転校、なにそれおいしいの
端書という言葉がある。なんだそれ。よく理解できない。
僕は僕なりに独り言を綴るだけだ。
さて、何から始めよう。現実問題僕はこんなことをしている場合ではない。しかし、やらずにはいられないのだ。期末試験の前に部屋の掃除がしたくなるように、僕もまたこうして欠かすことのできないもののひとつやふたつあるものだ。初めてだし、文章が拙いかもね。まぁ個人的なものだし、いっか。ふむ・・・今日はここからはじめるとしよう。
・転校――――なにそれおいしいの。
運命のいたづら。
なんだこの言葉。運命のいたづらって。事象が必然になるのか。僕がであった全ての人たちは運命のいたづらに仕組まれました!なんか違うね。まぁ、そんななか僕は本当にどうかしてると思ったんだ。運命のいたづらなんて僕には無関係だと思ってたのに、うぅ。
失敗した。穴があったら入りたいとはこのことを言うのだろうと今の僕ならそう思う。まぁ、頭隠して尻隠さずということわざが具現化するに違いないだろうけど。
そうそう、この日は僕の転校初日だった。みんなは転校したことあるかい?
僕はあるよ。って今書いてるんだけどね。でも。実際問題、転校って僕は好きなんだ。いや好きだったのかな。まぁ好きなんだ。いろんな人に知り合えるしね!
「今日は転校生を紹介します」
この言葉を聞くのは何回目だろう・・・。通算して8回目です!
僕は廊下でいつものように朝の会?で僕が呼ばれるのを待っていた。今回の学校はどうかな。楽しいかな。そんな希望を胸に秘め僕は教室のドアを開いた。
「おはようございます・・・よろしくです」
いつものように軽い挨拶からはいる。すごい、まるで今までここにいたかのようにすら感じる!いつものように連呼はやめようと思います、はい。
まぁ。転校生が来て喜ぶのは変わり者か転校生がかわいいかかっこいいかのどちらかだろう。残念ながら僕はそのどちらでもないし、はっきりいって不細工だ。ほら、その証拠に目が合うと反らす者やこするものが大勢いる。そんなに眠いのか君たち!って思ったね(笑)
これも、いつものことなんだ。まぁ、僕がブサイクであるし、仕方ない。転校という一大イベントは転校生の外見で大きく変わるのだ。すまないね。
適当に自己紹介をしたあと、僕は案内された席についた。おっとここは中学校だぜ、げへへ。・・・おもしろくない。
着いた席はピカピカ新品の机だった。みんな知ってるかい?新品の机って良いなって思うかもしれないけど疎外感が半端ないよ!隣の席の子も新品が良かったな。
「中学校で転校生ははじめてだよ。よろしくねー」
「よろしくお願いします。すみませんが、今日の授業で使う教科書見せてくれませんか」
僕はブサイクだ。劣った外見は優れた性格でカバーする必要がある。ブサイクだから話すのは苦手だから性格も良いほうじゃないけどね!
「もちろんだよー。と、ところで、私田邑佳織っていうの。名前覚えてくれますか!?」
ん?なんだ田邑佳織。話が急すぎて僕もみんなも理解できないだろ!
むー。よし、じゃあ僕ができるだけわかりやすくクラスについて説明してあげよう、えっへん。まず、様子からだね。
黒板の一角に白のチョークで書かれた日直という文字が緑一面に華を添える。どうやら今日の当番は田中さんと田邑さんのようだ。よし、今度は教室中に目を向けてやる。おぉ、雑多の中に白黒の色を見つけることができた。これは制服だね。どうやら今は夏服移行期間らしい。・・・ちなみに僕は夏服です!
回れ後ろして、教室の後ろに注目してみよう。委員会の張り紙・・・なるほど、雑務用か。これには華がない。あとでカラーペンで華にしてやろう。もちろん先生に怒られました!
「昨日のテレビどうだった?・・・」
「俺昨日スパープレーしたぜ。・・・」
「現代っ子はもやしっこ!」
人に目を向ける?耳を傾けてみた。クラスのみんなはすでに僕に興味なんかない。ちらちら視線は感じるが気のせいだろう。自意識過剰、センシティブ、僕はキモい人間になりたくはない。まぁ、僕の外見が異様だからか。あれ自意識過剰じゃん(笑)。
そうそう、お隣の田邑さんのはなしだったね、忘れてたよ。どうやら彼女はただ初めてで自己紹介をしただけらしい。それならそうと早く言って欲しいものだな。原稿数行返せ、バカ。おっと、思想・心情の自由は何人にも侵す権利はないよ!これが僕のアイデンティティ、日本国憲法万歳!フランス自由主義ありがとう!
「ごめんね、私緊張しちゃって。転校生とかほんとはじめてで」
さっきも聞いたけどね。ホント緊張していらっしゃいますです。どうやら、僕のこの異様なマスクが気になるらしい。そうです、僕は今マスクしています!ブサイクだからね!
「ありがとう、僕の自己紹介はさっきしたからそれを覚えてくれると嬉しいな」
「うん、わかったわ。あ、一限はね、数学だよ」
それを聞いてぼくは黙った。まぁ、別に深い意味はない。僕は数学は好きだ。でもどうすきかと言われると困る。数学は概念だ、形あるものではない!だから計算が好きっ。とかいうバカは数学の意味を分かってはいないと僕は思う。
「私数学って好きなんだよー。計算が得意なの」
「へぇー・・・そうなんだ」
・・・・。・・・・・・・・・・・。次に行こうっ。
これって需要あるのかな。まぁ、それは置いておこう。書く事に意味があるのだ、のだ。
「・・・ここの関数はy=axである。傾きが2の場合・・・」
数学の授業中僕は先生の話そっちのけで外を見ていた。雲が穏やかに西から東へどんぶらこ。向こうの方には雨雲もみえる。帰るころは雨かな。風も吹いてきたし。
校庭に散らばる愚民どもが小さく見える。ほぉ、これはハマるね!人がまるでゴミのようだ!これは言うべきだと思います。
そんな風にボーっと空を見ていると先生(ダンディな男性)が、
「じゃあ、この問題を・・・お、今日は転校生がいるのか。よし、君にやってもらうとするか」
と言ってきた。
このパターンも何回かあるな。どうしよう、正解するか不正解にするか。無難な方はどちらかな。ふむ、僕はブサイクだから、頭は良いぞってアピールすることにしよう。まぁ、こんな簡単な問題でアピールするほどでもないか。
「y=2xのとき変域0≦x≦2そこからy=3xのグラフになってその変域は2≦x≦4です」
そつなく答えれた。今僕の口には猿ぐつわのように拘束されているからして上手く発生できるか心配だったのだ。こういうのいいと思います!・・・もちろん冗談だ。ただ大きなマスクしてるだけです、はい。
どうやら、僕が答えた問題は難しい問題に入るらしく先生は「よくできたな!」と褒めてくれた。えへへ、ありがと。別に嬉しくないです//
このあとは別に当たることもなく、また僕は空に目を向けることに集中できた。数学って楽しいね!
この中学校はお弁当らしい。らしいというのは今日は午前中授業でお昼がないからだ。数学の時間に見た雨雲が近づいて来るようだ。どうも台風らしい。どうりで風が強いわけだ、納得。どうりってどおり?どっちでもいいよね!つまるところ僕は今日早く帰れるんだ!いやっほい(棒)。僕はブサイクだからはやく帰ってこのマスクをとりたい。
ところで、風がすごい日っていきなりすごい突風?が襲って来ることあるよね。よくアニメでは女子のスカートがめくれたりして主人公がラッキースケベって言われるとか。まぁそれはアニメの話なんだけど。
もし、今僕のところにピンポイントで窓から襲ってきた突風が僕のマスクをとっぱらってしまったのなら僕は今日のこの日を人生の中で一生恨むだろう。はい、決定事項です!今日のことはゴミ箱フォルダ行きだ。死のう。
あたりが騒然とした。僕は突風に煽られたせいで目と鼻と口(端的に言えば顔)を腕でガードしていた。
「いてて、目にゴミが・・・口もじゃりじゃりいうよぉ」
そういって僕は流し台に行こうと踵を返したところではっと気づく。口がじゃりじゃり・・・!?
数秒後、僕は失態を起こすことに気づく。あれマスクがない!慌てた僕はマスクを探そうと腕を顔から離してしまったのだ。僕はバカです!
クラス中が僕に注目した。君たちさっきまでそこら辺と話してただろ。なんでタイミング良くこっちを向くんだ!だけどついに、というか転校初日で僕のブサイク顔がバレてしまった。恥ずかしくて死にそうだよ!まぁ、バレてしまったものはしょうがない。いくら僕がブサイクだからっていきなりいじめに発展することはないだろう。・・・・信じたいですっ!
しかし、クラスから沸き立つ言葉は「キモッ」とか「なにこいつ」とかの部類ではなかった。むしろ・・・賞賛されている。なんだこのクラス、バカなのか?
「え。あなた・・・すごいかわいい」
一歩前に出たお隣の田邑さんがそう言うまで僕はフリーズ状態から抜け出せずにいた。実際彼女は僕の名前を呼んだらしいのだが、僕は把握できる状況にはない。僕がかわいい?何だその幻想。お前も中二病だったのか。ふむ、お似合いでした!
僕はブサイクだ。これは普遍的事実、ノンフィクション!
実際僕は独り言のようにこのノートをまとめてるけど全部僕の主観だ。他人の感情とかそんなものまで読み取ることは不可能だ。なにせ僕はコミュニケーションが取れない。略して、はが〇い!はーい、自重シマース(棒)。
まぁ、脳内に現実逃避したけれど、現状がかわるわけではない。ていうか、お前らいつまでこっちみてるんですか?
「あの・・・人の顔じろじろみないでください。恥ずかしいです・・・」
僕は大嫌いなこの声でしゃべるのが大嫌いだ。だからしゃべるのもあんまり好きじゃない。いつもはもっとしわがれたダンディな声で喋ろうと努力している。ちなみに数学の時間はマスクに仕掛けてある変声機で喋ってました、えっへん!
僕が小声で進言(進言っていうのは身分のしたものから皇帝とかチョーくらいの高い人物に話をする時とかに使うらしいけど、実際僕は卑しい身分なので使っても問題はないだろう。)すると、目をそらすのかと思いきや、ぎゃくに僕を中心に集まってきた。なんだこいつら!
あとで聞くと、僕は美人というかすごいかわいいらしい。女として可愛いと言われるのは素直に嬉しい。わーい・・・っていうと思うか。僕はブサイクだ。みんな幻想を抱きすぎだ。このクラスを今日から中二病組と名付けよう。僕も中二病絶賛発動中!
あんまり長々と話すのは嫌われるからこのくらいにしておこう。つまりこれは僕、宇多舞美がこの学校で失態をおかしたよって話なんだ。ほんと僕はバカだ。これからどんな物語が待ち受けるのだろう。これは楽しみだ。ノート1冊分溜まったら、文芸部に持ち込んで部長の座を掻っ攫ってみよう!
続く!
ここに何を書けばいいかわからないから僕は適当に字を書くんだ。
こんにちは。初めまして。こんばんは。初めまして。
僕の人生はこんなにもバカなんだ。みんなにもわかって欲しいものだ。