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黒い鳥さんと一緒。  作者: 蛇真谷 駿一
学校で一緒。
79/144

お嬢様に案内させられた動物病院の話。

遅くなりました!


 学校が終わり、夜羽には少し出てくることを言って家を出た。


 そして通いなれた道を歩き、ヤジマ動物病院に。


 とりあえず、着いたけど……。



「何ですの!? 何ですの!? どこからともなく声が!!」

「いや、こっちにいるからね? 隣に立ってるから。てか、あれかい? もしかしてワザとやってる? 意図的に無視してる?」


「ふふっ、この子が愛美ちゃんの言ってたゆりかちゃんね? 結構面白い子だわ」



 カオス……と言うのは、こう言う時に使う言葉なんだなぁ……。


「はっ!! 神尾くん! 何ですのここ!?」

「あ! 神尾君! やっぱり君の知り合いだ! この子ひどいんだけど!!」

「あら、神尾君いらっしゃい」


 少し時間を置いてもう一回来ようと、背を向けた瞬間に見つかってしまった。

 ……面倒くさい、この状況。


「東城さん。ここは病院です。お静かに。春川さんも止めてくださいよ」


 俺が注意すると、東城さんはすぐに理解してくれ、おとなしくなった。


「すみませんの……少々取り乱しましたの」

「あら、ごめんなさい。ちょっと面白くなっちゃって」


「……あれ? 僕に対する言葉は?」

 ん……何か、空気が騒がしいな。


「……神尾君、もしかして今ひどいこと考えてる?」


 よくわからない雑音が聞こえるが、気にせずに話を進めよう。


「えっと、まあまずは紹介からですかね。春川さん、彼女はうちのクラスの委員長、東城ゆりかさんです。……まあ、飯田から聞いてたみたいですけど。んで、東城さん。こちらは春川静香さん。ここの受付」


「よろしくですの」

「ええよろしく」


「よし、これでここにいる全員の紹介は終わったな」



「やっぱりワザと言ってるよねぇ!?」



「そういえば春川さんと会うのは久しぶりですね」


 この前夜羽と来たときはいなかった。


「そうね。少し前に来てくれてたみたいだけど、その日私休みだったから」

「そうですか」


 あのとき話した内容を思い出し、若干ホッとしてるのは秘密だ。


「それで? 今日はどうしたの? いっつも学校終わりはめんどくさがって、ここには来ないのに」

「あー、東城さんが矢島さんに会ってみたいって」


「あら? つまり先生に彼女の紹介?」

「今の話がどう飛躍したんですか!」


 思わず突っ込むと、春川さんにクスクス笑われた。

「ふふっ、冗談よ?」


「当たり前ですよ。それで矢島さんは今……?」

「ええ、先生は今診察中よ。患者さんは今の子だけだから、もうすぐ先生は空くから、もう少し待っててね?」

「はい」


「…………」

 俺と春川さんの会話をポカンとした様子で眺めていた東城さん。


「どうかした?」

「あ、いえ。随分と仲がよろしいんですのね」

「ああ……ここの人たちが一番心開いてんのかな? 俺」

「そうでしたの」


 すると診察室から患者さんと思われる犬と、飼い主さんが出てきた。

 ってことは、もうすぐ出てくる。


「すぐ来ると思うけど」



「え、ええ……何か緊張してきましたの」


「何故に」

「いえ、何となくこう、ご両親への挨拶的な」


「いや、どうしてそうなる!」


 またも思わず突っ込むと、

「あれ? 神尾君……と?」

 狙い澄ましたかのようなタイミングで、矢島さんが現れた。


「どうも」

「は、初めましてですの!」


「あ、うん。えっと、今日はどうしたんだい? 神尾君」




 どうしたって……あれ? そもそもなんで東城さんは矢島さんに会いたかったんだっけ。



「とりあえず、お話……ですかね?」


「そっか。それじゃ、こっちへどうぞ?」



 言われたとおり、矢島さんについていく。


 近くでなんかうずくまって、グズグズ泣いてる存在はほっとこう。



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