勉強と突然の困惑の話。
現在昼休み、ご飯も食べ終わり、飯田と二人、テスト勉強のため、図書室へ来たのだが。
「……………………」
「……………………」
「いいですかな? 飯田さん……?」
「な、何かな……? 瞬君」
「どうして、教科書がないのですかな?」
「き、今日はノートだけがあれば大丈夫な授業と、体育だけだったから……」
もう一度言うが、俺たちは、勉強するために、図書室に来ているはずなんだが。
「君は……勉強をする気はあるのかな?」
「……ご、ごめんなさい」
「いえね? 別に急にこんな事してる訳じゃなく、昨日のうちに勉強すると言ったはずなんです。だから準備が出来ないはずがない訳ですよ。それともあれですか? 学校のテストの勉強をするのに、学校で使ってる教科書は必要ないと思われましたか? まあ、それならそれで? 勉強の仕方は人それぞれですから、いいですけど。そもそも私の記憶が正しければ、君の方から勉強を教えてくれと頼んできた気がしていたのですが……そこのところどう思われますか?」
「あぁあ……キ、キャラが違うよぉ……面倒くさがりな瞬君らしからぬ敬語の長文を口に出してるよぉ……」
キャラが違う?
ああ、今俺は少し気が立っているからかな。
俺にとっての昼休みは、学校内で過ごす時間の中で唯一無二の、何もしなくても良い時間なのだ。
それを削ってまで付き合っているというのに……こいつは、まったく。
「飯田愛実さん? そんなくだらないことを言う前に、言わなきゃならないことがあるんじゃありませんか……?」
「……は、はぅ……き、教科書は、忘れてしまいました……テスト勉強をする自覚が足りませんでしたぁ……ご、ごめんなさいぃ……」
「はい、よくできました。悪いことをしたらまず謝らなければいけませんね? ……許しませんけど」
「はぃ、これからは気をつけ……!? あれ!? 許されてない!? 謝ったのに!」
実際はそんなに怒ってはない、てか、怒るのも面倒くさいから、別にいいんだけど、まあ、こういう風に言っとけばより一層勉強に励むかなと思ったので、とりあえず許さないでおく。
「さて、とりあえずそれは置いといて、時間がもったいないから勉強始めるぞ。教科書は俺のを貸すから」
「えぇ! 置いとかないでぇ! 瞬君に嫌われたままなら勉強すすまないよぉ……」
ぬ、逆効果……てか、何気に他人が聞いたら勘違いされそうなことを言う奴だ……。どんだけ懐かれてんのだ俺は……。
「わかったわかった。とりあえず真面目に勉強するなら許す」
「はい!!」
飯田は、今まで見たこと無いような真剣な顔で、勉強に取り組みだした。
…………出来んなら普段からやれよ
学校での勉強も昼休みの短い時間だけなら、飯田も集中して行っていた。
……問題は、これから飯田の家での勉強会か……。
帰ってきてから、飯田の家に向かう準備をしながら、軽くため息がでてしまった。
と、そこに夜羽が近寄ってきた。
「シュン」
「お? なした? これから高嶺の家に遊びに行くんだろ?」
「ん、行く」
「とりあえず高嶺と高嶺のお母さんによろしく言っといてくれ。テスト勉強に修学旅行で、しばらく行けなさそうだけど、修学旅行でお土産は買ってくるってさ」
「ん、わかった。……シュンは、これからマナミの家に行く?」
「ああ……多少面倒くさいが、まあ、仕方ないなぁ……」
俺がそう、苦笑いしながらボヤいていると、夜羽はなにかを言いたそうに俺を見ていた。
「ん、どうした?」
そう尋ねると、夜羽はゆっくりと俺に近づき、
「……」
「ん……? ――――っ!!!?」
いきなり俺に抱きついてきた。
「な、ななよ、夜羽、さん……?」
な、何だ!? 何がどうしてこうなっている……!?
てかまた誰かの入れ知恵か!?
そんな俺の混乱をよそに、夜羽はそのまま口を開いた。
「……シュン……はやく……帰ってきてね……」
「あ……ああ、わかったよ。で、出来るだけ早く帰る」
「……ん」
俺の言葉を聞いた夜羽は、すぐに俺か離れ、駆け足で家を出ていった。
「……………………」
夜羽……何かあったのか……?
最近は特に変わった様子の無かっただけに、少し心配になる。
これから飯田の家に行かなきゃならないんだが………とりあえず、俺の動悸と顔の赤さが収まってからだな……。
ふむ、修学旅行編に入るまでの軽い話にするつもりだったのに、少々長くなりそうな予感……。
それはさておき、気がつけばもう九十話……。
記念すべき百話が近づいてます。
ここは何かやっとくべきでしょう!
さて、何をやるか……やはり一度やってみたかった『人気投票』にしてみましょうか。
と、言うことで人気投票をやってみることにしました!
それで、人気投票で、一位のキャラメインのお話を一つ投稿したいなと思います!
誰も読んでねぇよ。とか、読んでてもそんなこと出来るほど人気じゃねぇよ。とかの意見はとりあえず横に置いといて……。
お暇な方! 活動報告にも書いておきますので、感想でも活動報告でもメッセージでも、お好きな場所に投票お願いします!!
期限はそうですね……九十五話目が投稿されるまで、にしておきますね。
あ、瞬や夜羽みたいに、頻繁にメインをはるキャラの場合は、リクエストがあった方がやりやすいかもしれないですね。
それでは、投票お待ちしてます!!
もちろん、普通に感想とかご指摘とかだけもお待ちしておりますよ!