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俺のマスター

やっぱり更新システムはなかったかぁ…

俺はガックリと肩を落とした。

駄目元覚悟だったとはいえなぁ……。


まぁ、まだまだシェルターはあるし、次のシェルターに行けばあるかもしれないな…。


そう自分に言い聞かせて気を取り直す。


手持ちぶさたでなにもすることがない。

ので、ボーッとシェルターの防御プログラムを起動させているルーエンを見ていた。


更新システムがなかったのは残念だったけど、やっぱ流石だなぁ、あいつは。

自分のマスターである少年、ルーエンがダークは誇らしくて仕方なかった。

こんなに小さい子供なのにしっかり者で、なにより普通は道具扱いの機械人形(アンドロイド)を気遣ってくれる。


ま、最初会ったときは子供のおもりなんかいやだったんだけど、

旅するうちにそんなに手のかかる子供じゃないっておもったんだよな~。


もう3年も一緒にいるし、というか人間がほとんどいないこの世界で、

ルーエン以外のマスターは見つけられる可能性は低いし、居ても承服気もないけど。


そういや、前に

「僕ダークさんに頼りっぱなしですね…すみません。」

なんてルーエンに言われたことあったけど……


「依存してんの俺じゃね…?」


ポツリと呟く。


「なにか言いましたか?」


俺が漏らした声にルーエンが気付いたらしく、振り向いて聞いてくる。


俺としたことが…声に出てたか…。


「いや、なんでもない。

システム障害がないか自己検索診断してただけだからさ。」


とっさにそう誤魔化す。


そうなのですか?不具合があったら言ってくださいね?

と、再び電脳(ベース)に向き合うルーエン。


どうも、ルーエンに会ってから俺には人間味というものがついてきたみたいだ。

機械が自分は人間味があるなんて言うのもおかしいけど、機械味なんて言う方がよっぽどおかしいし…


「終わりました。」


自分について考えていたが、ルーエンの声に思考が遮られた。

設定が終わったら次にすることは分かっていたので、ダークは了解と返事をする。


「外の気温は20℃に設定したので、涼しいと思いますから安心してください。」


あの短時間でそこまで設定したのかよ…。

ホント流石だな…。


「おー!ありがと♪またあの地獄を歩くのかと思ってたんだよ~」


「そんな酷い思いさせるわけないじゃないですか。」


まぁ、あの暑さでも15、6時間は普通に活動出来るんだけど。

ルーエンもそれは知ってるのに、いつも快適に思う環境にしてくれる。


ほんと優しいよなぁ!俺のマスターはっ!


あの時ルーエンをマスターに選んで良かったとしみじみ思う。


「んじゃ、街の方で着るものとか食糧とか探してくっから、この建物内の捜索と電脳(ベース)の中身は頼んだぜ?

マスター。」


からかい半分に最後にマスターと呼んでみる。

マスターと呼ばれてルーエンは気恥ずかしそうに返事をした。


「マスターなんて止めてください……。

恥ずかしいです。」


頬を少し赤らめて俯く。

……なんかちょっと女々si…コホン!

変わった奴だな、俺のご主人サマは。


ルーエンの様子にクスクス笑いながら、出口に向かう。


薬とかもあったら持ってこなきゃな…。

そんなことを考えながらダークは砂の街に歩いていった。





全くもう…ダークさんはすぐからかうんだから…。

赤くなった頬を押さえてしばらくそのたま立っていた。


「さて……」


僕も自分の仕事に取りかからなきゃ…。


ディスプレイに指を滑らせて、シェルターの外部につけられたカメラを通し、外の様子を見る。

地中にいる虫の反応以外、なにも居ない。


アレが居ない。


取りあえずは安心だとルーエンは息をついた。

アレとは謎憚獣(アンノウン)のことだ。


元は普通の獣だったが、ある日を境に変化した獣。

変化した原因は分からないままだったが、最初は人間と謎憚獣(アンノウン)、両者上手く折り合いをつけてやっていたらしい。

人間に友好的なもの、知能が人間ほど高いものもいた。

双方平和が続いていた。


だが、急に謎憚獣(アンノウン)は人間に牙をむいた。

友好的なものがいなくなったわけではないが、ほとんどの謎憚獣(アンノウン)が敵に回った。

そして僕が生まれる前よりずっとずっと前に



人間は負けた。



生き残った人達がどれくらいいるのか、どこに暮らしているのか全く分からない。


ひょっとしたら、もう僕しか居ないのかもしれない。

その僕も運よく生き延びてきただけ。

僕が最後の生き残りだったらなんだか先人達に申し訳ないなぁ……。


「……とにかく!」


パシパシと両頬を叩く。

傷心に浸るより、今は探索が先だ。


あの異形の獣が居ないと確認できた。

しばらくはここにとどまれる。

街に謎憚獣(アンノウン)が近付いてきたらアラームがなるように設定すると、電脳中枢内(ベースエーアイない)の探索を始めた。


ディスプレイに乗せていた指を再び動かし始める。

様々なフォルダを映しては消していく。


電脳中枢(ベースエーアイ)のなかのデータを、片っ端からディスプレイに映して覚えていくために。


この辺りの気候、地形。

生息している謎憚獣(アンノウン)達の種類。

このシェルターの過去の記録。


等々、どうでもいいんじゃないかと言うデータも、ひとつ残らず覚えていく。


シェルターの電脳中枢(ベースエーアイ)の膨大なデータを次々映して全て見た結果。

覚え終わるのに2時間程かかってしまった。


全て見終わった彼は、体の節々が縮んでると言わんばかりに背伸びをして、充分に伸ばしきると脱力した。


「……ダークさんが戻ってきたらメンテナンスしなくちゃなぁ…。」


2時間もコンピューターにかかりっきりで疲れていたが、ルーエンはすぐ、ダークの調整準備にかかる。

調整の基礎である機械人形(アンドロイド)メンテナンスのプログラムは保護されていて無事だった。

すぐに使えるようにダークの基礎情報を書き込んでいく。

この作業も慣れたもので、ものの5分で終了した。

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