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黒い鳥さんと一緒。  作者: 蛇真谷 駿一
修学旅行前で一緒。
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おかしな学校と彼の理解の話。

改めて、ここから三章を始める事にしました。


 東城さんを矢島動物病院に案内した次の日、いろいろ憂鬱ながら、学校に行った。


 改めて考えると、ここ数日でだいぶ色々あったな……。


 俺は、前日の志戸塚の言葉の意味や、東城さんに何を言われるのかを考えながら、ボーッと席に座っていると、馬鹿(ふじもり)が寄ってきた。


「はよっす、神尾」

「ああ、おはよう、馬鹿(ふじもり)


「…………神尾? 今、何て字を書いて俺の名前を呼んだ?」

「……さあ?」


 ……相変わらず変なところで鋭いやつめ。



「所で、そろそろ修学旅行だな」

「あー……そうだったな」


 うちの高校は少し変わってる。

 まず、修学旅行は全学年で実施される。

 つまり毎年行くと言うことだ。


 どうも、入学金を多めにとって、これに回しているらしい。

 ……クレームが来ないのが不思議だ。


 その修学旅行なのだが、行き先は毎年変わる

 しかも、学年どころか、クラス毎に行き先が変わるのだ。

 そして行き先の決め方が……。


「うーん! それにしても、くじ引きかぁ……確か、各クラス委員長が引くんだよな? ゆっぴーの運に賭けるしかあるまいて!」


 そう、くじ引きなのだ。

 それも各学年に振り分けられたはずの修学旅行費が、一旦一つに集められ、くじ引きでいいところを引いた順に、改めて振り分けられていく。


 運が良ければ海外何てのも用意されていて、悪ければ最悪、隣町何てのもある。


 ちなみに、去年卒業した先輩たちの中には、最強に運が悪く、三年間全て隣町を引き当てた生徒がいたらしい。 ただ、そのときにある先生が不憫に思ったのか、三年間全て隣町だった生徒を集め、卒業旅行と称して、旅費の半分は先生が、残り半分をその生徒たちに出させて、海外に連れて行ったとのこと。

 先輩たちは、いい先生に巡り会えてよかった、と泣いたそうな。




 で、どうしてこんな妙な事になっているかというと、この学校の創立者が、

『学校は面白ければいい。面白ければ成績が伸びる。当たり前だ』

 と、どこかのマンガで聞いたことのあるようなことを言ったかららしい…………いや、絶対嘘だと思うけど。




 まあ、とりあえずうるさいから、楽しみだとテンションの上がってる藤森を現実に戻すとしよう。

「まあ、その前にテストがあるけどな」


 瞬く間に藤森のテンションががた落ちした。


「か、神尾……何故俺を現実世界に連れ戻した……!」

「藤森……うるさかったから」


「ぐはっ! なんたる言いぐさ……!」


「その感じなら、何も勉強してないな」

「うぅ! 何故こんな非道な制度を作った! 学校よ!」


 なにがどう非道なのかと言うと、修学旅行直前のテストである。


 これもこの学校の変わってるところの一つなのだが、通常の期末や中間とは別に『修学前テスト』と言うのが用意されている。

 このテストは、直接成績には関係なく、赤点をとっても追試などは行われない。

 だか代わりに、赤点をとってしまうと、修学旅行の自由時間の半分を勉強会にあてられてしまうのだ。

 勿論、いい点数をとれば、それなりの特典もあるらしいが。


 それゆえ他のテストより、こっちの方が真剣に取り組む生徒が多い。



 とにかく、このまま行けば、恐らく藤森はまあ……。


 ……それは置いとくか。

「しかし、志戸塚も面倒な時期に休まざるを得なくなったもんだ……」

「んあ? 志戸塚がどうかしたか?」

「ああ、ちょっとな」


「なんだそりゃ……あ! そう言えば志戸塚と言えば! 神尾! 聞いてくれ! 実はな――」


 藤森が何かを言い掛けていたが、残念、タイムアップだ。

 先生が来た。





 俺は先生の連絡事項を聞き流しながら、考えていた。


 ……ぶっちゃけ教室に入ってからずっと視線は感じていた訳で。

 さっきその視線がする方に、チラッと横目で確認したら、いい笑顔でニッコリ笑ってらっしゃる委員長がおりました訳で。


 ……からかいに来るタイミング計ってるんだろうなぁ……今まで藤森が近くにいたから話しかけてこなかったけど。

 …………ああ……面倒くさい。




「ああそれと、志戸塚だが、家の事情で二週間ほど休みだ」


 っと、志戸塚の話か。


「一応テストには間に合うらしいが……かわいそうにな、ほとんど勉強出来ないだろう。まあ、多少は考慮してやるつもりだが」

 お、よかったじゃん……何となく必要無さそうだけど。


 先生は話を続ける。


「誰かメールでテスト範囲教えてやれよ……と言いたいところだが、これまたかわいそうなことに、事情で行く場所がかなりの山奥でな。電波は届かないらしい」


 クラスのほとんどが、今の言葉に、小さく哀れんだ表情を見せたが、一人だけ、大きな反応を見せた。



「……えぇ!!?」



 みんな突然の大声に、その声がした方――飯田愛実の方を向く。




 そして俺は思い出す。

 志戸塚の忠告を。




 …………俺に迷惑、ね……そういうことか……。

 なるほど、確かにこれは、俺に来る、な……。





 すごく……面倒くさいです。

かなり前から考えていた設定をやっと一つ出せました……。

変な学校大好きです。


感想お待ちしております!

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