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黒い鳥さんと一緒。  作者: 蛇真谷 駿一
修学旅行前で一緒。
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彼女の……の話。


 話の中でシュンに聞かれた。


「……なあ、夜羽。もしかして、飯田のこと嫌いか……?」


 …………イイダ、マナミ。

「キライ……じゃない」


 そう、キライじゃない。

 最初にワタシに話しかけてきたときもそうだけど、元の姿でいるときも、イイダマナミは変わらずやさしく接してくれた。


 元の姿のワタシに、怯えるような目も、嫌うような目もしなかった。


 ホタルもイイダマナミのことを話すときは笑顔だった。



 わかってる。



 イイダマナミは多分、いいニンゲン。





 ………………でも、たまに……よくわからないけど、何か、怖くなる。


 ホタルやユリカがシュンと一緒にいるときも少し思ってしまうけど、イイダマナミがシュンと一緒のときが、一番怖い。


 どうして怖くなるのか、わからなくて……。



「……夜羽?」


 突然喋らなくなったワタシに心配そうな声を出すシュン。


「……ん、大丈夫」

「そ、うか……? 何かあるなら言えよ? 言わなきゃ一緒に居る意味無いしな」





「……あ………………」



 そっか……。





 シュンが、ワタシのそばにいてくれなくなるような……そういう考えが出てくるのが怖いんだ。



「…………夜羽…………?」



 また黙ってしまったワタシにシュンが声をかけてきたので、ワタシは話し出す。


「さっきも言ったけど、イイダマナミ……マナミのこと、キライじゃない」


 そういうとシュンは少しホッとしたような顔で言う。



「……そっか、ならいいんだ。何か飯田の話になると夜羽の機嫌が悪くなったような気がしてたから、あいつの事嫌いなのかなってさ」


「む……」

 シュンはワタシの心配もするけど、同時にマナミの心配もしてた。



「…………………………」


 ワタシはそれがやっぱり嫌で。



 ………………ん、よく……わからない。


 こんなときは、相談。ホタルに聞く。


「シュン、明日ホタルの家に行くから、ホタルに言って?」

「ん? いいけど…………あー……電話はかけてやるから、自分で話せばいいんじゃないか?」



「………………デンワ、キライ」


 顔が見えないのに声だけするのは、何か嫌。


 そう言ってシュンを見ると、シュンも微妙な顔をしていた。


「ん……? シュン? どうしたの?」



「いや……俺は高嶺のお母さんのテンションがちと苦手で……」


 シュンが苦笑いを浮かべて言う。


 む……シュンもデンワが嫌だった。

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