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黒い鳥さんと一緒。  作者: 蛇真谷 駿一
修学旅行前で一緒。
97/144

来客、何で!?の話。

 遅くなりました。

 俺が家に付くと、まだ夜羽は帰ってきてなかった。

 ――お茶の一杯くらいは貰う余裕はあったか……。



 とりあえず夕食の準備をしていると、すぐに夜羽も帰ってきた。


「ただいま」

「おかえり」


「ん、シュン。早く帰ってきてた」

「どこぞのお姫様からのご命令だからなー」


「む? オヒメサマ……?」

「…………ごめん、なんでもない」


 軽く茶化したつもりだったが、夜羽に通じるわけもなく、普通に聞き返されてしまった。





「よしっと。後はこのまま置いとけば終わりだ」


 すると、タイミングよく電話が鳴った。――ちょっと前だったら出れなかったしな。

 ルルルルルルルッ! ガチャッ!


「あ、はい、もしもし」

『もしもし、高嶺ですけど、神尾君ね? 今大丈夫?』


 おっと、これはまた意外な相手……と言うかそもそもよく考えたら、家の電話が掛かってきたのも久しぶりだ。


「あー、そうですね。大丈夫です」

『なんか大丈夫そうには聞こえないんだけど……』


「いえ、料理中ではありますが、後は煮えるのは待つだけですから。あ、夜羽、皿出しといてくれ」


 ……おっと、電話中なのにいつものノリで夜羽に話しかけてしまった。


「……すみませんね、立て込んでて」


『……そう、ごめんなさいね? ……掛け直しましょうか?』

「いえ、そこまでして頂くわけには……」


 せっかくわざわざ用があって電話してきたのに、失礼だろう。

 なんて考えていると、


 ピンポーン!


 インターホンが聞こえた。

「ん、誰だ? こんな時間に……あ、すみません」

 とりあえず謝ってから掛け直そうと思っていると、


「って夜羽、ちょっと待て……い、行っちゃった…………」

 一目散に夜羽が行ってしまった。


 飯田にも言ったが、世の中物騒なんだから、無闇にドアを開けてほしくないんだが……。


『神尾君、大丈夫?』

「いや、本当にすみません! 何かこの時間に誰か訪ねてきて、夜羽が何も確認もせずに玄関まで行っちゃって……あ、戻ってきた……」


 ついなんとなく、状況の説明をしてしまっていた俺の元に、夜羽が言ってきた。



「ん、シュンお客さん来たから入れた」


「え? 客来たから入れたって? ああ、そうか……って、誰!?」

「む……ん、今来る」


「い、今来るって……」

 意味がわからず、玄関先のほうを見ると、先ほどまで聞いていたはずの声が聞こえた。



「えっと……こんばんわ……」


「はぁ!? 何で!?」

 何で飯田が。


『えっと、もしもし?』


 やべ、電話の事忘れてた。


「…………すみません、一旦こっちが片づいてから、掛け直します……」




 高嶺母の電話は申し訳ないが、一旦置いておく。

 ………………ただ、真面目な話といっていたが……なんだろうか。


 いや、まずはこっちを終わらせましょ。


 とりあえず鍋の火を止め、事情を聞く事にします。


「さて、飯田愛美さん。あなたはどういった理由をもって今この場にいるのでしょうか……?」

「あーの…………その、これ」


 そう言って、飯田は手作りのおかずが入ったタッパを差し出した。


「これは……?」

「あの、うちのおかーさんが、瞬君に勉強を教えてもらってるって言ったら、お礼に持って行きなさいって」


「なるほど。わざわざありがとう」

「ううん! お世話になってるのは私だし! そ、それじゃあ、遅くにゴメンね? 夜羽ちゃんもゴメンね?」


「ん、マナミ待って」


 と、夜羽が飯田を呼び止めた。



「……え? え、え、え!? よ、夜羽ちゃん!? 私のこと名前で!」


 飯田は、夜羽に呼び止められるとは思っていなかったのか、だいぶ動揺していた。


 …………にしても動揺しすぎ。



 さて、それにしても夜羽。

 わざわざ呼び止めて何を言うのやら。



「えっと、な、なに? 夜羽ちゃん……」



「ん、マナミも一緒にご飯食べる」




「…………………………え?」




 ……あー、前にもこんなことあったな。


 とりあえず飯田のご両親が何て言うのかはわからんが、もう一人分の食事準備もしておくか……。





 ……その前に飯田の意識を取り戻しておくか……。

 夜羽ちゃん、愛実ちゃんとお話希望でーす。



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