穏便に穏便に
簡単に終わった。よかった、よかった。まあ、これで一件落着だな。とりあえずお昼かな?(ガロっ)
「ハーーーイ♪」
「ギャーーーーーー!!」
「昨日どうしたの?力弱いねー。」
「ウザっ。とりあえず、昼飯だから話しは後で。」
「なんだよ!その態度!」
「せっかくとかその後で言うんだろ。」
「何それ、怖いんだけど」
「いきなり来るなよ!!」
「えー、いいじゃん別に。」
「お前、家どこなんだよ?」
「あたしんちはない。」
「はい!?お前大丈夫か!?学校は?」
「行ってる。でも今んところ不登校。」
「マジか…」
スーパーワンダーミラクルデリシャスヤバい、コイツは。
「とりあえず、父親と飯食いながら話そう、な?」
「うん、こんなこと3ヶ月ぶり」
「はー!?」
コイツ死人か!?なんだか怖くなったんだけど。
「うああ!?お肉あるんだけどいいの?」
「規制がゆるいからな、浄土宗は。」
「ありがとうございます!いただきます!」
「コイツが住んでもいい代わりに修行僧としてやってもらえないですか?」
「どうだろう、嬢ちゃん、霊感ある?」
「はい、あります。特においなりさまの言葉が聞けます。」
「おう!上等だな!うちにもおいなりさまが」
「父さん!!あれはダキニ様です。一緒にしないでください!」
「あー、ごめん。うちのせがれうるさいでしょ?」
「父さん!!」
「いいえ、あまりに素直な人です。おいなりさまも喜んでいるでしょう。」
「だから違うって!」
「だけど、お前の母さんの御先祖はおいなりさまを祀ってただろ?」
「あれは昔です!」
「まあまあ穏便に穏便に」
そして、咲の入寺式をやった。
「一同合掌!南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏」
「ノウマクサラバタタギャタバロウキテイオンサンバラサンバラウンノウマクサラバタタギャタバロウキテイオンサンバラサンバラウンノウマクサラバタタギャタバロウキテイオンサンバラサンバラウンノウマクサラバタタギャタバロウキテイオンサンバラサンバラウンノウマクサラバタタギャタバロウキテイオンサンバラサンバラウンノウマクサラバタタギャタバロウキテイオンサンバラサンバラウンノウマクサラバタタギャタバロウキテイオンサンバラサンバラウン」
「俗名藤井寺咲はこれから石原咲香と名を改めて修行する。弥陀の本願により修行させたまえ。」
「焼香をお願いします。」
「はい。」
「咲香、いざ唱えよ。されば救われん。」
「南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏」
こうして、修行僧の一人になった。そして、修行僧の部屋には阿弥陀様が祀られているが。咲香の分がない。どうしようか。
「父さん。咲香の阿弥陀様がおられません。どうしましょう。」
「山尾さんからのもらいもんあるだろ?」
「はい。」
「それを使え。」
「分かりました。」
そして咲香の部屋に阿弥陀様を持ち込んだが
「あっ!ありがとう。台用意するね。」
「ああ」
「よいしょよいしょよーいしょっと。できた!」(ピカーー)
「うっ、なんだ!?」
「わからない!何よ、これ!」
「あれ?おさまった。」
「ちょっと!?卓也!どうしたのそのあたま?」
よく鏡で見るとキツネの耳が生えていた。そして、それが咲香にもあった。
「お前もな!?」
「えっ!?私も!?何で何で!?」
そこで割り込んできたのが
「どうも、ダキニです。」
そう、ダキニ様。ここ石原寺の守り仏なんだが、時々出てくるのが心臓に悪い。
「あなた、気にいったわ。」
「ありがとうございます。」
「でも、こないだのようなことはしないでね、いい?」
「はい!」
どうやら咲香はダキニ様のお気に入りになったそうだ。
「あなた方、いいとしごろになったから私から任務与えるね。その時よく聞いてね、いい?」
もしかして
「そう、あなた方は私の仲間の証でキツネにならせてあげた。」
ええー!?いつの間に全身変わった!?
「ちょうど今やったからびっくりするでしょ?」
「はい…」
「じゃあ、頑張ってね♪」
そして二人の変身寺ライフが始まった。
「とにかく、頑張ろうよ、卓也。」
「ああ」
「よーし、頑張るぞーー!!おーーー!」
よし、頑張ろう、穏便に。
「おーーーーーーーーーーー!!」