、俺は少し吹き飛ばされてからそのままうずくまる。

 いやいや、息ができないっ!

 涙目になりながらモグラの方を見ると、アレクが地上に出ているモグラに片手剣を振り上げながら突っ込んでいっていた。


「このやろうっ!」

「きゅっ」


 モグラは変な鳴き声をあげながら思ったより素早い動きで土へと潜ったため、ぶおんっと音をたてて振られた剣は空を切った。と思ったらアレクの後ろから別のモグラが飛び出してきてがら空きの背中にタックルを食らわす。衝撃でアレクが前へつんのめると、すかさず別のモグラが腹へタックルし、アレクもまた悶絶することに。リザちゃんも弓から矢を放っているが、素早いモグラには当たる気配もなく、むしろアレクに当たりそうに見えるんだが。


「ちょっと一旦撤収しましょう!」

「ひぃぃ、たすけてくれえええっ!」


 やむなく俺達は街道の方へ避難してくる。あのままあそこにいたらなぶり殺しにされるところだった。これは少しやり方を考える必要があるな。息を整えて、三人で輪になって座る。


「ちょっと作戦会議です」

「でもよ、あんなの出てきたところを斬ればいいんだろ?」

「それができてないからああなったんでしょう。それにリザちゃんの矢もこのままじゃ無駄撃ちになりそうですし」

「ご、ごめんなさい…」

「というわけで、役割を決めましょう」


 そして三十分ほど話し合った結果、方向性は決まった。

 プランとしては唯一盾を持ってるアレクがモグラを誘って盾で受け止め、そこへリザちゃんが矢を放つ。俺はリザちゃんを守りつつ遊撃するという具合だ。まあ、失敗しても死にはしないだろうしまだ時間も昼前だから大丈夫だろう。

というわけで、俺達は再び畑へと向かっていった。


☆★☆★☆★


「ぐっ、まだまだぁ! リザ、今だ!」

「うん! いっけぇ!」


 飛び出してきたモグラをアレクが受け止めて押し返しす。空中で跳ね返されたモグラはバランスを崩して畑の上へ背中かから落下し、そこをリザちゃんが矢で射抜く。頭を射抜かれたモグラは力なく畑へと倒れ込み動かなくなる。


「よっしゃ、また倒したぜ!」

「アレク、後ろです!」


 モグラを倒して喜ぶアレクの後ろの土が盛り上がっているのを見付けた俺が駆け寄ると、そこから再び別のモグラが飛び出してきたのでそれに合わせて斬り下ろす。大剣に斬られたモグラが真っ二つになり絶命したのを見て、少し気分が悪くなりながらもほっとする。


「気を付けてくださいよアレク。倒したあとが一番油断しやすいんですから」

「そのためにアルがいるんだろ? さっきから助かってるぜ!」

「はぁ~まったく…」


 作戦会議から体感で二時間ぐらいは経ったように思う。畑の上にはモグラの死体が十三体。あんな適当に立てた作戦で、しかも一度目で上手くいくとは思わなかった。思わぬ誤算だったのは、アレクとリザ兄妹が思ったより武器の扱いが上手かったということだろうか。アレクはきちんと盾を使いこなしているし、リザちゃんも弓の腕はかなりいい。

俺の腕は…微妙だが。ネコミミオネェの店で買った剣が思ったより良く斬れることに救われている感が否めない。

 まあでもこれなら今日はそれなりの成果が出せそうだな。



 と思っていたのだが。

 その後、俺達は昼に少し軽食をとってから再び狩り始め、倒したモグラが二十体を越えた辺りで疲れ果ててしまい今日の狩りは終わりとなった。狩りって、思ったよりずっと体力を使うな。


「結局倒したモグラは二十二匹ですね」


 俺はモグラの鼻を切り取り終わり、袋に詰めて立ち上がる。


「もうちょっと行けると思ったんだけどなぁ」

「お兄ちゃんが一番疲れてたじゃない!」


 リザが戦闘で放った矢を拾いながら兄妹がいつものように会話している。矢も買ったら割といい値段がするので、回収できるものは回収しなければ破産してしまう。仮に折れていても鏃や矢羽は再利用できるしね。


 そうして諸々の後始末を終えて、俺達はローリアのギルドへと帰って来た。

 カウンターにモグラの鼻が入った袋を出す。


「あら、貴方達お疲れ様! ちゃんと依頼は達成できたみたいね。これで見習いとしては一人前といったところかしらね」


 そういって微笑みながら、報酬の銅貨四十枚を渡してくる。

 初めての依頼料を見て俺たち三人は感動に震える。アレクは飛び上がって喜んでいた。三人で分けたら宿代にも満たないが、やっぱり冒険者として始めての報酬というのはどうしたって嬉しいものだ。


「じゃあ、依頼完了の手続きをしちゃうからギルドカードを貸してね」


 お姉さんの言葉に俺達はギルドカードを渡すとそのまま奥へ引っ込み、しばらくして戻ってきた。


「はい、じゃああと十九件の依頼を達成したら、Gランクに上がれるから頑張ってね」


 そういいつつ、ギルドカードを俺たちに渡してくる。

 すると、後ろから足音が近づいてきたので振り向くと、モヒカンの怖い人、確か黒革のハザンとかいうのが俺の肩に手をかけ、耳元でドスのきいた声を出す。


「今回はたまたま運が良かっただけだ。甘く見たら死ぬぞ。死にたくなければ初心者講習でも受けてくるんだな」


 ひいいいい、怖い。行きます、初心者講習行くからタマだけは取らないで!

 言うだけ言って去っていくモヒカンを見ながら、俺は心の中でそう叫んだのであった。


 ともあれ、依頼は無事成功に終わったことだし今日は帰って宿で夕食を食べてゆっくり休もう。三人でそういう話になり、報酬を銅貨十三枚ずつ分配し、残った一枚で買った小さめの串焼きを三人で分けて食べながら鳥の羽休め亭へと帰っていったのであった。

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