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Pastel Quest  作者: 月影 零
全ての始まり
1/7

1.始まり

あの時代を一緒に過ごした仲間たちへ

そして、アイデアをくれた原作者へ


もしあの時代の仲間たちが、この小説を読むことがあったなら

きっとみんなが笑うだろう


新しく読者になってくれたあなたへ


これは私の記憶と、自己満足の塊

でも、それで楽しんでもらえたら、うれしい





「ここを…この里を、出なさい。」


それが、遺言だった。


「あなたは、ここにいるべきではないわ…。」


わかっていたこと、だった。

わかりきったことでも、親に言われるのは辛かった。


「さあ…行きなさい…。」


最後まで見届けることなく、彼はそこを出ていく。




「一緒に来るか?」


雨が降る街の路地裏で。

迷っていた彼女に、最初にかけられた言葉。

物珍しい目では見られるものの、誰一人として、声をかけてくる人はいなかった。


「いいの?」


わかっている、自分がどんな存在か。

わかっているからこそ、周囲の視線がつらかった。


「気にするな。」


頭の上にかけられる、タオル。

彼女はそれに顔を埋めて、こくこくと頷いた。




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